存在できるものは「権力への意志」としか表現できない「意識」しかなく、その本質は「価値観の転換」であると学生時代に気づいた著者は、一冊の哲学論文を二ヶ月で一気に書き上げた。以来、哲学そのものは忘れていたが、会社生活の中で哲学の素養は管理者となって初めて役に立つ学問と知ることになる。
 退職後、学校の教科で学ぶ歴史や経済学は嘘の塊てあるなど、真実は一般常識の延長線上にはないと知り本著の執筆を決意する。この論文は、企業の管理者や社会的指導者にとって必携の教科書である。

著者:仲谷博司|発行:牧歌舎|発売:星雲社|A5判並製830ページ|税込価格/2,700円|ISBN-10: 443424082X|ISBN-13: 978-4434240829|全国書店およびWEB書店で購入できます。品切れの場合は牧歌舎に直接注文してください(電話:03-6423-2271)。2017年12月1日発売。



(本文より) 
 考えてみれば、唯物論と唯心論のどちらも内部に矛盾を抱えていて、物事の真実を解明できる確固たる論理とはいえません。人間は元々生まれた時点から物心の双方があるという二元論が思考のパラダイムなのです。何かを考えるには、物と心を別物とする二元論を基本としなければなりません。
 二元論は思想ではなく、因果律と同じように思考のためのパラダイムです。パラダイムとは「現在の時代・分野において絶対的な規範として考え方を支配する認識の枠組み」とされていますが、二元論だけは時代にも分野にも左右されません。唯心論が思考のパラダイムになったことはなく、唯物論が現代の思考のパラダイムのように見えますが、これは思想であってパラダイムにはなれません。二元論に戻って考えるしかなさそうです。




情報提供元: Dream News