・ リサイクル原料を使用した循環型LEXAN(tm)ポリカーボネート(PC)フィルムの開発を通じて、グローバルなリサイクル課題の克服に寄与
・ バージン素材を用いたPCフィルムと比べ、消費財、エレクトロニクス、自動車、建設などのバリューチェーンに多大なメリットを提供
・ 持続可能性に優れる難燃性(FR)および非難燃性の高機能フィルムソリューションをフィルムテックジャパン(高機能フィルム展)で展示紹介

日本・東京、2022年12月8日 - SABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、PCR(ポストコンシューマーリサイクル)材料をベースとした新たなLEXAN(tm)フィルム製品を発表し、循環型社会の実現に向けた取り組みを強化することを明らかにした。このソリューションは、バージンPCフィルム製品と同等の性能を発揮し、持続可能性に重要なメリットを提供する。PCRをベースとしたSABICの新しいフィルムはTRUCIRCLE(tm)ポートフォリオとサービスの一環として開発されており、グラフィック、ディスプレイ、電気、セキュリティ、IDカードなど幅広い用途に向けて、難燃性および非難燃性の高機能製品が追加された。これらのフィルム製品は12月7日から9日まで幕張メッセで開催されるフィルムテックジャパン展(ホール6、ブース番号28-52)で展示紹介される。

SABICで機能性フォームビジネス担当ビジネスデベロップメントマネージャーを務めるGeorge Kipourasは、「私たちはプラスチックが環境、埋立地、海洋に悪影響を及ぼすことのない明るい未来の実現に向けて積極的に取り組んでいます。SABICの革新的なPCRフィルム製品は、こうしたビジョンを実現するために開発されており、従来のポリカーボネートフィルムが有する高い機械的特性やフィルム表面の美観を損なうことはありません」と話している。

SABICファンクショナルフォームのプロダクトマネージャーであるThomas Hsiehは、「新しいLEXAN PCRフィルム製品のポートフォリオは、バリューチェーンに関わるすべての人々に対して、環境フットプリントを削減し、リサイクルに関するグローバルな課題をビジネスチャンスに変えることで、真のゲームチェンジャーとなります。
これらの製品はPCRの含有量が高いことから、エレクトロニクス関連企業においてはEPEATエコラベルの評価を獲得し、環境優先購買(EPP)のメリットを得ることができます」と話している。

PCRベースのLEXAN EFRフィルムソリューション
SABICのLEXAN EFRポリカーボネートフィルムは、高い難燃性(0.38 mm厚でUL 94 V0、0.178 mm厚でVTM0)を備えたPCR製品「LEXAN EFR535」および「LEXAN EFR565」の2種が追加され、製品ラインナップが拡充された。これらの新製品は高い難燃性に加え、優れた機械的および電気的特性、高耐薬品性、耐加水分解性および耐穿刺性、高温環境下での寸法安定性、ポリカーボネートフィルム特有の美観を兼ね備えている。それぞれのPCR含有量は30%(EFR535)と60%(EFR565)で、非塩素/非臭素の難燃性を特徴とし、EUのRoHSやWEEE 2006に準拠するとともに、ハロゲン系難燃剤を排除することで循環型プラスチック経済をサポートする。これによって電機電子機器メーカーは、現在の環境基準を超える製品の提供が可能となる。

これらPCRをベースとしたEFRフィルムの新グレードは、片面がファインマット調、もう片面がベルベット調である。想定される用途には、コンピュータ、ノートパソコン、スマートフォンなどのバッテリーパックやアダプタ、熱シールド/誘電シールドや絶縁バリア、ダイカット絶縁体やスペーサ、ラベルやオーバーレイなどの家電製品が挙げられる。

非難燃性PCRベースのLEXANフィルムソリューション
SABICの非難燃性PCR LEXANフィルムには、PCR含有率30%の第一世代製品から、PCR含有率80%の第二世代「LEXAN 5B85」フィルムが追加され、持続可能性を大きく向上させている。LEXAN 5B85のフィルム表面は耐スクラッチ性と耐摩耗性に優れるほか、高い耐衝撃性と耐熱性や寸法安定性を発揮し、熱成形、ハイドロフォーミング、曲げ加工からエンボス加工、型抜きまでに対応する優れた加工性を備えている。また今後発表される第3世代製品においては、PMMAとPCの共押出しが可能となる予定である。

また、LEXAN非難燃性PCRフィルムは多層印刷に最適な製品であり、従来の溶剤系や水系、UVや赤外線乾燥インクを用いて、前処理の必要なくスクリーン印刷することができる。応用が期待される用途としては、多層印刷オーバーレイ、家電製品の高機能ラベル、オーディオ・ビデオ機器のLED/LCDディスプレイ、自動車のダッシュボードなどが挙げられる。

高機能性LEXANフィルムシリーズ
SABICは、非コートグラフィック、コート、ディスプレイ、電気、セキュリティ、IDカード用フィルムといった包括的なポートフォリオに加え、デジタル印刷された粘着ラベルやデカール(転写紙)へのUVインクの接着性を高める「LEXAN DP」フィルム製品も取り揃えている。これらのフィルム製品は、幅広い素材、厚み、UVデジタルプリンタおよびインクの種類にわたって、優れたインクレジストレーションと解像度、および優れた耐熱性と寸法安定性を発揮する。
LEXAN DPフィルムは、グレードによってベルベット調、下地(コーティング)調、光沢調の仕上げが可能である。また、UVデジタルインク印刷や接着剤用途に向けて、第一面にハードコート、第二面に下地を施したデジタルプリントフィルム用の製品が開発中である。

さらに、SABICはIDカード用途に向けた「LEXAN SDCX」フィルムも展開する。このフィルム製品は白色不透明または透明なコア層と、レーザー彫刻に対応する透明なトップ層を組み合わせることで、これまで別々の処理が必要となっていた薄膜層の課題を克服することができる。SABICの新しい高透明SDオーバーレイフィルムは、50ミクロン厚と100ミクロン厚の製品がラインアップされており、標準的なIDカードの製造プロセスでのラミネート加工が可能で、個人識別とセキュリティ機能の統合を容易にする。

SABICで機能性フォームのグローバルセグメントリーダーを務めるLori Louthanは、「SABICの技術者は、持続可能なイノベーションを組み合わせた先進的な材料ソリューションによって、お客様の期待を上回るよう絶えず努力しています。LEXANフィルム製品は熱可塑性樹脂をベースとしているため本質的にリサイクル可能ですが、私たちが提供するPCRをベースとした再生可能な製品は、真の循環性と環境への影響低減に大きく貢献します」と話している。


SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)は、サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーです。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っています。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしています。
SABICの2021年の純利益は230億サウジ・リヤル(61.5億米ドル)。2021年の総売上高は1,740億サウジ・リヤル(466億米ドル)。2021年末の総資産は3,180億サウジ・リヤル(849億米ドル)。2021年の生産量は5,800万トン。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万1,000人を上回る従業員を全世界で雇用しています。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで10,090件の特許取得および特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有しています。
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SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。

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配信元企業:SHPPジャパン合同会社
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情報提供元: Dream News
記事名:「 SABIC、高機能LEXAN(tm)フィルムを発表し、PCR製品のポートフォリオを拡充