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株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2025年9月4日に『上司 豊田章男――トヨタらしさを取り戻す闘い5012日の全記録』(藤井英樹著/税込2,200円)を発売します。著者の藤井英樹さんは、2009年5月8日から豊田章男社長(当時)の広報担当業務秘書を務め、トヨタイムズの初代編集長として立ち上げに尽力した現役のトヨタ社員です。本書は、社長就任直後の赤字転落から、大規模リコール問題、東日本大震災など、相次ぐ危機に直面しながらも、孤軍奮闘した豊田社長の苦悩や葛藤に迫った全記録です。
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創業家出身の豊田章男氏は、リーマン・ショックの影響で創業以来初の赤字に転落した2009年6月に社長に就任。新社長の広報担当業務秘書の辞令を受けた著者は、「これまで身につけてきた価値観と豊田社長のそれとがまったく違い、最初は何もかもが嚙み合わなかった」と当時の心情を明かしています。そんな状況の中で、世界規模でのリコール問題が発生し、豊田社長が米国の公聴会で証言台に立つことになります。英語が苦手だった著者は、豊田社長に「米国には自分ではなく、英語が得意な広報部員に行ってもらいたい」と打ち明けますが、豊田社長に「トヨタには英語ができる人はたくさんいるよ。でも僕の気持ちがわかる人は藤井くんしかいないじゃないか。だから藤井くんが来い」と返され、泣きそうになったと回顧しています。その後も、東日本大震災など数多の危機に直面し、乗り越えていく中で、著者と豊田社長との信頼関係は徐々に深まっていきました。本書は、長年、直属の部下として豊田社長と向き合い続けたからこそわかる、その素顔とトヨタに関わる全ての人に伝えたい豊田社長の想いを赤裸々に綴ったものです。
著者は本書で、豊田社長から言葉だけでなく、行動を通じて、人間として大切なことを教えてもらったと語っています。特に印象的な出来事として、出会って間もない頃に何をしても役に立たず、いたたまれなくなり「至らないことばかりで本当に申し訳ありません」と謝ったところ、「『至ろう』なんて考えること自体おこがましい。至らないと思うから努力するんでしょ」と言われたことを回想。「今日よりも明日を良くする」というTPSを経営哲学とする豊田社長らしい姿勢が伝わってくる、著者しか知りえない貴重なエピソードを紹介しています。さらに本書では、年頭挨拶や株主総会、モーターショー、決算発表、労使協議など、社長時代のスピーチの数々が当時の背景とともに掲載されており、経営トップの考え方を知る上でも大変参考になる一冊です。
◎なぜ、トヨタは赤字に陥ったのか
◎「肩書なんて関係ない。最後は見ている者が強い」
◎伝説のテストドライバー成瀬弘さんとの出会い
◎「いつの時代も変化を起こすのはお客様」
◎公聴会当日「すべてのトヨタ車に私の名前が付いている」
◎「東北からもタイからも決して退くことはない」
◎「平凡をやり続ければ非凡になる」
◎「まずやってみる。動きながら考える」
◎「年輪経営 身の丈を越えた無理な拡大は絶対しない」
◎「バッターボックスに立った人が評価される会社にしたい」
◎「機能というトヨタの強みを失うのではないか」
◎「原価を見ることは、行動を見ること」
◎「豊田綱領」に込めた豊田さんの想い
◎「たった一言が人の心をあたためる」
◎「マネジメントの言動が変わらなければ、組合員の言動も変わらない」
◎「あるべき姿を主張するよりも実際の仕事に落とし込んでほしい」
◎「過去に時間を使うのは私で最後にしたい」
◎「当たり前のものなどない。どこかで誰かが頑張っているおかげ」
藤井英樹(ふじい ひでき)
1968年大阪府生まれ。1991年にトヨタ自動車株式会社に入社。広報部で8年間、広報誌の制作やメディア対応を経験した後、1999年に人材開発部へ異動。5年間、要員管理や社内研修などを担当し、トヨタの人事制度の根底にある考え方を学ぶ。2004年に広報部に戻り、2009年5月より豊田章男社長(現会長)の広報担当業務秘書になり、スピーチライターとしての一歩を踏み出す。2019年にフェローに就任し、オウンドメディア「トヨタイムズ」の立ち上げに尽力。2021年からは豊田章男社長(現会長)のスピーチライター専任となり、現在に至る。本書が初の著作。
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書名:上司 豊田章男
トヨタらしさを取り戻す闘い 5012日の全記録
著者:藤井英樹
定価:2,200円(税込)
判型・製本・頁数:四六判・並製・544ページ
ISBN:978-4-569-85986-6
発行:PHP研究所
発売日:2025年9月4日
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