建築物の金属製内外装工事を手がける菊川工業株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:宇津野嘉彦、以下菊川)は、環境省が推進する平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の補助事業者への採択を受けて、計画に基づく実証実験ルームが、当社工場(キクカワテクノプラザ:千葉県白井市)の事務所棟内に、2月15日に完成予定であることをお知らせします。
今回完成予定の実証実験ルームには、補助事業製品として採択された、2017年夏発表の輻射冷暖房システム「R Air-con(アール・エアコン)」(*1)が設置されます。この事業の目的である温室効果ガス削減に寄与する先端システムの普及を推進するため、商用化の初期段階にある「R Air-con」の導入実証実験を行い、補助事業期間である2月末以降も3年間にわたり運用データを取得し、事業管理機関へ報告します。
菊川は実証データに基づき、さらなる製品づくりを推進することで、今後L2-Tech(*2)取得を目指し、環境保全に貢献してまいります。
(*1)下段、[R Air-con(アール・エアコン)について]をご参照ください。
(*2)L2-Tech(先導的低炭素技術):環境省がCO2削減に最大の効果をもたらすと認めた技術やそれらを搭載した設備や機器。

■ 補助金概要
補助金名:二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(L2-Tech導入実証事業)(*3)
補助事業採択日:平成29年9月29日
事業主体:環境省
該当製品名:R Air-con
事業管理機関:公益財団法人北海道環境財団
(*3)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(L2-Tech導入実証事業):地球環境保全のためにL2-Techの普及促進を目標とし、L2-Techと認められた、あるいは認められそうな設備・機器の導入実証を行う事業に必要な経費を補助する。平成29年度は、23件の公募のうち6件が採択されました。

■ ショールームとしても開放
今回の補助事業に基づく「R Air-con」の設置にあたっては、主に2点の改良を加えています。
・天井パネルを改良し、対流を減らすことで、より輻射効果を大きくしています。
・床面には特殊カーペットを採用し、床からの輻射効果をさらに高めています。
完成する実証実験ルームは、興味をもたれた顧客に対して、実際に体感していただくため、ショールームとしても開放する予定です。

■ 菊川工業会社概要
菊川工業は1933年創業のオーダーメイドの金属建材メーカーです。創業以来、時代をリードする建築物に果敢に挑戦しており、昨年5月に竣工した薬師寺食堂(じきどう)の化粧天井などにも参画しています。2009年から環境製品にも取り組むなど、常に新しい課題に挑み続けています。
<施工例> 東京スカイツリー/展望台パネル、東京駅丸の内駅舎/柱型、渋谷ヒカリエ/シアター外装、東急プラザ表参道/万華鏡パネル、ブルームバーグ新欧州本社屋/ブロンズ工事、など海外物件を含め多数

[社名] 菊川工業株式会社
[代表者] 宇津野 嘉彦 (うつの・よしひこ)
[所在地] 本社:東京都墨田区菊川2-18-12
    工場(キクカワテクノプラザ):千葉県白井市中98-15
[設立] 1933年11月1日
[資本金] 1億円
[従業員数] 194名(2016年12月20日現在)
[URL] http://www.kikukawa.com/
[関連会社] キクカワタクト株式会社(環境建材販売)

<本件に関するお問合せは下記までお願いいたします>
菊川工業株式会社 広報Webチーム 担当 田部井、中村
TEL:047-492-0144 
E-mail:web@kikukawa.com

● R Air-con(アール・エアコン)について
菊川では、輻射(*4)冷暖房システム「R Air-con(アール・エアコン)」を、主にビル空調における省エネと通年快適な室内空間を簡単施工で実現する環境建材として、2017年7月よりテスト販売しています。
同製品は、人と環境にも優しい次世代の空調システムとして位置づけられる輻射冷暖房システムの従来の問題点を解決し、室内環境改善だけでなくランニングコスト削減を通じて建物の省エネ化に貢献します。さらに、菊川従来のオーダーメイド販売形態で培ったノウハウを活かし高いデザイン性を可能にし、ユーザーの評価向上も狙いたい新築物件やリノベーション時の建物の高付加価値化に貢献します。
菊川は「R Air-con」を、新環境システム&環境建材ブランド「ecosia(エコシア)」の主製品の一つとして、建物の総合的な環境ソリューションを幅広い顧客に提供します。
(*4)輻射:電磁波によって熱が温かい方から冷たい方へ移動する仕組み。身近な例では、太陽の熱移動や電子レンジの仕組みがあります。

■ 輻射冷暖房システムとは 
輻射冷暖房システムは、気流に頼らず熱を移動させる(輻射する)ことで、従来発生していた直風による不快感・温度ムラ・ほこり・騒音といった問題を解消し、ランニングコスト削減にも貢献する次世代の空調システムです。
< 従来輻射冷暖房の問題点 >
● 足元が冷える
● 立ち上げ時間が長い
● 結露が発生しやすい
● 天井のデザインができない
●(輻射の)放射効果の範囲が狭い
● 大掛かりな配管・設備・工事
< 菊川の輻射冷暖房システム >
●「冬は床から夏は天井から」W輻射で温度ムラが少ない
● 輻射と対流のハイブリッド方式で立ち上がり時間を短縮
● 温度の操作性が高い
● 結露防止の工夫で、調湿設備不要
● 室内デザインへの個別対応が可能
● パネル表面・形状で輻射効果を広範囲に向上
● 従来エアコン利用や、天井・床のダクト化で簡単施工

■ 製品概要
・製品名:R Air-con(アール・エアコン)
・方式:エアコン型天井・床両面輻射(輻射と対流のハイブリッド型)
・特許情報:関連特許出願4件
(特願#2016-202550)「輻射式空調ユニット及びこれを用いた輻射式空調装置」
(特願#2016-230659)「輻射式空調装置」
(特願#2016-240232)「輻射式空調装置」
(特願#2017-029017)「輻射式空調装置」
・意匠登録情報:意匠登録出願1件
(意願#2016-027333)「風向規制材」

■ 製品化の経緯と輻射冷暖房の現状
近年の女性の社会進出の増加やエコに対する意識の変化といった社会的背景を受け、「人と環境にやさしい」オフィス室内環境への要望が高まっています。また、「建築物省エネ法の基準認定制度(*5)」の施工や建物のZEB化など、ビルの改修や新築時に環境面への投資増加が期待されています。
菊川は金属加工技術や設備、オーダーメイドに応える提案力を活かし、2009年から環境製品へ取り組んできました。2015年には自然にも人にも優しい輻射効果に着目し、輻射冷暖房システムの開発に着手、そして2017年にはビルのエネルギー対策の総合的なソリューションを提供する環境システム&環境建材ブランドとして「ecosia(エコシア)」を立ち上げました。
次世代の空調システムとして期待される輻射空調システムですが、これまでメリットは大きいものの導入に対するコストや施工の難しさがありました。菊川はこれらの問題を解決することで、導入しやすい輻射冷暖房システムを実現しました。
(*5)建築物省エネ法の基準認定制度:一次エネルギーの消費量で判断される省エネ基準を確認申請前に届ける制度。努力義務であったものが、規制される適合義務へ移行し、不適合の場合は建築確認申請がおりない(非住宅2000m2以上)。

■ 輻射冷暖房システム導入によるユーザーのメリット
「R Air-con」は機能性の高さはもちろん、導入のしやすさや優れたデザイン性から、さまざまな施設に展開していただけます。
●病院や福祉施設などで、対流が少なくホコリが舞いにくいことから、高齢者や患者さんにも快適な空間を提供
●オフィスでは、人によって異なる体感温度のムラを軽減でき、女性が感じがちな冷えやほてりを軽減
●学校や保育所などで季節に合った温度設定ができることから、体の負担が少なく音も静かな過ごしやすい環境を子どもたちへ提供

以上





情報提供元: Dream News