現在の医学や医療の世界では、EBM(Evidenced Based Medicine)=「統計的根拠に基づいた治療」が行われるのが一般的です。EBMは大規模な臨床試験や疫学調査など論文から集めた統計学を土台とした治療アプローチで、標準的な病状・病態の場合は標準的な治療法とうまく合致する事が多く、有益な結果を得られるケースが多いと考えられています。しかし、データ群と完全に一致する患者さんばかりではないので、有益な結果が得られない場合もあります。特に治癒・改善が難しいとされる進行ガンや難治性疾患の場合、中央値から外れた病状・病態の患者さんが多く、標準的な治療法がマッチせず奏功しない場合が多々あります。 こうした状況に対し当会では、標準的な治療法で完治が難しい難治性疾患に対して治療法を探す際に有効と考えられている「SBM(Science Based Medicine)」に基づくアプローチを採っています。SBMは当会初代理事長・白川太郎先生や当会理事・顧問・会員医師などの先生方が実践する、科学的な考察に基づくアプローチです。SBMは通常の治療法では治癒が難しいとされる難治性疾患が劇的に寛解した症例などを取り上げ、何が患者の劇的寛解に対して有効だったのかを科学的に考察し、同様の病状・病態・疾患の患者さんに対して、同様の方法を試して効果を測る治療法です。そうした症例の積み重ねにより標準的でない病状・病態・疾患の患者さんに対しても効果を上げる方法を探す科学的な治療アプローチです。SBMは、EBMの範囲では治療手段がなく、治癒が難しいと診断された患者さんに対しても、科学的考察に基づくテーラーメイドの治療法を提案することが可能な場合が多くあります。