その障壁の1つである印刷コストについては、コスト引き下げに進展が見られない現状の中で、印刷企業ではオフセット印刷による従来のビジネスモデルとの比較シミュレーションを行うことで、在庫管理コストを含めたトータルコストの削減という考え方を提示してきたが、在庫データを開示してもらえないため、その効果を担保にするのが難しく、これまで思うように提案が進んでいなかった。 しかしここ1~2年、一部の印刷企業では取次・書店への過剰発注を防ぎ、返品率を下げることを目的とした出版社とのEDI(Electronic Data Interchange)連携を進める中で、在庫データを把握できるようになってきており、コストダウン効果の提示が以前より容易となってきている。そのため、こうした一部の印刷企業においてショートランの実績が拡大しており、提案が進まない印刷企業との間で実績の差が広がり始めている。