株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の教育産業市場(主要15分野)を調査し、サービス分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1.市場概況

2021年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比5.0%増の2兆8,399億1,000万円となった。
当該市場は、未就学児・学生を対象とする分野を中心に少子化の進行という構造的な需要縮小要因を抱えつつも、教育サービスに対する底堅い需要に支えられ緩やかな拡大を継続してきた。但し、2020年度に生じたコロナ禍は社会環境に大きなマイナス影響を及ぼし、当該市場も学習塾をはじめとする各種教室の休塾・休校措置や生徒募集活動の自粛など事業活動の制限を大きく受けて市場縮小を余儀なくされた。

2021年度もコロナ禍が継続する事業環境にはあったものの、感染防止対策を講じた上で事業運営が概ね継続できたこと、オンラインの併用などによるサービス提供体制が確立したこと、コロナ禍でサービスの需要の高まりが継続したことなどによって当該市場は拡大となった。分野別では「家庭教師派遣市場」「語学スクール・教室市場」「学習参考書・問題集市場」の3分野は前年度比でマイナス成長、「幼児向け英会話教材市場」は前年度並となったが、それ以外の分野は前年度を上回った。

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2.注目トピック~学習塾・予備校市場では事業者間による好不調、地域による事業環境の格差など二極化がより強まる

2021年度は学習塾・予備校事業者の多くにおいて、コロナ禍のマイナス影響を受けた前年度からの回復がみられた。中にはコロナ禍前の状態よりも事業規模を拡大させる事業者もあり、生徒(保護者)に選ばれる事業者への需要集約といった、事業者間の二極化がより強まる状況が進行している。

また、近年は、首都圏をはじめとする大都市圏と、人口減少・少子化の進行速度の早い地域(いわゆる地方)との事業環境の格差がますます拡大している。地方に比べ、大都市圏の子ども(保護者)の学習意欲は高い傾向にあるため、学習塾に対する需要は底堅く、高い合格実績などを背景に事業拡大を継続させている事業者も散見されている。一方、地方では、対象年齢の子どもが減少しているため、学習塾の多くは、生徒確保に苦慮しており、厳しい経営環境を強いられている。加えて、少子化の進行によって、地方の高校・大学では定員割れも散見され、“学校過多”の状況にあることから、一部の生徒・保護者の間では、学力向上や受験・進学に対するマインドがやや低調になっていることもあり、学習塾に対する需要縮小によって、より厳しい事業環境となっている。

3.将来展望

2022年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比1.7%増の2兆8,882億4,000万円を予測する。当年度も依然としてコロナ禍の収束時期の見通しはつき難いものの、Withコロナに対応した事業展開によって当該市場は堅調に推移するものと予測する。

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調査要綱
1.調査期間: 2022年7月~9月
2.調査対象: 学習塾、予備校、通信教育事業者、資格取得学校、語学スクール、幼児教室、 体操教室、研修サービス事業者、eラーニング事業者、学習用教材会社、業界団体、管轄省庁等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAX・e-mailによるヒアリング、ならびに各種文献調査併用
4.発刊日:2022年9月27日

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情報提供元: Dream News
記事名:「 【矢野経済研究所プレスリリース】教育産業市場に関する調査を実施(2022年)2021年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、前年度比5.0%増の2兆8,399億1,000万円