人生100年時代未来ビジョン研究所(代表:阪本 節郎)は、2020年6月11日~6月13日、及び、2021年3月19日~3月26日に、40~70代の“中高年大人世代”を対象として「コロナ下での行動」に関するインターネット調査を実施し、2021年5月27日に第10弾の調査結果を発表しました。

いま、この世代は大きく変化し、高齢社会を大きく変えようとしています。2年後には、国民全体の平均年齢が50歳に達し、4年後には団塊ジュニア(真正)もすべて50代以上となり、日本の人口構造が劇的に変化します。それ以上に生活者の意識と行動が変化しています。新型コロナウイルスはさらにその変化を加速させています。

●新大人緊急調査 2021/03/19~26 全国男女 1308s

●新大人調査   2020/06/11~13 全国男女 1864s

直近の“コロナ第三波の直下”、“第一波・第二波の間”の2つの調査からそのことを明らかにして行きます。

70代といえば、「老人」「おじいさん・おばあさん」「お年寄り」が常識でした。また、しばしば話題になる健康寿命も男性72.14歳、女性74.79歳で、元気でいられるのも60代までで、70代になれば通常の社会生活は難しくなる、というのも現在よく語られるところです。当研究所の調査から「そうした社会常識とは全く異なる現在の70代」が見えて来ました。

(1)「何歳になっても若々しい見た目の大人でありたい」は、70代が圧倒的1位の80.7%。

(2)「何歳になっても若々しく、前向きな意識を保ち続ける大人でありたい」も、70代が1位で9割超の92.2%。

(3)70代は「柔軟な考えをもった大人」91.6%「いつまでも若々しい大人」85.6%と40-70代のなかでダントツ1位。という従来の老人、現在の社会常識とは全く異なる70代といえます。

(4)「いまの自分は“健康”だ」という70代は68.2%と約7割。40-70代平均68.7%と同レベル。

(5)「健康不安を感じる」も70代の71.2%と全体の7割と同様で、「やや」の割合が54.5%と高く「なんとなく不安」が多そう。前向きな意識を支える健康も他世代と同様に多少の不安はあっても、約7割が「いまは健康だ」としています。

(6)NISAによる投資・資産運用の実施割合は、70代が40-70代のなかで1位の31.3%。

(7)NISA以外の資産運用の実施割合でも70代が40-70代のなかで1位の43.6%。

(8)コロナ終息後にやりたいこと40-70代全体トップの「国内旅行」のうち、年代別1位は70代、67.6%。

(9)消費したい理由2位の「社会全体に活気を取り戻すのは自分たち世代の役割」の年代別ダントツ1位は70代49.0%。消費の原資を稼ぐための投資・資産運用も実施の割合は70代がトップです。これまでも一部富裕層の70代が株取引をしていましたが、それだけでなく全体の実施している人の割合でも70代が年代別のトップとなっています。ポストコロナの消費行動でも、トップの国内旅行の年代別1位は70代であり、社会に活気を取り戻すのは自分たち世代の役割だ、としています。投資運用でおカネを稼いで旅行などの消費をするという時代の先取り的 な70代が浮かび上がってきます。

<団塊・プレ団塊による世代効果>

70代が大きく変わった要因は、団塊による世代効果が大きいといえます。すでに真正団塊世代は70代前半になりました。また70代後半もプレ団塊世代、別名キネマ世代といわれる日活青春映画の世代であり、若かりし頃に、団塊による本格的な若者文化の誕生を準備した世代です。団塊は数の力でつねに社会にインパクトをもたらして来た世代といえます。

■「何歳になっても若々しい見た目の大人でありたい」も70代が圧倒的1位80.7%。
「見た目」を聞く「何歳になっても若々しい見た目でありたい」については、男女別の女性と同様、年代別では、70代が最も高いといえます。

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■「何歳になっても若々しく、前向きな意識を保ち続ける大人でありたい」は、70代が1位で9割超の92.2%。
「新しい大人」の定義ともなっている「何歳になっても若々しく、前向きな意識を持ち続ける大人でありたい」で、年代別に最も高いは70代で、数値としても92.2%と9割を超える高さとなっていえます。

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■70代は40-70代のなかで「柔軟な考えをもった大人」91.6%「いつまでも若々しい大人」85.6%でダントツ1位。
次の項目はいずれも70代が1位の項目ですが、「今の自分を幸せに感じられる大人でありたい」、「あるがままの自分・自然体の大人でありたい」などとともに、「既成概念に捉われない柔軟な考えを持った大人でありたい」、「いつまでも若々しい大人でありたい」など、少し前の高齢者やお年寄りではあり得ない項目が1位となっています。



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■「いまの自分は“健康”だ」という70代は68.2%と約7割。40-70代平均68.7%とほぼ同じ。
男女別では、男性66.6%に対し、女性は70.7%あり、女性のほうが高い、といえます。また、年代別では40代が70.2%とやや高めですが、70代でも68.2%とそれ程大きくは変わりません。

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健康寿命は男性が72.14歳・女性が74.79歳とされていますが、健康寿命はあくまで要介護者を含むさまざまな体調の人を含む平均であって、実際には、70代の7割は自分を「それなりに健康」だと認識しています。

■「健康不安を感じる」も70代の71.2%と約7割と全体と同様。「やや」の割合が54.5%と高く「なんとなく不安」が多そう。
男女別では男性70.3%に対し女性72.9%とここでも女性がやや高いといえます。年代別では60代が75.3%と高い。「やや」の割合は全体に高く、全体同様70代も54.5%と高い。したがって「なんとなく不安」が多そう。

■NISAによる投資・資産運用の実施割合は、70代が1位31.3%。
消費の原資としてのおカネですが、NISA実施の有無を聞いたところ、40-70代で24.9%ですが、年代別では、70代が31.3%とダントツ1位です。

■NISA以外の資産運用の実施割合でも70代が1位43.6%。
NISA以外の資産運用でも、40-70代は35.9%ですが、そのなかの年代別では、70代が43.6%と1位です。これまでも、一部富裕層は70代が株取引の顧客であったわけですが、そうした一部の富裕層ではなく、全体でみたときにも、資産運用を実施している人の数の割合という点で、70代が1位となっています。

■コロナ終息後にやりたいこと全体トップの「国内旅行」年代別1位は70代、67.6%。
40-70代がコロナ後にやりたいことのダントツ1位は「国内旅行」ですが、そのなかの年代別では70代が67.6%ととくに高い1位だといえます。

■消費したい理由2位の「社会全体に活気を取り戻すのは自分たち世代の役割」のダントツ1位は70代49.0%。
コロナ後に40-70代が「消費したい理由」の2位には「社会全体に活気を取り戻すのは自分たち世代の役割」とあって、中高年大人世代に特徴的な大義としての消費の理由となっていますが、そのなかの年代別では、70代がダントツ1位となっています。

<参考>
[団塊の世代]
・プレ団塊世代/1942~46(昭和17~21)年生 *キネマ世代・日活青春映画世代
→現在74-79歳
・真正団塊世代/1947-49(昭和22-24)年生
→現在71-74歳
・広義の団塊世代/1947-49(1951(昭和22-26)年生
→現在69-74歳
(人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「団塊から恋愛婚世代」参照)
*当レポートは最新データ&分析であり、このサイトコンテンツでは考え方および今後の社会シナリオ等を紹介しています。( https://miraivision.net/article/88

[健康寿命]
男性 72.14歳 平均寿命との差 8.84年
女性 74.79歳 平均寿命との差 12.35年
*健康寿命:「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」より
*平均寿命:厚生労働省「簡易生命表」より

人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「人生100年時代の基礎データ」
https://miraivision.net/article/299

人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「健康寿命に誤用心」
https://miraivision.net/article/96

健康寿命はWHOが提唱したもので、平均寿命と健康寿命の差を縮めることが重要だとされています。すなわち、その開きをいかに縮めるか、そのための政策が求められる、ということです。やや誤解されているのは、健康でいられるのも男性72歳、女性74歳までという議論です。それは介護などで具合のわるい人も含めた平均のためにそうなるのであって、実際には70代で「自分は健康」だという割合は7割に達しています。75歳以上の要介護率が31.6%なのでほぼその残りの人たちが「自分は健康」と答えているとみられます。

(人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「70代が変わるニューセブンティ」参照)
*当レポートは最新データ&分析であり、このサイトコンテンツでは背景および考え方等を紹介しています。
https://miraivision.net/article/97

<調査概要(1)>
調査対象 :40~70代男女
対象エリア:全国
対象者数 :1308サンプル
調査手法 :インターネット調査
調査日時 :2021年3月19日(金)~3月26日(金)

<調査概要(2)>
調査対象 :40~70代男女
対象エリア:1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)および
全国中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市、岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数 :1864サンプル
調査手法 :インターネット調査
調査日時 :2020年6月11日(木)~6月13日(土)

■「人生100年時代 未来ビジョン研究所」(未来ビジョン研)について
「人生100年時代 未来ビジョン研究所」は、2020年4月に設立されました。高齢化がグローバルに進行するなか、世界諸国に先駆けて急速な高齢化の進展するわが国ですが、この人口構造の劇的変化に伴い社会構造も大きく変化して行きます。とりわけそのベースとなる40-70代の生活者の意識・行動が大きく変わろうとしています。これは企業のビジネスやマーケティングにも大きな影響を及ぼし、社会政策等にも大きな変化をもたらします。この中高年大人世代を「新しい大人」ととらえ、これまでにない、新たな時代の扉を多くの人たちや企業とともに開いて行く、そのための研究および事業開発を行っています。

<人生100年時代 未来ビジョン研究所ホームページ: http://www.miraivision.net

[所長プロフィール]

阪本 節郎
東京都出身。1975年早稲田大学商学部卒業。株式会社博報堂入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室創設を推進。2011年春、発展的に「博報堂新しい大人文化研究所」を設立。2019年4月独立し、人生100年時代 未来ビジョン研究所を設立、現在、所長。

■著書
「巨大市場『エルダー』の誕生」(プレジデント社2003年7月、共著、2007年台湾版・2009年韓国版出版)
「団塊サードウェーブ」(弘文堂2006年1月、共著)
「団塊の楽園」(弘文堂2007年2月、共著)
「50歳を超えたらもう年をとらない46の法則」(講談社α新書2014年9月)
「世代論の教科書」(東洋経済新報社2015年10月、共著)
「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか~新しい大人消費が日本を動かす」(日経新聞出版社2016年3月、2016年韓国版・2018年台湾版出版)

■マスコミへのコメント・出演
日経・読売・朝日・産経・日経MJ・ビジネスアイ・日経ビジネス・アエラ・週刊朝日・ワシントンポスト・ウォルストリートジャーナル・M&Mヨーロッパ・CNN・NHK総・NHK教育・テレビ朝日他

<コラム連載執筆>
●日経MJ新聞「阪本節郎の『新大人』学」(2014.04-2017.03)
●日経新聞「読み解き現代消費」(2014.04-2017.12)

■エルダー関連の公官庁・マスコミ等の委員会委員

<これまでの経歴>
●総務省 高齢者障害者ICT利活用研究委員会
●厚生労働省 介護保険制度下におけるシルバーサービスの振興ビジョン調査研究事業研究委員会
団塊世代を活用した健康長寿のまちの展開方策に関する調査研究事業研究委員会
●静岡県 しずおかユニバーサルデザイン推進委員会
●互助会保証株式会社(経済産業省揚力)冠婚葬祭産業の中長期展望検討委員会
●日本BS放送 放送審議委員会
●高齢・障害者雇用支援機構「エルダー」編集アドバイザー会議委員

<参考資料>
人生100年時代 未来ビジョン研究所 これまでのレポート一覧
※これまでのレポートは、下記URLにてご覧いただけます。
http://www.miraivision.net/report (人生100年時代 未来ビジョン研究所WEBサイト)

【未来ビジョン研レポート】
No.1 「日本の感染者数の少なさは中高年“自己管理”パワー」」(2021.4.12)
No.2 「ポストコロナの経済回復は中高年大人世代の力」(2021.4.19)
No.3 コロナで、より「シニアと呼ばれても誰のこと?」(2021.4.26)
No.4 ポストコロナ、これからライフスタイルを創りたい(2021.4.30)
No.5 社会保障費解決のカギは団塊の健康行動が握る(2021.5.10)
No.6 中高年はクロスメディアDXを加速(2021.5.13)
No.7 “新しい大人女子”消費に期待(2021.5.17)
No.8 定年は意外と楽しい(2021.5.20)
No.9 50代からはソーシャルフリーランサー(2021.5.24)

<お問い合わせ先>
Email : setsuo.sakamoto@miraivision.net



配信元企業:未来ビジョン研究所株式会社
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情報提供元: Dream News
記事名:「 いまの70代は、常識と全く異なる「ニューセブンティ」