監視カメラを用いた危険行動検出により安全意識の向上を生むサイクル


写真1:立馬と人物の検出状況の一例(1)


写真1:立馬と人物の検出状況の一例(2)


写真2:Webアプリケーション画面の一例

安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷 一彦)とNTTアドバンステクノロジ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:伊東 匡、以下「NTT-AT」)は共同で、建設現場における作業員の安全意識の向上を目的として、建設現場の監視カメラ映像を用いたAI画像解析技術による危険行動検知システム(以下「システム」)を開発し、2024年10月から建設現場での実証を開始しました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/418682/LL_img_418682_1.jpg
監視カメラを用いた危険行動検出により安全意識の向上を生むサイクル

1. 開発の背景
建設現場では、作業員の安全意識が低い場合、事故の発生リスクが高まる傾向があるため、作業員に対する安全意識の啓発が重要です。しかし、安全研修やヒヤリハット共有などの教育による対策は自身の問題として捉えにくく、また、昨今の人手不足により、現場において作業員の危険行動に対する行き届いた安全指導が難しいことが課題となっています。
そこで、AI画像解析技術を用いて、建設現場に設置されている監視カメラの映像に映り込む作業員の危険行動を検出し、検出した危険行動を作業員本人に知らせることで、日々の危険行動を自身で確認することができる本システムを開発しました。


2. システムの概要
本システムは、建設現場に設置された監視カメラ(クラウドカメラ)の映像データをAIクラウドサーバーが読み込み、AI画像解析機能(注1)が、映像データから作業を行う人物の姿勢を識別し、危険行動にあたる姿勢(注2)を判定します。また、判定された情報(映像データ、発生位置、危険行動の種類)を蓄積します(写真1)。
作業員は、専用のWebアプリケーションを使用して、自分の危険行動の情報を閲覧することが可能です(写真2)。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/418682/LL_img_418682_2.jpg
写真1:立馬と人物の検出状況の一例(1)

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/418682/LL_img_418682_3.jpg
写真1:立馬と人物の検出状況の一例(2)

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/418682/LL_img_418682_4.jpg
写真2:Webアプリケーション画面の一例

3. 実証の内容
システムの有効性を確認するために、実証フィールドとして安藤ハザマで施工中の建設現場に本システムを導入し、作業員の安全意識向上に対する効果を検証します。

本実証では、室内工事における立馬作業の転倒・転落事故につながる危険行動をシステムの検知対象として、当該作業が行われる複数か所の建設現場にシステムを導入します。実証場所となる建設現場に設置された監視カメラに映る作業の映像をAIクラウドが取得し、転倒・転落事故につながる危険行動を検出します。実証期間は1か月間を予定しています。
実証方法は、モニターとなる当該建設現場の職長や作業員が、当日の作業終了時もしくは翌日の作業開始時に、システムを使用して危険行動の検出情報(映像データ、発生時間、危険行動の種類)を閲覧し、自己の危険行動について振り返りを行い、自身で是正することを基本行動として実施します。
実証期間終了後に、検出対象とした作業についての安全意識の向上やシステム利用に関して、作業員や職長、現場管理者によるアンケート評価を行うとともに、実証期間中の検出結果についての精度確認を行います。


●実証における確認項目
建設現場へのシステム導入における効果を、主に「利用」と「技術」の観点から確認します。

利用
・作業員の安全意識の向上
・作業員の危険行動の是正
・作業員のシステム利用の業務負担
・現場管理者のシステム利用の業務負担

技術
・検出正誤
・検出正誤の条件
・監視カメラ1台の検出範囲


4. 今後の展開
本実証の結果を通じて、建設現場における日々の安全意識のさらなる向上を目指し、本システムの現場導入や検知精度の向上、検知対象の拡張などに向けて検討と開発を進めていきます。


(注1)AI画像解析機能
監視カメラに映ったさまざまな建設現場の映像から、機材と人物のみを分離して学習し、少量の映像データで検出することが可能です。

(注2)危険行動にあたる姿勢
安藤ハザマの安全ガイドラインに記載された作業の禁止行為を対象に、当該の禁止行為を撮影した映像を作成し、AI学習させたものを判定に使用しています。
情報提供元: @Press