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有効成分名:Calmangafodipir、適応:がん化学療法に伴う末梢神経障害)の第Ⅲ相臨床試験(以下、「本試験」)を日本において開始いたしましたので、お知らせいたします。
SP-04は、PledPharma
AB(STO:PLED、本社:スウェーデン王国ストックホルム市、以下、「Pled社」)より、2017年11月に日本、中国(香港、マカオ含)、韓国、台湾における独占的開発販売権を導入した開発品です。本試験は、Pled社が主導する欧米地域に、当社アジア権利地域のうち、日本、韓国、台湾、香港を加えた国際共同臨床試験として実施されます。今後、韓国、台湾および香港においても、各国当局の諸手続を経て順次本試験を開始してまいります。
本試験は抗悪性腫瘍薬オキサリプラチンを含む併用化学療法mFOLFOX6※1による治療を受ける大腸がん患者を対象とする試験であり、SP-04投与による末梢神経障害の発現抑制効果等を検討することを目的としております。オキサリプラチンは白金製剤の一種であり、大腸がん、膵臓がん及び胃がん等が適応とされますが、特に大腸がん治療では主要な薬剤とされております。オキサリプラチン投与による重大な副作用の一つに末梢神経障害が知られており、その原因の一つとして、神経細胞が当該薬剤により誘発された酸化ストレスに起因して損傷を受けることにより発症するものと考えられております。また、オキサリプラチン以外の白金製剤(シスプラチン等)、タキサン系製剤、ビンカアルカロイド系製剤及びプロテアソーム阻害剤等も主な副作用として末梢神経障害が知られています。しかしながら、現在、がん化学療法による末梢神経障害を効能・効果として当局に承認された医薬品は存在しておりません。
SP-04は、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素であるスーパーオキシドディスムターゼ類似物質で、神経細胞を薬物誘発性の酸化ストレスに起因する損傷から保護する作用を有し、これにより末梢神経障害を抑制するものと考えられております。
本試験は、承認申請に至る最終試験との位置づけにあり、その成功により、がん化学療法による末梢神経障害を患う患者への貢献が期待され、製品販売の拡大により当社の中長期業績にも資するものと想定されます。本試験開始は、その端緒となる重要なマイルストンであります。なお、本件による当期業績への影響は、2018年2月9日に公表いたしました2018年12月期連結業績予想に織り込まれており、その変更は行いません。
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| : | 第Ⅲ相・国際多施設共同・二重盲検・プラセボ対照試験 | |||
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| : | POLAR-M試験 | mFOLFOX6療法を実施する遠隔転移を有する大腸がん患者を対象とする。 | ||
POLAR-A試験 | 術後補助化学療法としてmFOLFOX6療法を実施する大腸がん患者を対象とする。 | ||||
主要評価項目 | : |
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| : | POLAR-M試験 | 420症例(アジア、欧州、米国)。うち当社地域120症例。 | ||
POLAR-A試験 | 280症例(アジア、欧州)。うち当社地域80症例。 |
なお、臨床試験の詳細情報につきましては、以下をご参照ください。
https://www.clinicaltrials.jp/cti-user/common/Top.jsp
(JapicCTI-184186及びJapicCTI-184187)
【がん化学療法に伴う末梢神経障害について】
がん化学療法は、悪心・嘔吐や口内炎発症等の副作用が生じますが、末梢神経障害も重篤な副作用の一つにあげられます。末梢神経障害は、植物アルカロイド製剤、プラチナ製剤等のがん化学療法の主要薬剤において、顕著に発現することが知られています※2。大腸がんの治療法として、手術による治癒が難しい進行・再発がんに対する化学療法及び術後補助化学療法の代表的な抗がん剤の組み合わせに、プラチナ製剤のオキサリプラチンを含むFOLFOX療法があります。オキサリプラチンの処方は、患者さんのほとんど全例(85%-95%)で末梢神経障害が生じ、当該障害は以下の様な症状をもたらします※2。
急性症状: 手、足や口唇周囲部等の異常感覚、呼吸困難や嚥下障害を伴う咽頭喉頭の絞扼感
慢性症状:
四肢末梢のしびれ感、感覚低下、腱反射の低下、感覚性運動失調
このような副作用が発現した場合には、薬剤中止により、80%の症例では一部症状の改善がみられ、40%の症例で6~8ヶ月後には完全に回復するものと考えられておりますが※2、当該薬剤中止は、がん化学療法の中止や方針変更を意味するものであり、当該障害を治療することは医療上の重要な課題です。
※1: | mFOLFOX6療法とは、FOLFOX療法(フルオロウラシル・フォリン酸・オキサリプラチンの3剤を併用するがん化学療法)の代表的なレジメンであり、高リスクStageⅡ又はStageⅢ大腸癌の術後補助化学療法、StageⅣ再発大腸癌に対しての全身化学療法において、標準療法として採用されている。 | |
※2: | 参照:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 末梢神経障害」 | |
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