アジア太平洋地域のIT・業務サービス市場でIaaSとSaaSが占める割合は現在過去最高の85%

シドニー--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 主要世界的テクノロジー調査・助言会社のインフォメーション・サービス・グループ(ISG)(Nasdaq:III)による最新の業界状況報告書によれば、第1四半期のアジア太平洋地域の技術サービスおよび業務サービス市場において、クラウド型サービスへの支出が過去最高の85%に達しました。これは、従来のマネージド・サービスへの需要が低下する一方で、IaaSとSaaSへの需要が2桁成長したことによるものです。



年間契約額(ACV)が500万米ドル以上の商業外部委託契約を測定するアジア太平洋ISGインデックスによれば、第1四半期のアジア太平洋地域全体の年間契約額は26億米ドルであり、前年同期比で11%増加しましたが、過去最高だった第4四半期比では9%減少しています。


成長の中心はサービス型部門であり、前年同期比22%増の22億米ドルとなりました。そのうち、サービス型インフラストラクチャー(IaaS)が24%増の19億米ドル、サービス型ソフトウェア(SaaS)が12%増の2億9200万米ドルとなっています。


一方、マネージド・サービスは前年比25%減の3億9000万米ドル、IT外部委託(ITO)は36%減の2億8200万米ドルとなり、業務外部委託(BPO)の1億800万米ドル(29%増)を相殺する結果となりました。


マネージド・サービスは、中国、日本、韓国では全体的に伸びていますが、地域最大の市場であるオーストラリア・ニュージーランド(ANZ)では19%減少しました。契約の動きは過去5年間で最低の水準となり、大規模な取引はほとんどなくなりました。過去18カ月間に、アジア太平洋での4000万米ドルを超える取引はわずか7件でした。


ISGアジア太平洋のパートナーで地域リーダーのスコット・バーチュは、次のように述べています。「アジア太平洋市場は、引き続きクラウド型サービスに対する需要にけん引されています。マネージド・サービス面では、従来のITOサービスの市場がインフラストラクチャーを中心に苦戦している一方、はるかに規模の小さいBPO部門は、一般的に四半期ごとにばらつきのある結果となっています。他方、特に金融サービス分野では、ハイパースケーラー同士の市場シェア争いが激化しています。」


金融サービス分野における第1四半期の注目すべきハイパースケーラー契約としては、ANZの金融サービス会社AMPが2022年までに全てのオンプレミスのワークロードをアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のクラウドに移行することを発表したほか、韓国の教保生命がビッグ・データ・システムをAWSに移行すると発表しました。一方、マイクロソフトはニュージーランド銀行との間で、M1Kと呼ばれるプロジェクトで、1000個のアプリケーションをAzureに移行する契約を締結しています。


SaaS分野の大規模取引としては、カワサキ・エンジンがセールスフォースの製造クラウドを採用したほか、ドイツのスポーツ・シューズ、カジュアル・シューズ、衣料メーカーのプーマ・インドが、オンライン利用者の利便性を向上させるためにセールスフォースの商取引クラウドを活用しことが挙げられます。世界最大のキウイフルーツの販売業者であるニュージーランドのゼスプリ・インターナショナルは、SAP S/4HANAプライベート・クラウド・エディションを使用する域内最初のSAP顧客の1社となる契約を結んでいます。そのほか、BHPはMicrosoft Dynamicsを使って、オーストラリアの農村部の鉱山で働く従業員の安全を確保しています。


ITO分野では、注目すべきアプリケーション開発・保守(ADM)契約2例があります。アクセンチュアは日本の化粧品・パーソナルケア多国籍企業の資生堂にクラウド型システムを導入し、三菱自動車は日本IBMとのIT基盤契約を5年間延長しました。


世界的な予測


ISGは、クラウド型サービス(IaaS、SaaS)市場が2021年に世界全体で18%伸びると予測しており、年初の20%という予測からわずかに下方修正されています。その一方で、ISGはマネージド・サービスの成長予測を年初の3%から5%に引き上げています。


ISGインデックスについて


ISGインデックス(ISG Index™)は、世界的な技術・ビジネスサービス業界に関する市場インテリジェンスの権威ある情報源として認められています。74四半期連続で、金融アナリスト、企業バイヤー、ソフトウエア/サービスプロバイダー、法律事務所、大学、メディアのために最新の業界データと動向を詳しく伝えてきました。2016年にISGインデックスは対象を拡大して、急成長中のサービス型市場をカバーし、クラウドベースサービスがデジタルビジネスの変革に及ぼしている大きな影響を評価するようにしました。またISGは、当社が四半期に公表するISGインデックスで、自動化およびその他のデジタル技術の分析結果を継続的に提供しています。詳細については、このウェブページをご覧ください。


ISGについて


ISG(インフォメーション・サービシズ・グループ)(Nasdaq:III)は、世界有数の技術調査・顧問企業です。世界の上位100社のうち75社以上を含む700社以上のクライアントに信頼されているビジネスパートナーであるISGは、企業、公共部門の組織、サービスプロバイダーと技術プロバイダーが業務の卓越性とより迅速な成長を達成できるよう支援することに傾倒しています。当社はデジタル変革サービスを専門としており、これらのサービスには自動化/クラウド/データ分析、調達の助言、ガバナンスとリスクのマネージド・サービス、ネットワーク通信事業者向けサービス、戦略と運用のデザイン、変更管理、市場インテリジェンスと技術の調査・分析が含まれます。2006年に設立され、コネティカット州スタンフォードを拠点とするISGは、1300人超のデジタル対応専門職を雇用しています。これらは20カ国以上で業務を行っており、革新的な考え方、市場への影響力、業界と技術に関する深い専門知識、業界で最も包括的な市場データに基づく世界クラスの調査・分析能力で知られる世界的チームです。詳細については、www.isg-one.comをご覧ください。


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情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 第1四半期のアジア太平洋地域のサービス支出はクラウドが中心:ISGインデックス