前作『花札装束 HANAFUDA SHOUZOKU』では、自身が幼い頃に祖母より聞いた「形あるものはいつかなくなる(all things must pass.)」という言葉をきっかけに、腐った食べ物や有機物をモチーフとして、目に見える物質世界と目に見えない精神世界をつなぐ作品を生み出すというスタイルでしたが、今作『方丈三昧 HOJOZANMAI』は、2020年から2021年にかけ幾度の緊急事態宣言を経て、さまざまな想いを巡らせた結果、先のスタイルにより拍車がかかったものとなりました。増田は「生と死」「豊かさと貧困」「愛」「神と仏」「宇宙の始まり」などなど、目には見えない何ものかを鴨長明を筆頭とする先人たちの言葉(暗号、コード)をヒントとして謎解きをし、理解し、視覚化したのです。
■増田伸也 Shinya Masuda 1965年名古屋市生まれ、東京都在住。 自身が幼い頃に祖母より聞いた「形あるものはいつかなくなる」“all things must pass.”という言葉をきっかけに、腐った食べ物や有機物をモチーフとして、目に見える物質世界と目に見えない精神世界をつなぐ作品を制作している。