株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の介護食、高齢者食、病者食の加工食品市場、調理品(病院や施設の給食、弁当等の配食サービス)市場を調査し、セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1.市場概況
2021年度の介護食、高齢者食、病者食を合算した国内市場規模は、加工食品(メーカー出荷金額ベース)が前年度比102.9%の1,886億円、調理品[末端売上高(給食サービス提供価格、在宅配食サービス提供価格)ベース]は同101.4%の1兆4,804億円と推計した。

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内訳をみると、介護食の加工食品市場が前年度比103.4%の1,278億円、調理品市場が同101.2%の5,526億円、高齢者食の加工食品市場が同102.0%の254億円、調理品市場が同104.8%の3,461億円、病者食の加工食品市場が同101.7%の354億円、調理品市場が同99.7%の5,817億円と、病者食の調理品市場を除く5カテゴリではコロナ禍においても伸長する結果となった。

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2.注目トピック~在宅配食サービスでは冷凍弁当・惣菜が堅調推移~
冷凍弁当・惣菜を配食する「冷凍宅配食」の市場が注目を集めている。常温・チルド食を主に配食してきたサービス事業者が冷凍商材の取り扱いを強化していることもあり、市場規模は今後も拡大する見込みである。
冷凍宅配食は供給・需要側双方にとって利点が多い。供給側の配食サービス事業者は冷凍にすることで事業運営の効率化が図れ、デリバリーコストも削減できる。需要側の利用者はまとめ買いをしてストックできるため、在宅して毎日受け取る必要が無くなるなど利便性が向上する。加えて、冷凍食品に対するマイナスイメージもなくなりつつあり、抵抗を感じる人が少ないことも市場拡大を後押ししている。
高齢者食に加えて、介護食や病者食(調整食)でも商品ラインアップが充実してきている。従って、冷凍宅配食の市場規模は今後も二桁成長が見込まれると予測する。

3.将来展望
介護食、高齢者食、病者食の市場は、高齢化や生活習慣病の増加を背景に、今後も拡大すると予測する。但し、国の政策や高齢者の生活スタイルの変化から、病院から高齢者施設へ、そして高齢者施設から在宅へと、高齢者の住処は今後も変化する見通しである。
結果として、今後の市場では、在宅の単身高齢者や高齢者夫婦が買い物や調理の手間暇をかけることなく、栄養に配慮された美味しく安全な食事を喫食出来ることが求められる。
介護食、高齢者食、病者食の加工食品市場規模は2026年度には2,091億円に拡大すると予測し、調理品(病院や施設の給食、弁当等の配食サービス)市場規模が、2026年度には1兆5,923億円に拡大すると予測する。

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調査要綱
1.調査期間: 2022年7月~9月
2.調査対象: 給食サービス企業、在宅配食サービス企業、加工食品メーカー
3.調査方法: 社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話等によるヒアリング、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2022年9月28日

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情報提供元: Dream News
記事名:「 【矢野経済研究所プレスリリース】介護食、高齢者食、病者食の市場に関する調査を実施(2022年)~市場規模は加工食品、調理品ともに今後も堅調に拡大の見通し、高齢化、単身化、生活習慣病が市場の追い風に~