株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内住宅リフォーム市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにいたしました。

1.市場概況

2021年の住宅リフォーム市場規模は前年比5.7%増の6兆9,034億円と推計した。分野別にみると、「増改築に関わる費用」(10平方メートル超+10平方メートル以下増改築工事)が前年比2.2%減、「設備修繕・維持管理費」が同8.6%増、また新型コロナウイルス感染拡大当初に「ステイホーム」や「テレワーク」によって需要が急拡大した「家具・インテリア等」は、こうした需要が落ち着いたために同8.3%減となった。

2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の度重なる発出により外出自粛生活が続く中、一部でマイナス影響があったものの、在宅時間が長時間化したことによる「住空間」への関心の高まりなどプラス影響が大きく、増加で推移した。

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2.注目トピック~建築資材の高騰による住宅リフォーム需要低下を懸念

各種資材メーカーから値上げの発表を受け、リフォーム事業者の多くはコスト削減に努めているものの、自社の努力で吸収できない分については価格転嫁を進めている。リフォーム工事費の上昇について、受注ができれば市場規模拡大に寄与するが、消費者から「高い」と敬遠されると市場規模鈍化に繋がる。

現時点で、受注への影響は軽微であるが、食品をはじめとする消費財の値上げも相まって長期的にはリフォーム需要の低下に繋がる可能性がある。一部では、既に、工事計画を延期・中止するケースなども出てきている。そのため、リフォーム事業者は、これまで以上にリフォームによる「生活の豊かさ」「快適性の向上」等のメリットの訴求に加え、国や自治体が行う補助施策や各社が持つ金融サービスなどを踏まえた価格訴求提案を行うことで、リフォーム需要を喚起する必要がある。

3.将来展望

2022年の住宅リフォーム市場規模は6.5兆円(前年比5.5%減)、2023年は6.6兆円(同0.7%増)を予測する。

2022年は、観光需要喚起策などにより外向きの消費(旅行、外食等)が増加することで、リフォーム需要が減少することが考えられる。加えて、食品や日用品をはじめとする消費財の物価高騰による家計支出全体の縮小、それに伴い不要不急の支出減少、更に建築資材高騰によるリフォーム工事費の上昇などがマイナスに働くことで、市場縮小は避けられないとみている。

2023年は、団塊ジュニア世代がリフォーム適齢期に突入しているなど、リフォームのトレンドは高まる傾向にあるが、世帯数がピークアウトし始めることから、成長が鈍化していくものと予測する。

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※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
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調査要綱
1.調査期間: 2022年4月~6月
2.調査対象: 住宅リフォーム関連事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談取材、一部書面および電話による補足調査及び文献調査併用
4.発刊日:2022年06月29日

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情報提供元: Dream News
記事名:「 【矢野経済研究所プレスリリース】住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2022年)~2021年の住宅リフォーム市場規模は6.9兆円、2022年は6.5兆円を予測~