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なぜ改善が急務なのか
全国人民代表大会(NPC)常務委員会副委員長の王晨氏は、香港特別行政区の選挙制度の改善に関する決定案を議員に説明する際、2019年に数カ月間に及ぶ暴動が発生したことを引き合いに出し、これは反中・不安定化勢力による政権掌握を防ぐための措置であると述べました。
「この状況を修復するためには、愛国者を主体とした香港人による香港の行政を保護するため、選挙制度を改善し、既存の制度的欠陥やリスクを取り除くために必要な措置を講じることが重要です」と、王氏は述べています。
香港の国際青年法律交流連盟の初代会長アレックス・ファン氏はCGTNに対し、次のように語っています。「非国民や国家の安全保障を脅かす人々を選挙に参加させれば、『一国二制度』を危険に晒すことになります。」
何を改善できるのか
決定案によると、改善の焦点は、市の選挙委員会の改革と権限拡大にあります。
王氏は、「香港の行政長官は、引き続き選挙委員会で選出されます。委員会はまた、立法会(LegCo)のメンバーの比較的多数を選出し、立法会の全ての候補者の指名に直接参加します」と述べた上で、加えられるべき修正は、基本法の本文を改正するのではなく、基本法の付属文書Iおよび付属文書IIにとどめられるかもしれないと語っています。
どのように行われるのか
「決定+改正」という2段階のアプローチが提案されています。まず、中国の最高立法機関の全国人民代表大会が、香港特別行政区の選挙制度の改善に関する決定を下し、常務委員会に改正の権限を与えます。その後、全国人民代表大会は、香港特別行政区基本法の付属文書Iおよび付属文書IIを改正します。
国家レベルでの改正の後、香港特別行政区はそれに応じて関連する現地法を改正します。
専門家は、香港の選挙関連の現地法が複雑であることを考慮すると、このプロセスには時間がかかるものの、下半期に香港で行われる選挙までには完了するものと見込んでいます。
改善は何を意味するのか
香港マカオ研究センターのLi Huan準特別研究員は、香港の反体制派が改正後に政治参加する余地がなくなるのではないかという懸念を否定した上で、今般の決定は、「親体制派を利することや、反体制派を制限することを目的としたものではない」と述べています。
「それは反体制派をどのように理解するかによります。反体制派の人々が必ずしも非国民であるとは限らないし、香港を愛していないとは限りません」と、Li氏はCGTNに語りました。
これは、「香港を統治する愛国者」を強調することは、全ての違いを消し去ることではないという、中国人民政治協商会議全国委員会副委員長で国務院香港マカオ事務弁公室主任の夏宝竜氏の言葉を反映したものです。
全国香港マカオ研究会副会長の劉兆佳氏は、次のように述べています。「親体制派の候補者も安心してください。より良い政治的未来を手に入れるために、香港の社会と生活の問題を解決するよう、真の努力をしなければなりません。」
香港特別行政区連絡事務所は、選挙制度の改善を支持すると表明し、「これは、香港社会が政治的紛争を終わらせ、発展に再び焦点を合わせ、長期的な繁栄と安定を守る唯一の方法だ」と述べています。
香港特別行政区代表団は、提案された改善案は「一国二制度」を変えるものではなく、原則を強化するものであるとし、香港の政治的混乱に終止符を打ち、地域社会が経済発展、市民生活、特別行政区の国全体の発展への統合に集中できるようにするものだと述べています。
中国国務委員で外相の王毅氏は3月7日、香港の民主主義と継続的な繁栄および安定を中国中央政府以上に気にかけている者はいないとした上で、香港が混乱から安定に向かえば、全ての当事者の利益にかなうと述べました。
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