世界的なパンデミックによって、ありとあらゆる場所でこれまでの労働慣行が混乱し、その後遺症は今も根強く残っています。そうした影響の一つにキャリアの途中で離職を選択せざるをえない女性が世界的に増えていることが挙げられます。本人の希望ではなく、「キャリアをストップせざるをえない」と感じ退職を選択しているケースがあり、こうしたことは男性よりも女性の方が直面する機会が多いのです。 British Standards Institution(以下「BSI」)はこの現状を「第2のガラスの天井」と名付けました。第2のガラスの天井は、女性の昇進を妨げてきた第1のガラスの天井から派生したものであり、キャリアパスではなく、働く期間を問題視しています。世界の様々な組織や規制当局のレベルで注目を集めているこの問題の解決に向けて、進展の鍵となるのは、方針と文化、そして規制と教育を整合する能力です。「第2のガラスの天井」の要因を明らかにし、そして女性が働き続けることで個人、組織、社会全体に与えるポジティブな影響について議論を始めるために、BSIは本レポートを作成しました。
また、BSIの健康・安全・福祉担当グローバル責任者のKate Fieldは次のように述べています。 「女性が職場を去る決断をする理由にはさまざまなものがあります。それが自らの意志による選択であれば祝福すべきことですが、今回の調査データは、働き続けることを望み、そのために雇用主からのさらに強力なサポートを期待している女性たちが存在していることを明らかにしています。組織には、従業員と協力することで、個人、組織、社会に多大な利益をもたらす可能性のある、多様で公平かつ包括的な職場文化を創造する機会があります。BSIのPrioritizing People Model(C)(人を優先するモデル)が示しているように、組織が身体的、心理的、および充足感を含む全従業員のウェルビーイング(幸福度)を高める気遣いの文化を創造すれば、結果として熱心で、献身的で、生産的な組織を生み出すことができるのです」