中国国家薬品監督管理局(NMPA)は、8月17日、昨年施行された「化粧品監督管理条例」ならびに「化粧品生産運営監督管理弁法」に基づき、ECプラットフォーム上で販売される化粧品についての監督管理措置のパブリックコメントを発表しました。
https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/zhqyj/zhqyjhzhp/20220817164223195.html

株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパン(東京都港区 以下「WWIP」)は、8月18日、本規制の内容を確認、以下のように評価しました。

本規制が日本企業にもたらす影響

本規制の適用範囲は中国国内における化粧品のオンライン販売、プラットフォームの提供事業者に適用される(第二条)とあり、かつ第五章附則第33条(越境電子商取引)では、 「本法は、越境電子商取引小売業を営む化粧品電子商取引事業者及び輸入化粧品には適用しない。越境電子商取引の小売輸入の監督に関する国の関連規定を遵守する必要がある」と規定されているため、日本からの越境ECによる化粧品販売は対象外であることが明記されています。
但し、中国当局がECサイト上の販売について規制を強化していこうとする方向であることは間違いなく、今後、越境ECサイトへの規制強化が実施される可能性について注視していく必要があります。

別の観点から見ると、
本規制は日本企業が悩まされている模倣品対策という点で大きな意味があります。
本規制は、中国国内プラットフォーム事業者に対し、以下の義務があることを規定しています。(以下、各条文は概要、中略です)
第9条(実名登録) 化粧品電子商取引プラットフォーム運営者は、プラットフォームに参加を申請する化粧品運営者に、身元、住所、連絡先などの実際の情報を提出し、検証と登録を行い、登録ファイルを作成し、検証および更新する必要がある。

第11条(オンライン製品公開情報の検査) 化粧品電子商取引プラットフォーム事業者は、プラットフォーム上の化粧品事業者が化粧品情報を公開する際、検査を実施し、製品名、化粧品登録証番号などを確認しなければならない。 製品執行標準番号などの情報は、国家薬品監督管理局の公式ウェブサイトで公開されている対応する製品情報と一致していなければならない。

第12条(日常業務における検査) 化粧品電子商取引プラットフォームの運営者はプラットフォーム上の化粧品の検査を定期的に実施しなければならず、主に以下の検査に重点をおく。
(1)プラットフォーム上で化粧品事業者が販売する化粧品が未登録/未登記ではないか、第三者の化粧品登録証番号または登記番号などを不正に使用していないかをチェックする。

(2)プラットフォーム内の化粧品事業者の経営活働ホームページに表示された化粧品ラベルなどの情報が、国家薬品監督管理局の公式サイトで公表された該当制品情報と一致するかどうかを検査する。第19条(入荷検査)プラットフォーム上の化粧品事業者は、入荷検査の記録システムを確立して実施(以下略)

第20条(情報表示) プラットフォーム上の化粧品事業者は、化粧品情報開示の義務を履行し、化粧品ラベルおよびその他の登録または申告資料と一致する情報を、(中略)
化粧品ラベルの内容全体を含むものとし、その中で製品名と製品執行標準番号を、その事業活動のメインページの目立つ位置にテキストで表示する必要がある。(以下略)

ECサイト上で販売される化粧品がこのように厳格に規制されることで、日本の化粧品を模倣し、違法に販売している業者が販売できなくなることが期待されます。

同時に、模倣品業者が中国国内で自社製品と偽って日本の化粧品を模倣した製品を正規ルートでNMPA申請する可能性があり、特に注意が必要です。
これまでもWWIPで取り扱った模倣品対策事例で、数例ではありますが、中国の模倣品業者が日本製品の模倣品を自社の製品としてNMPA申請、申請が承認されると日本企業の模倣品主張が認められないというケースがあります。

この点を防ぐためには、早期の自社製品の商標登録、著作権登録、定期的な模倣品販売状況の監視、NMPA当局への登録・登記状況の監視などが欠かせません。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000264365&id=bodyimage1

WWIPでは、日本企業の知財侵害対策として以下のサービスを強化しています。
商標登録、悪意商標調査、商標侵害対策、著作権登録、ECサイトでの定期的な監視サービス、ECサイトへの知財侵害申し立て、NMPA登録登記状況調査。


<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp



配信元企業:株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパン
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情報提供元: Dream News
記事名:「 8月17日 中国国家薬品監督管理局(NMPA)は中国国内ECプラットフォームで販売される化粧品製品についての規制「化粧品オンライン販売の監督管理措置(パブリックコメント)を発表しました。