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病院内で使用される注射薬は、急性期の入院患者さんの容態変化によって処方が変更されるため、病棟から薬剤部へ戻ってくる注射薬の返品率は約30%(*2)にものぼるという報告もあります。現在では、薬剤師が手作業でこのような院内返品薬の仕分けを行うため、業務負担が増えているだけでなく、薬品種別の仕分けミスの原因になっています。
既に発売されている注射薬払出システムは、処方箋に基づいて注射薬を患者さんごとに自動で払い出すシステムです。薬品ラベルのバーコード照合による正確な注射薬の払い出しにより患者さんへの安全な投薬を可能にします。このたび販売開始した「返品薬仕分払出ユニット」は、独自の高精度な画像処理技術により、病棟から薬剤部に返品された注射薬の種類を自動判別し、品種ごとに仕分けを行う、当社の注射薬払出システムに付加する専用オプションです。薬品ラベルの使用期限情報を印字内容から自動判別し、使用期限切れのものを排除して仕分けするだけでなく、当社の注射薬払出システムと連動することで、仕分けした返品薬の中から使用期限に近いものを優先的に払い出すことができます。これにより、医薬品の廃棄ロスの削減、および医薬品在庫の効率的な管理と運用にも貢献します。
PHCは、糖尿病を含めた診断、ライフサイエンス、ヘルスケアITの事業領域において、付加価値の高い製品・サービスを提供するヘルスケア企業です。このたび発売した製品は、「ライフサイエンス」事業における製品ラインナップの拡充につながるものです。
2018年4月の社名変更に伴い、新しい事業ブランド「PHCbi」を採用したライフサイエンス事業では、1973年に業界初となる自動錠剤包装機を発売して以来、国内外における薬剤業務の自動化をリードしてまいりました。中でも、ファクトリーオートメーション業界で培ったオートメーション技術を駆使した当社の注射薬払出システムは、その高い品質と正確性で薬剤師の注射取り揃え業務の効率化に役立っています。
PHCにてバイオメディカ事業部長を務める中村伸朗は、「高齢化社会の進行に伴う処方箋枚数の増加は、薬剤師の調剤業務負荷を高めるだけでなく、薬剤取り違えリスクの上昇や病院内における医薬品流通管理の煩雑化を招いています。この度、当社の既存の注射薬払出システムのオプション製品として開発した『返品薬仕分け払出ユニット』の販売は、人為的なミスの低減による薬剤取り違えリスクのさらなる低減と病院内における医薬品のより効率的な流通管理を推進し、より安全な医療の実現に寄与するものと期待しています。」と述べています。
なお、本製品の1号機は、山口大学医学部附属病院薬剤部で稼動を開始いたしました。また、11月2日より4日までマリンメッセ福岡で開催される「第29回 日本医療薬学会年会併催薬科機器展示会」のPHCブースでも展示いたします。(展示会場:1階、ブースS-02)
(*1)製品に関する詳細: www.phchd.com/jp/biomedical/pharmacy/dispensary/ampoulepicker
(*2)当社のユーザー調査による自社推計
<PHC株式会社・バイオメディカ事業部について>
PHC株式会社は1969年に設立し、糖尿病マネジメント、診断、ライフサイエンス、ヘルスケアサービスの事業分野で開発、製造、販売、サービスを行うPHCホールディングス株式会社の日本における事業会社です。健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し豊かな社会づくりに貢献することを経営理念として、付加価値の高い製品・サービスを世界125カ国以上のお客様にお届けしています。バイオメディカ事業部ではCO2インキュベーターや超低温フリーザーをはじめとしたライフサイエンス製品・サービスの提供を通じて、110カ国以上の科学者と研究者への研究支援に取り組んでいます。
www.phchd.com/jp/biomedical/about-phcbi
【お問い合わせ先】
PHCホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部
岡田 昌代
電話:03-6778-5311