フロスト&サリバンは、新たなリサーチ分析「イラン:グローバル企業に向けたビジネス機会と投資分析」を発表し、イランにおける海外投資とビジネス機会に関する見通しをまとめました。経済制裁解除後のイランは、日本企業がビジネスを展開する上で大きな利点を持つ有望な進出先となっています。

イラン政府は、2025年までに年間の国内総生産(GDP)を現在の約4000億米ドルから2倍に引き上げるとする経済計画を発表しました。今後10年間でこの計画を達成するためには、1兆5000万米ドル規模の投資が必要とされ、石油・天然ガスに大きく依存する経済からの脱却と他の製造業の成長促進、持続可能な経済の実現が求められます。同時に、経済停滞の解消、失業率の改善にくわえて、中東地域内で最大の輸出国ならびに経済国となることが求められます。

イラン政府は石油・ガス依存経済からの脱却と他の製造業の成長を目指して、製造業に対する純投資を2025年までに620億米ドルに増加することを計画しており、今後注力すべき12の業種を特定しました。また、日本政府は2016年2月にイランとの投資協定に署名し、投資を後押しするためにイラン政府が100億米ドルの政府保証を付ける合意がなされました。これによって、イランに進出する日本企業は、同国が持つビジネス機会の恩恵を受けることができます。

フロスト&サリバンの中東地域担当シニアコンサルタント、アリ・ミラモハメッドは次のように述べます。「イランの消費者は日本の製品に対して非常に好意的であり、特に家電などの電子機器や産業用機器、医療機器において、日本製品を好む顧客は多く存在します。日本企業にとっては特に、家電、自動車、医療(医療機器・病院)、石油化学製品、エネルギーの5つの分野が、強みを活かせる最も有望な分野と言えるでしょう。」

イランでは、日本がリードする先端製造業やナノテクノロジー、バイオテクノロジーの分野の成長も期待されており、イラン政府は今後10年間で、先端技術を用いた工業製品が国内総生産(GDP)の50%以上を占めるとする計画を立てています。イラン国内の製造工場の多くは、現状のニーズを上回る製造能力を備えているため、現在の稼働率は50%以下に留まっています。イラン国内のメーカーの多くが日本製ブランドの買収に関心を寄せており、日本企業は地元メーカーと提携することで、多額の投資をせずに自社の製品販売をイラン国内や中東の他の地域に行うことができます。

また、イランは同国を中東地域における輸出拠点とする計画も立てており、石油業以外での輸出額を2025年末までに1,450億米ドル以上に到達する目標を掲げています。海外企業がイラン国内に工場を設置し、国内製造品の30%を輸出した場合、他の優遇政策にくわえて50%の税額控除を受けることが出来ます。イランは日本よりも安い価格の工業用原材料を持ち、必要な技能を備えた労働力も抱えています。このため、日本企業は低コストでイランに工場を設置でき、政府からの税制優遇措置を受けた上で、中東地域に自社の製品を安い輸送コストで輸出できるという利点があります。


■「イラン:グローバル企業に向けたビジネス機会と投資分析」の概要は、添付資料からご覧頂けます。

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情報提供元: Dream News