【業務提携内容】 高齢人口の割合が増える現代社会において、加齢に伴う認知機能低下・認知症は、高齢者の健康を脅かす最大の脅威の一つと認識されています(*1)。認知症そのものの根本的治療法が進展しない中、もう一つの課題が中核症状に付随して呈する「行動・心理症状“behavioral and psychological symptoms of dementia(BPSD)”」です。具体的には、易怒性(易刺激性)、焦燥・興奮、脱抑制、異常行動、妄想、幻覚、うつ、不安、多幸感、アパシー、夜間行動異常、食行動異常などです。 なお、現状、BPSDに対する根本的な治療薬はなく、厚生労働省のBPSDガイドラインでも薬物療法は推奨されていないなど(*2)、効果的な非薬物療法の登場が切望されています。そうした課題解決に期待されるのが、ブレインテックと呼ばれる、脳神経科学の応用技術分野です。
(*1) Bishop, N. A., Lu, T. & Yankner, B. A. Neural mechanisms of ageing and cognitive decline. Nature 464, 529-535 (2010). (*2) 厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室 「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)」 (2015)