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李克強首相は金曜日、年一回開催される中国の立法議会において演説を行い、中国が新たな開発段階で直面する数多くの課題にいかに取り組んでいくかを説明しました。
李首相は、中国の最高立法府である第13期全国人民代表大会の第4回会議の開幕に際して政府活動報告を行い、次のように述べました。「中国は依然として、開発のための戦略的機会の重要な時期にあります。一方で、私たちが直面する機会と課題の両方に変化が生じています。」
「類まれな一年」
李首相は2020年を「中華人民共和国の歴史の中で類まれな一年」と表現し、COVID-19との闘いにおける中国の「大きな戦略的成功」と、中国がプラス成長を達成した唯一の主要経済国であったという事実を強調しました。
「私たちは貧困との闘いで全面的な勝利を収め、あらゆる面で適度に繁栄した社会の構築における完全な勝利を確実にするための決定的な成果を収めました」と、李首相は述べました。
2020年の主な達成事項:
第13次五カ年計画期間から第14次五カ年計画期間へ
中国は第13次五カ年計画の期間(2016年~2020年)に、経済・社会発展において「歴史的な偉業」を達成したと、李首相は報告の中で述べました。
中国のGDPは過去5年間で、70兆元(10.8兆ドル)未満から100兆元(15.5兆ドル)以上に増加したと李首相は述べ、都市部で6000万件を超える雇用が追加されたことを指摘しました。
第14次五カ年計画の期間(2021年~2025年)は、中国があらゆる面で現代的な社会主義国家の構築に向けて新たな道のりを歩み始める最初の5年間になると李首相は強調し、続いて経済・社会発展に向けた第14次五カ年計画と2035年までの長期目標の綱要草案を説明しました。
第14次五カ年計画期間の主な目標:
これらの目標は、経済成長の質を高め、イノベーション主導の発展を追求すると同時に、堅固な国内市場を築き、グリーン開発を促進して、国民の幸福を向上させるために設定されていると、李首相は指摘しました。
「イノベーションは中国の現代化の努力の中心にあり続けます」と、李首相は述べました。また、中国は主要分野の中核的テクノロジーにおいて大きな躍進を遂げ、基礎研究10カ年行動計画を策定、実施するために努力をしていくと、述べました。
新しい発展のパターンを育むために、中国は国内の循環を優先し、堅固な国内市場を構築して、国を「質の高い貿易商」に変えると、李首相は述べました。
「私たちは国内経済の流れを活用して、中国を世界的な生産要素とリソースを引き付ける主要な場所にし、国内循環と国際循環の間の有益な相互作用を促進していきます」と、李首相は説明しました。
「好調なスタート」
中国政府は今年、中国の第14次五カ年計画期間の「好調なスタート」を確実にするために、さまざまな措置を講じていくと李首相は述べました。
2021年の主な発展目標:
中国はパンデミックに関する不確実性の中、2020年は特定のGDP成長目標を設定していませんでしたが、李首相は6パーセント以上という今年の成長目標を発表しました。
李首相は、「6パーセント以上という目標によって、私たち全員が改革、イノベーション、質の高い発展を促進するために全力を注ぐことができるでしょう」と述べました。
李首相はまた、政府は引き続き減税政策を実施、改善すると述べ、小規模納税者に関する増値税の課税最低限を月間売上高10万元(1万5450ドル)から15万元(2万3175ドル)に引き上げると発表しました。
「私たちは、慎重な金融政策を柔軟で的を絞ったものに保ち、合理的で適切な水準に維持します」と、李首相は述べました。
予算報告書案によると、中国の年間国防予算は2021年に6.8パーセント増加し、伸び率は6年連続で1桁を維持します。
審議のために第13期全国人民代表大会第4回会議に提出された予算案によると、今年の国防費は約1.35兆元(2090億ドル)となることが計画されています。
中国の国防予算は米国の約4分の1であり、米国の2021年度の国防予算は7405億ドルとなっています。
「香港を統治する愛国者」
李首相はまた、香港・マカオ特別行政区と台湾に関する問題に対する北京の姿勢を強調しました。
李首相は、次のように述べました。「私たちは、憲法と基本法を実施するための2つの特別行政区の関連制度とメカニズムを改善します。両区における法と執行メカニズムの実施を確実にし、国家安全保障を守ります。」
香港特別行政区(HKSAR)の選挙制度改善に関する決定草案が金曜日に、審議のために立法議会に提出されました。
全国人民代表大会常務委員会の王晨副委員長は、草案に係る説明のスピーチにおいて、香港特別行政区の選挙制度は「1国2制度」に従い、香港特別行政区の現状に沿うものであると同時に、「香港を統治する愛国者」を確保することに寄与しなくてはならないと述べました。
李首相は台湾の問題について意見を述べながら、一つの中国の原則の堅持および「台湾独立」を求める分離独立活動への反対をあらためて表明しました。
李首相は、「私たちは、台湾に関する取組みの主要な原則と政策、一つの中国の原則と1992年コンセンサス、そして中国・台湾の関係の平和な発展および中国の統一の促進に、引き続き注力していきます」と述べました。
今後の課題
非常に困難であった2020年の目覚ましい成果にもかかわらず、中国は今後数年間に向けて、依然として多数の課題に直面していることを李首相は認めました。
「COVID-19が世界中で拡大を続ける中、国際情勢において不安定さと不確実性が高まりつつあり、世界経済は引き続き重大な課題に直面しています」と李首相は述べ、不利な外部環境を強調しました。
李首相はまた、「国内では、COVID-19を制御するための取組みの中に依然として脆弱な部分があります」と述べ、経済回復を達成するための基盤をさらに強化する必要があると指摘しました。
中国が経済の向上に向けて努力する中、李首相は、中国は主要分野におけるイノベーション能力を改善する必要があると強調しました。
李首相はまた、一部の地方政府の「深刻な財政赤字」と、金融セクターおよびその他の分野のリスクを未然に防ぎ、解消するという「手ごわい課題」を強調しました。
開発計画案においてこれらの課題に取り組みながら、中国は的を絞ったアプローチと共に新たな道のりを歩み始めています。
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