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軽自動車で、世界半周ドライブ中です。
日銭を稼ぎながら夫婦で旅を続ける働き者でして、無期限の海外出張というか、住所不定の海外転勤みたいなもの。
社長は私で、社員はゼロ。
儲かりません。
ある夜、南アフリカのKnysnaという町のキャンプ場でバーベキューをしました。
我が家で初めてのダチョウの肉です。
ヘルシーと評判のダチョウの肉を、もう肉は勘弁してくれってくらい爆食い。お茶でも飲んで胃を鎮めようとしていたら、お隣のテントから声がかかりました。
「バーベキューするから、いらっしゃいよ」
飯食い合うも他生の縁っていうのが旅ですから、満腹ですが喜んで!
誘ってくれたご夫婦は、南アフリカ人の旦那と中国人の奥さん。
おふたりのご厚意により、南アフリカ産のワインとブランデーが飲み放題、ラム肉とソーセージも食べ放題です。
旦那さんからどんだけ中国人の奥さんが素晴らしいかって自慢話を聞きながら、飲みまくり食いまくりのひと時。
鼻から肉がこぼれそうになったところで、お開きとなりました。
たいへんご馳走になりました。謝謝。
感謝の印として、おふたりに愛に満ちたアドバイスをさせていただきます。
さっきからスパスパやっているそのタバコ、辞めたほうがいいですよ。
いえ、決してあなたたちの健康を危惧しているわけじゃなく、まわりの人の健康が心配なのです。
つまりボクらの健康ですね、今宵今夜のこの場合。
副流煙とか受動喫煙とか呼ばれている煙の攻撃力というか、破壊力は”マジでヤバい”です(カタカナから危機感を察してください)。
次の行を、噛みしめるように一字一句ゆっくりと読んでほしいのですが、
タバコを吸っている人の吸う煙より、まわりの人が吸わされてしまう煙のほうが毒が濃いです。
ってことは、えっ?
なんですとっ!?
自分で書いておきながら驚いていますが、タバコを吸ってるほうが健康なの?って事です。
そんな勘違いをするほど、禁煙しているほうが損をこきます。
タバコを吸わないほうがガンになります!
ってデマを飛ばしたくなるほど、ヤバいんです、その煙。
喫煙者の吸っている煙を「主流煙」と呼びます。
隣の人が知らず知らずに吸いこんじゃう煙は、「副流煙」。
副流煙は、主流煙より毒性が強いという主客転倒の煙です。
いいですか、ここでもう一回言いますね。
タバコを吸っている人の吸う煙より、まわりの人が吸わされてしまう煙のほうが毒らしいです。
このご無体なメカニズムを説明します。
●喫煙者が吸う煙●
タバコを吸う→タバコの先っぽが強く燃える(赤くなりますよね、タバコの先)→葉っぱとともに毒も燃える→煙が酸性になる(これはGoodなことらしい)→毒性が弱まる→さらにフィルターで有害物質を減らす→毒が少ないラッキー♡
●禁煙者が吸わされる煙●
タバコの先からゆらゆらと漂う煙→火の温度が低いので、あまり燃えていない→煙は毒性のあるアルカリ性→毒性が減らない→ニコチンやタールなど有害物質が多いまま→吸わされる→ガンになるーっ!
禁煙しているのに、より多くのニコチンやタールを吸っているとは、あまりにも殺生な話じゃありませんか!
かくいう筆者も数年前までは、いたるところでスパスパやっていた、立派な煙突野郎でした。
特にメキシコでは、闇タバコが市価の10分の1くらいですから、いつも5カートンくらい大人買い。
吸わなきゃ損とばかりに、朝から晩までスモーキン・ブギだったのです。
ところが南米を離れて変わりました。
吸わない人の前で吸わないように気を配っていたら、いつの間にか吸わなくなっていたのです。
禁煙した覚えはないのに、禁煙に成功。
禁煙の近道は、タバコを吸う場所がない。これに限ります。
喫煙者は「分煙室で吸ってるんだから文句言うなよ」って顔してますが、そんな生易しいタバコじゃないって知ってますか?
煙がなくても、ステルス攻撃があります。
その名は、「三次喫煙」。
またの名を「残留受動喫煙」。髪の毛や服に染み込んだ有害物質が、空気と科学反応。有害物質としてあたりにばらまかれているとの研究報告があります。
もはやタバコ臭いというだけで、危険なのです。
三次喫煙の撃退法を考えました。
裸。
服を脱いでから分煙室へ入り、一服し終わったらシャワー。これ義務化。
愛煙家もタバコを吸うためだけに知らない人と裸のお付き合いはしたくないでしょうから、面倒臭くてタバコが減ります。
我ながらいいアイデアかも。
調子にのって考えた次のアイデアは、ネーミング。
いっそのこと、「タバコ」という呼び名を変えてみてはどうでしょう。
そのまま、「ニコチン」とか「タール」って呼びます。
商品名は「ニコチン361μg配合」とか、含有量。
「すみませーん、ニコチン361お願いします。あ、でも最近ちょっと体調が悪いから、ニコチン250で」
って具合に、有害度丸わかり作戦。
意外にイケるのではないかと、自画自賛中です。
旅中、タバコに関する苦い思い出があります。
ネパールのルクラにて。バッタもんのHard Rock Cafeとか、Starbucksが並んだ一軒のカフェ。ベランダ席でヒマラヤの空気を吸っていたとき、中国人観光客が、「タバコを吸っていいですかね?」ってスタッフに訊いてました。
すぐ横にデカデカと禁煙マークがあるのに、「いいですよー」と答えるスタッフ。
なんですとっ!?
ここ、禁煙ですよね?って言ったら、いいじゃんって顔して無視されたわけです。
禁煙マークの横で美味しそうにタバコをふかす中国人と、「顧客満足度アップ」といわんばかりのスタッフの笑顔。
一服したくなるほど、腹立たしい思い出です。
国際オリンピック委員会は「タバコのないオリンピック」を目指しています。
ボクらの帰国は、2020年の東京オリンピック後。
受動喫煙防止法案がどうなっているか、期待しています。
では最後に大きな声で、
タバコを吸っている人の吸う煙より、まわりの人が吸わされてしまう煙のほうが毒!
参考資料:厚生労働省 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「受動喫煙」(http://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo85_1.html)