〜IoTで農作業の効率化と塩害対策に貢献〜

京都--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 株式会社村田製作所(東京:6981)は、土壌の肥料や水分、温度をモニタリングして農地の状態を見える化する土壌センサ(以下、「本製品」)を開発し、量産を開始しました。



近年、データ活用による省人化と品質のよい作物の収穫量増加を両立するスマート農業への関心が高まっています。特に日本では、農業従事者の高齢化と減少が問題となっており、作業の効率化も求められています。また、世界では気候変動による塩害被害が深刻化しており、塩害対策が喫緊の課題となっています。このような課題に対し、農地の状態を長期間にわたり、モニタリングできる本製品を開発しました。

本製品は、EC※1センサ、水分センサ、温度センサを搭載しており、一台で肥料・塩分(イオン)や水分、温度を計測できます。ECセンサは土壌センサとして世界初※2の9電極を採用することで高精度なEC計測※3を実現しています。作物の成長に欠かせない肥料の計測は、独自アルゴリズムにより今までの土壌センサでは難しかった土壌の肥料だけを計測できる高精度なセンシングを可能にしました。さらに、世界最高レベルの防塵性と防水性※4を確認しているため、厳しい屋外環境でも長期間安定的な動作を実現します。

当社は、今後も独自のセンシング技術を用いて、市場ニーズに応える製品の開発に取り組んでいきます。

※1 EC(Electric Conductivity):電気伝導度

※2 当社調べ、2022年5月8日時点。

※3 EC計測においては土壌中の空気、水、イオンなど多くの不確定性がともないます。仮に電極の間に石が入っただけでも異常な計測値となります。こうした状況を防ぐため、9つの電極を活用した多くのパターン計測により、異常値を可能な限り排除しています。

※4 防塵性と防水性はIPという表記で等級を表します。防塵性については0〜6までの7等級、防水性については0〜8までの9等級があります。本製品はIP68相当の実力を有します。IP68の防塵性6は完全な防塵構造を意味し、防水性8は水面下での使用を意味します。

主な農業用途

  • 水や肥料の量をモニタリング
  • 塩分量のモニタリング
  • 土の中の水や肥料の3D分布のモニタリング

本製品の活用で期待できること

  • 無駄のない灌水
  • 収穫量の増加
  • 圃場内やハウスごとの収量差の原因究明
  • 肥料に含まれるアンモニア態窒素と硝酸態窒素の効果の見える化
  • 毎年の収穫量の安定化

主な仕様

EC計測範囲

0~5 dS/m

水分計測範囲

0~60 % (土壌中)

温度計測範囲

-20~+60 ℃

サイズ

長さ13.25cm✕幅2.7cm✕厚さ1.62cm

消費電流

Max 50mA (RS232, UART, RS485, RS485Modbus)
Max 15mA (SDI-12)
例)単3乾電池3本で約半年稼働(測定間隔30分に1回)

インターフェース

RS232, UART, SDI-12, RS485, RS485Modbus

関連サイト

農地の状態を可視化する土壌モニタリングシステムを活用した実証実験について ~ベトナム国立カントー大学と協力し、メコンデルタ地域の塩害対策を推進~ | 製品ニュース | 村田製作所 (murata.com)
採用事例 灌水の最適化による馬鈴薯の収穫量の向上 | 共同研究例・実証実験例 / 設置方法 | 村田製作所 (murata.com)
製品詳細はこちらをご覧ください。


Contacts

株式会社村田製作所
広報部 中村 和佳奈
prsec_mmc@murata.com

情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 村田製作所:農地の状態を見える化する土壌センサの量産を開始