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ICEF2022は、地球温暖化対策の鍵を握る技術革新を世界の産学官のリーダーが協議する国際会議で、全15セッション開催、87の国・地域の政府、国際機関、産業界、学界から約1,600名が参加しました。
キーノートでは、カーボンニュートラル達成に向けて様々な課題がある中、エネルギー安全保障の現状や、それに対するイノベーションの重要性・必要性、注目しているイノベーションなどについて、対談、講演、メッセージ上映を行いました。
各セッションでは、「Low-Carbon Innovation in a Time of Crises」をメインテーマとして、政策イノベーション、二酸化炭素除去技術、持続可能な原子力システム、重要金属・鉱物の安定供給を支えるイノベーションなどの議論を繰り広げました。その成果として、これら一連の議論に基づいたステートメントを発表しました。
各セッションの模様はYouTubeチャンネルでオンデマンド配信します。
《YouTubeチャンネル》https://www.youtube.com/channel/UC7ouNL9NbvDomDTfiubi8iw
また「低炭素アンモニア」と、「ブルーカーボン」の2つのロードマップを作成。ロードマップは2022年11月にエジプトで開催されるCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)と、上海で開催されるBNEFサミットで発表します。
【ステートメント】
ステートメントは“危機の時代における低炭素イノベーション”というICEF2022主題の下の議論に基づき、私たちが直面する様々な危機、そのような不確実性と困難な挑戦の下でのチャンスとそれを現実のものとする多様なアプローチの重要性を取り上げました。2030年までにアクションを加速させる必要性と実行を伴うイノベーションについて焦点をあて、政策立案のイノベーション、トランジションのためのイノベーションとともにCO2除去・利用、原子力、熱及び運輸分野における水素や合成燃料、希少鉱物といった供給面と、更なる省エネルギー、あらゆる分野での再生可能エネルギーの利用促進といった需要面の様々な選択肢を強調しています。
本リリースの最後に、全文を掲載しております。
【ロードマップ】
ICEFでは、二酸化炭素利用や、二酸化炭素の直接空気回収(DAC)、産業用途熱の脱炭素化、バイオマス炭素除去・貯蔵(BiCRS)、炭素鉱物化など、長期的ネット・ゼロ・エミッションを牽引することが期待される技術を採り上げ、そのロードマップを作成しています。
今年度の「Low-Carbon Ammonia」ロードマップは、ICEFでの記念すべき10本目のロードマップとなります。10本目のロードマップ作成を記念しリーフレットも作成しました。
1. ICEF2022 ロードマップ:「Low-Carbon Ammonia」 (ドラフト)
ICEFの「Low-Carbon Ammonia」ロードマップは、現代社会の必須素材であるアンモニアを取り上げます。アンモニアの製造プロセスで排出されるCO2を回収し、地下や長寿命製品に貯蔵する方法やゼロカーボン電源の電力を使って水から水素を分離する方法により製造される低炭素アンモニアは、化石燃料の代替え燃料や余剰再生可能エネルギーの貯蔵に利用することが可能であり、排出量を大幅に削減可能となります。
ロードマップでは、今日のアンモニア産業、生産規模を拡大するためのインフラの必要性など低炭素アンモニアの生産コストを削減するための戦略、数年内に利用可能な低炭素アンモニアを使用した排出量削減策、アンモニアの安全性と地域環境への影響、研究開発の必要性、政策オプションなどを検討・提言しています。
2. ICEF2022 ロードマップ:「Blue Carbon」 (概要)
ICEFの「Blue Carbon」ロードマップは、ブルーカーボンがネット・ゼロ・エミッションに貢献する可能性を探るものです。ロードマップでは、マングローブ、干潟、藻場、天然の大型藻場、およびコンブやホンダワラなどの大型藻類の養殖によって回収・蓄積されるCO2をブルーカーボンと定義しています。ブルーカーボンは、生態系の保全、修復及び再生、加えて海藻の養殖生産の増加によって、2050年までに世界で年間0.5〜1.5GtCO2eqの削減効果があると推定されています。ロードマップでは、最新の科学的知見、今後期待される研究開発分野、今後起こりうる制度・政策・環境に関する考察を整理するとともに、ブルーカーボンの吸収量を増やし、生態系の消失による排出量を削減するための道筋を提示しています。
ICEF年次総会で公開された低炭素アンモニアロードマップ(ドラフト)およびブルーカーボンロードマップ(概要)は、ICEF2022での議論に加え、パブリックコメントを募ります。コメントの反映、修正を経て、COP27で、低炭素アンモニアロードマップについては正式版、ブルーカーボンロードマップについてはドラフト版を発表する予定です。詳細は、ウェブサイトをご参照ください。
https://www.icef.go.jp/jp/roadmap/?utm_source=media&utm_medium=bw&utm_campaign=rm
パブリックコメント送付先 :
・低炭素アンモニア: icefroadmap22@gmail.com
・ブルーカーボン: ICEFRoadmap2022-bc@convention.co.jp
※コメントは英語でお願いいたします
※締め切り:2022年10月15日(土)(JST)
【ICEF2022開催概要】
《会議名》Innovation for Cool Earth Forum第9回年次総会 (ICEF2022)
《ICEFウェブページ》https://www.icef.go.jp/jp/?utm_source=media&utm_medium=bw&utm_campaign=tp2
《セッション数》15
《参加者数》87の国・地域から約1,600名
《YouTubeチャンネル》https://www.youtube.com/channel/UC7ouNL9NbvDomDTfiubi8iw
《主催》経済産業省、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
《共催》外務省、文部科学省、農林水産省、環境省
《後援》国際エネルギー機関、国際連合工業開発機関、BloombergNEF
《日程》10月5日(水)8:30~18:35、10月6日(木)9:00~17:00
《場所》ホテル椿山荘東京(住所:東京都文京区関口2-10-8)、オンライン
参考資料 |
【ステートメント全文(仮訳)】
“危機の時代における低炭素イノベーション”という主題の下、ICEF(Innovation for Cool Earth Forum)の第9回年次総会(https://www.icef.go.jp/)は2022年10月5日と6日に、エネルギー・環境問題を幅広く議論する10の会議「東京GXウィーク」のイニシアチブとして、対面とオンラインのハイブリッド形式で開催された。今回のイベントには、87の国・地域を代表する政府、国際機関、産業界、学術界から1,600人以上が参加した。ICEF2022の閉会に当たり、運営委員会は、一連の議論に基づき以下のステートメントを発表する。
1. 私たちが直面する様々な危機
2. 私たちのチャンス:多様なアプローチ
3. 2030年の前にアクション(実行)を加速させる必要性
4. 実行を伴うイノベーション
5. 終わりに
【本件に関するお問合せ先】
ICEF2022事務局 中井、芝原
e-mail: icef-press@convention.co.jp
TEL:03-5510-7656