デジタル・ディバイドにより、国外子会社を管理する社内チームの効率に格差



  • APAC企業の管理業務は世界平均より29%多い


  • 11日から64日まで処理時間にばらつき


  • 取締役会レベルの活動は欧州の3倍


  • 地域効率ランキングで上位を占めているのはニュージーランド、シンガポール、オーストラリア

シンガポール--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --多国籍企業はアジア太平洋地域で著しく高い業務負荷に直面しており、事業体は世界平均よりも28.7%多い管理業務を必要としています。これは、アジア太平洋特別報告書としてMercator® by Citco(メルカトル)がまとめた新しいデータによるものです。




分析では、デジタル化が進んだシンガポールの11日からマカオの64日まで、処理時間に著しい差が見られ、複数法域のポートフォリオを管理する企業秘書チームに前例のない課題をもたらしています。この調査結果は、103億7000万USドルの市場資本を反映し、180の法域と20種類の企業秘書活動に関する実際の運営データに基づいています。


地域別ポジション


活動レベル:事業体当たり5.37件の業務で、世界平均は4.18件


APACの事業体は、世界平均の4.18件に対し、1社あたり5.37件の業務を処理しており、複雑な規制要件と多様なガバナンス・アプローチを反映しています。地域ハブでは効率的なプロセスが提供されていますが、全体的な管理負担は依然としてかなり高く、多くの場合、現地の専門知識を必要とします。


ガバナンス:取締役会と株主の意思決定件数が世界最多


APACは、取締役会レベルの活動では世界をリードしており、欧州企業と比較して取締役会と株主の業務が3倍にも上ります。これは、取締役会が積極的な経営ツールとして機能し、多くの市場で現地取締役や国内代表者の配置が義務付けられている、地域特有のアプローチを反映しています。


コスト:北米比で14%高く、中東・アフリカ比で47%低い


事業体管理コストは、APACが北米平均を14%上回っていますが、中東・アフリカ比では47%の優位性を維持しています。これは、マレーシアの競争力のある料金から韓国のプレミアムサービス環境まで、APAC独自の市場構成の多様性を反映しています。


法域ランキング


ニュージーランドは、コストと時間効率の総合ランキングで首位を占め、多国籍企業は、その効率的なデジタルプロセスと分かりやすいコンプライアンス要件の恩恵を受けています。シンガポールは処理速度で首位、マレーシアはコスト効率の高い国として浮上しています。


一方、韓国、中国、インドネシアは最もコストが高く複雑で、慎重な計画と特定の現地専門知識が必要とされるため、最下位にランクされています。


Mercator® by Citcoの責任者、カリーム・アブデルラティフは次のよう述べています。


「当社の分析は、アジア太平洋地域における厳しい現実を明らかにしています。地域全体のデジタル・ディバイドの拡大により、企業は世界平均と比較して29%高い業務量に直面しています。ニュージーランドのような市場ではテクノロジーを活用したプロセスが完全に採用され定着している一方、日本のような市場では従来から存在する要件が維持されているため、他市場より複雑で必要なリソースも大幅に増加します。これにより、多国籍企業にとって2つの異なる業務上の現実が生じています。


グローバルな社内チームにとって特に課題となっているのは、同一地域内や同一チーム内でも、シンガポールの11日間の処理時間からマカオの64日間まで、これらの極端な違いに対応することです。違いは明らかで、ある法域では電子署名で簡単に処理できるのに対し、別の管轄区域では単一の文書を処理するために外国語での複数の連続した承認が求められます。規制要件が進化しデジタル変革が加速する中、ギャップはさらに拡大する可能性が高く、戦略的な事業体管理が業務の成功に不可欠となります」


報告書の全文は以下をご覧ください。https://mercator.net/our-thinking/publications/asia-pacific-special-report/


編集担当者向け注記:


レポートについて


メルカトルの「エンティティー・ポートフォリオ・マネジメント」報告書シリーズの一部である「アジア太平洋地域:特別報告書」は、APAC地域における事業体管理に必要なコストと時間について端的に理解できる分析となっています。


アンケートや感情に基づく報告書とは異なり、本報告書は実際のデータと、当社の法域専門家および法域を越えた専門家による洞察を組み合わせています。このアプローチにより多国籍企業向けのベンチマークを提供し、コスト効率、時間効率、および両方の指標を組み合わせた総合的なパフォーマンススコアにより専門家をランク付けし、地域全体の事業体管理に関する包括的なレビューを明らかにします。


データ


本報告書の基礎となる統計データは、2024年4月から2025年5月までの期間を対象とし、Mercator® by Citco独自のEPMテクノロジープラットフォームであるエンティカ(Entica®)から直接抽出されたもので、クライアントのために実施された活動のすべてを個別に記録しています。


データは、APACの主要な事業セクターにまたがる約103億7000万USドルの市場資本に関するものです。グローバルデータは、180を超える法域と20種類の異なる企業秘書業務をカバーしています。APACの法域ランキングには、APACで最も活発な17の法域(最低5件の業務または4つの事業体という基準を満たす)が掲載されています。


Mercator® by Citco(メルカトル・バイ・シトコ)について


メルカトル・バイ・シトコ(メルカトル)は、エンティティー・ポートフォリオ・マネジメントのパイオニアであり、グローバル展開する多くの組織の戦略的パートナーです。メルカトルの比類ない知識と事業体管理への専門性、そして独自の技術であるエンティカ(Entica®)を組み合わせることで、多国籍企業が事業体のポートフォリオを把握・管理する方法の革新を進めています。メルカトルのサービスは、単一窓口モデルを通じて180を超える法域をカバーし、経験豊富な顧客専任チームによって提供され、すべてのタイムゾーンをカバーする現地事業によってサポートされています。


詳細については以下をご覧ください。https://mercator.net/


シトコ・グループ・オブ・カンパニーズ(シトコ)について


シトコ・グループ・オブ・カンパニーズ(シトコ)は、世界中に展開する独立した企業ネットワークです。当社は、グローバルな代替投資業界向けに資産管理ソリューションを提供する主導的プロバイダーです。2兆ドルの資産を管理し、36か国に事業を展開するシトコは、そのイノベーションと顧客中心のソリューションを重視する独自の企業文化により、40年以上にわたり顧客に信頼されるパートナーとして貢献しています。


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Press contacts:
Jack Kincade, Instinctif Partners: Mercator@instinctif.com

情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 APAC の複雑な規制により、多国籍企業の業務量が29%増加