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潜在患者数500万人。自分がCOPDではないかと心配になってきたのでは。
COPDの症状には、咳や息切れだけでなく、体重の減少や顔色の変化など呼吸器系に関係ないように思えるものもあります。心当たりがある方はすぐに医療機関に相談することをお勧めします。
◉咳が多い
◉痰がよく出る(透明、白、黄、緑など)
◉息切れしやすい
◉喘息のような呼吸音がする(ぜいぜい・ひゅーひゅー)
◉呼吸時に口をすぼめてしまうことがある
◉体重が減ってきた
◉顔色、皮膚の色がなんとなく悪い(黒ずんでみえる)
※『健康な数値』より引用
言わずもがなCOPDの予防の第一歩は禁煙です。
とはいえ、煙草が健康に悪いといくら言われても禁煙は本当に難しいもの。
ニコチンの依存が強く残る期間は2週間といわれています。外出自粛で外に出る機会が少なく、喫煙者と会う機会も少ない今、2週間、たった2週間、煙草の誘惑を耐えてみてください。気分転換には、ガムや運動がお勧めです。
自力でタバコを断つことが困難な場合は、禁煙外来などの医療機関を利用することも考えてみてください
肺炎などの感染症にかかるとCOPDの症状は悪化する恐れがあるため、COPD患者は日常的な感染症対策が必要とされています。
などは、COPDの増悪(=風邪やインフルエンザなどの呼吸器の感染症の影響で症状が悪化し、いつもの治療で改善せず、新たな治療が必要になる状態)を予防する対策です。
COPDは厚生労働省から新型コロナウイルス感染症における重症化のリスクとなる基礎疾患にも指定されており※2、コロナ禍ではより注意しなければなりません。
中国・武漢を中心に行われた新型コロナウイルス感染症患者に対する研究報告※3では、喫煙者は喫煙歴のない患者に比べて重症化するリスクが高いことが示されていますが、喫煙と重症化リスク上昇の因果関係はまだ曖昧なままです。
しかし、厚生労働省は、高齢者や基礎疾患のある人に向けてだけでなく、
「妊婦や喫煙歴なども、重症化しやすいかは明らかではないものの、注意が必要とされています。」※4
と注意喚起しています。
仮に直接的な関係が無いとしても、喫煙習慣がCOPDの最大要因であることは間違いありません。禁煙はCOPD予防とコロナから身を守る第一歩。その一本、一箱を我慢することから踏み出しましょう。
■出典・参考文献:
・猪俣武範『健康な数値』クロスメディア・パブリッシング
・1 厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計(確定数)の概況」第6表https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/dl/10_h6.pdf
・2 厚生労働省健康局生活習慣病対策室『慢性閉塞性肺疾患(COPD)の現状について』https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0611-8a.pdf
・3 『Clinical Characteristics of Coronavirus Disease 2019 in China』 https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa2002032
・4 厚生労働省『(2020年12月時点) 新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識』https://www.mhlw.go.jp/content/000712224.pdf