第7回年間レポートでは、ITおよびデータセンターにおける障害の原因、コスト、影響などのデータを分析

ニューヨーク--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --アップタイム・インスティテュートは、第7回となる「2025年版年間障害分析基調レポート」の発行を発表しました。データセンターの障害防止は、引き続きデータセンター所有者および運用者にとって戦略的な最優先事項となっています。インフラ機器の性能は向上しているものの、現代のアーキテクチャの複雑化や外部脅威の進化により、新たなリスクが生じており、運用者はこれらに積極的に対応していく必要があります。




アップタイム・インテリジェンス・リサーチ(Uptime Intelligence Research)の調査によると、全体的な障害の発生頻度および報告される重大度の水準は、4年連続で減少傾向にあります。しかし、サイバーセキュリティに関連するインシデントは増加しており、その影響は深刻かつ長期に及ぶことが多い傾向にあります。


「全体的に障害の発生は減少傾向にあります」と、アップタイム・インテリジェンスの創設メンバーでありエグゼクティブ・ディレクターのアンディ・ローレンスは述べました。「データセンターの運用者は現在、電力網の制約、異常気象、ネットワーク・プロバイダーの障害、サードパーティ製ソフトウェアの不具合など、自分たちでは制御できない外的リスクの増加に直面しています。さらにリスク環境が不安定さを増している中でも、改善は進んでいます。」


アップタイムの年間障害分析は業界でも独自のものであり、複数の調査結果に加え、アップタイム・インスティテュートの会員やパートナーから提供された情報、公に報告された障害のデータベースに基づいて作成されています。


主な調査結果は以下の通りです。



  • 障害の発生頻度および深刻度は、デジタル・インフラの急速な成長に比べて減少傾向にあります。この傾向は数年にわたって続いており、業界におけるリスク管理と信頼性向上の進展を示しています。



  • 依然として、深刻な障害の主な原因は電源関連です。ITおよびネットワークに起因する障害は2024年に増加し、全体の23%を占めました。この傾向は、コロケーション・プロバイダーやクラウド、その他のサードパーティ・サービスへの長期的な移行を反映しています。アウトソーシングによって一部の企業ではリスクが軽減される場合もありますが、依然として重大な障害は発生しており、ときに深刻な影響をもたらしています。この増加傾向は、ITおよびネットワークの複雑化によって、変更管理や設定ミスに関する問題が発生していることが主な原因と考えられます。


  • ソフトウェアベースや分散型のレジリエンス・ツールが拡大しています。これらのシステムは稼働時間の向上に寄与する一方で、新たなリスクや複雑さを伴う可能性もあります。ソフトウェアベースのレジリエンス戦略と物理的なフェイルオーバーや冗長化を併用することで、可用性の全体的な向上に確実に貢献していることは間違いありません。しかし、こうした複雑性の増加は新たな課題をもたらし、障害発生時の責任の所在が不明確になりやすく、根本原因の分析や障害の分類を複雑にする可能性があります。



  • 業界の変革スピードはますます加速しています。急増するAI需要が、特に電力や冷却を中心とした既存のインフラ設計に大きな負荷をかけており、一方で電力網の制約や世界的な貿易摩擦が、サプライチェーンや拡張計画に新たな不確実性をもたらしています。これらの圧力が重なることで、現在の信頼性の改善傾向にもいずれ影響を及ぼす場合もあります。


2025年においては、手順を遵守しなかったことによる人為的ミスが原因の障害の割合が、2024年と比べて10ポイント増加しました。従業員が手順を守らなかったことによる障害は、前年よりもさらに大きな原因となっており、これは、トレーニングの強化やプロセスの見直しによってインシデントを減らせる可能性が大いにあることを示しています。人為的ミスによる障害の圧倒的多数は、手順の無視または不備に起因しています。過去3年間で、約40%の組織が人為的ミスによる重大な障害を経験しています。こうしたインシデントのうち85%は、従業員が手順を守らなかったこと、あるいは手順やプロセス自体に欠陥があったことが原因です。この増加の明確な理由は不明ですが、業界の急成長とそれに伴う多くの地域での人手不足が一因であることがあり得ます。文書やプロセスの改善は依然として重要ですが、従業員の教育訓練やリアルタイムの運用支援により重点を置くことで、より効果的にリスクを低減できる可能性があります。


アップタイムが過去9年間にわたって公に報告された障害を追跡してきた中で、サードパーティのITプロバイダーおよびデータセンターサービス・プロバイダー(クラウドやインターネット大手、通信事業者、コロケーション企業など)が、報告された障害のおよそ3分の2を占めています。


2024年には、デジタルサービス・プロバイダーに起因する障害が増加した一方で、クラウドやインターネット大手による障害は減少しており、ハイパースケーラー各社が分散型の復元性強化や地域ごとのフェイルオーバーに投資をしたことが一因となっている可能性があります。金融業界では、2020年以降の長期平均と比べて、障害の発生頻度が3年連続で減少しました。この改善は、2021年以前に発生した複数の大規模かつ注目を集めた障害を受けて、規制強化や監視体制の強化が進んだことが反映していると考えられます。


詳細:アップタイムによる最新のデジタル・インフラ障害に関する調査内容のさらなる洞察については、2025年5月7日(水)午前9時(PDT)開催の年間障害分析ウェビナーにご参加ください。登録は、こちらから行うことが可能です。さらに詳細が記載されたレポート(全26ページ)の要約版である9ページのエグゼクティブ・サマリーはこちらよりダウンロード可能です。


2025年版年間障害分析の完全版レポートおよびアップタイム・インテリジェンスの評価版は、https://intelligence.uptimeinstitute.com/request-evaluationをご覧ください。アップタイム・ネットワーク会員およびアップタイム・インテリジェンスの購読者は、本レポートの全文をご覧いただけます。(報道関係は、publicrelations@uptimeinstitute.comへメールにてお問い合わせください)


アップタイム・インスティテュートについて


アップタイム・インスティテュートは、グローバルなデジタル・インフラストラクチャ機関です。世界118か国以上で3500件以上の認定を行い、現在80か国以上で1100件以上のプロジェクトを展開しているアップタイムは、コスト、リソース、効率性を管理しながら、何万社もの企業の重要なIT資産の最適化を支援してきました。当社は30年以上にわたり、データセンターのパフォーマンス、レジリエンス、持続可能性、効率性において業界をリードするベンチマークを確立しており、顧客は、自社のデジタル・インフラが多様な運用環境下でも、それぞれのビジネスニーズに応じた水準で確実に機能させることができます。アップタイムのTierという格付け評価基準は、データセンターの設計、構築、運用に関するIT業界で最も信頼され、採用されているグローバル標準です。当社のサービスには、Tierおよび認証、SCIRA-FSI金融セクターリスク評価、持続可能性評価、幅広い追加のリスク管理、パフォーマンス、可用性、関連サービスを含む管理および運用レビューと評価を備えています。アップタイム・エデュケーションのトレーニング・プログラムは、9万人以上のデータセンターの専門家が見事に修了しており、高評価を得ているATD(Accredited Tier Designer)やAOS(Accredited Operations Specialist)も含まれています。アップタイム・エデュケーションのカリキュラムは、2023年のCNet Training, Ltd.の買収によりさらに拡充しています。


アップタイム・インスティテュートはニューヨーク州ニューヨークに本社を置き、ロンドン、サンパウロ、ドバイ、リヤド、シンガポール、台北にオフィスを構え、世界34か国以上に常勤のアップタイム専属の専門家を擁しています。詳細情報については、uptimeinstitute.comをご覧ください。


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記事名:「 アップタイム、2025年版年間障害分析レポートを発表