近年、気温上昇が著しい5月〜6月


ゴールデンウィークの10連休も終わり、いよいよ本格的な夏が近くなってきました。


梅雨が終われば夏本番。あと2か月もすれば、暑い暑い夏です!


ただ、みなさんの中には「まだ5月なのにすでに暑い!」と感じている方もいるのではないでしょうか。実際、5月でも最高気温25℃以上の「夏日」が増えています。



 


近年、地球温暖化が進んでいるなどと言われていますが、実は春・夏・秋・冬の中で、特に春の気温の上昇が顕著なんです。そのため、「冬が終わったと思ったら、春を感じることなく急に暑くなったなあ」と感じる方が多いのかもしれません。


すると、この時期から心配なのは「熱中症」です。実は5月〜6月は、すでに熱中症が増えてくる時期なんです。


 


「急に気温が上がる日」「風が弱く湿度が高い日」は熱中症に注意!


特に熱中症にかかりやすい気象条件は、


①前日に比べて、急に気温が上がる日


②風が弱く湿度が高い日


の2つです。


5月からは「夏日」が増え、急に暑くなることがあるので、①に注意。また、6月になると梅雨の時期に入り、日本付近に湿った空気が入りやすく湿度も高くなるので、①②ともに注意が必要です。



前日に比べて急に気温が上がると、まだ体が暑さに慣れていないことが多く、熱中症にかかりやすいです。


また、風が弱く湿度が高いと、汗をかいても蒸発しにくくなり、体温調整が難しくなるので熱中症にかかりやすいです。人間の体は、「汗が蒸発するときに周囲の熱を奪って、皮膚の下にある血液を冷やし、体を冷やす」作用によって体温を調節します。よって、汗が蒸発しにくいと、うまく体温を下げることができなくなるのです。


それほど気温が高くなくても、気温差が激しかったり、湿度が高いと、熱中症にかかる危険度が増します。


 


天気予報に学ぶ、5月〜6月の熱中症予防


「まだ夏じゃないから」と油断せず、5月〜6月のうちから熱中症に気をつけておきましょう。


天気予報で、


「きのう・きょうに比べて気温が大幅に高くなるでしょう」「蒸し暑くなるでしょう」


このキーワードが出たら、特に注意が必要です。


予防法は、「適切に水分や休憩を取る」「しっかりと食事を取って十分な睡眠を取る」「日ごろから丈夫なからだを作る」ことです。当たり前に感じるかもしれませんが、やはり基本的なことが大切です。


また、普段から風通しの良い服を着たり、外出時には日傘、帽子を着用するなど「熱を溜めない」工夫も大切です。


 


まだまだ5月の暑さは序の口 今やることは体力作り!


5月は熱中症にかかるリスクが次第に高まる時期ですが、まだまだ夏本番の暑さは2か月先です。梅雨入り前であれば湿度が低いため、気温が上がっても比較的カラッとした暑さです。また、梅雨の前は比較的高気圧に覆われ、晴れる日が多いです。


梅雨入り前は体力づくりに最適な時期!

まさに5月はスポーツ日和! 運動会や体育祭もこの時期は多いですよね。


ということで、真夏に備えてスポーツを楽しんで体力をつけて、元気に夏を乗り切る準備をするのがおすすめです。この期間を使って暑さに慣れることで、夏を乗り切る十分な体力をつけることができます。


 


私は学生時代、バリバリの体育会系の学校でサッカーをしていました。学生時代過ごした熊本の夏は毎日35℃前後の暑さでしたが、高校時代の3年間で熱中症になった部員はいませんでした。なぜかというと、こまめに水分や休憩を取っていたことと、普段から丈夫なからだ作りに力を入れていたからだと思います。


特に暑い時期を前に体力をつけておくというのは非常に大事です。私がいたサッカー部でも、大会1か月前に体力トレーニングを重点的にやって、体を追い込んで体力をつけてから大会を迎える、ということをよくしていました。


 


ちなみに、私のおすすめスポーツはフットサル! 理由はこちらの記事でご確認ください。→「フットサルが仕事に効く理由。体力&脳機能アップが同時に叶う!?|気象予報士コラム」


蒸し暑い夏がくる前の時期、特に梅雨入り前の5月に運動をして、夏に向けて体力をつけていきましょう!


 


内藤俊太郎

気象予報士・防災士・日本サッカー協会体育協会公認C級指導員

2012年気象予報士取得。テレビ東京でTXNニュースの出演やTBSの番組サポートなどを経て、2017年4月からKHB東日本放送の気象キャスターに。2018年3月に気象防災アドバイザー育成研修を受講(気象庁開催)。地域防災の普及啓発にも取り組む。

 


情報提供元: BUSINESS LIFE
記事名:「 5月・6月の熱中症に注意!気象予報士が教える熱中症予防|気象予報士コラム