ISO 19650は、BIMを使用して建設された資産のライフサイクル全体にわたって情報管理を行うための国際規格です。 BIMレベル2(※2)と同様の原則と高レベルの要件がすべて含まれ、本ISOの前身となるPAS 1192規格と密接に連携しています。本要件を満たしていることの証明は、成熟したBIMの導入を示します。
BSIジャパンでは、BSI Kitemark認証および検証サービスの提供によって、お客様のBIM成熟度を証明するサービスを展開しています。今回のM&F tecnicaによるBIM BSI Kitemarkの認証は、受託組織(※3)として受託したプロジェクトを対象に、TIDP(Task Information Delivery Plan:タスク情報デリバリー計画)をはじめとする文書整備やBIM 360を活用したCDEの整備、3Dモデル作成プロセス、顧客満足および協働作業により、効率的な施工図モデル作成業務の促進を証明したものとなります。今後ISO 19650を普及・推進するためには、情報マネジメントサイクルの中で、発注組織・元請受託組織・受託組織のそれぞれの役目を理解し、果たすべき役割がますます重要になってきております。
- 注記 - ※1:ISO 19650は、BIMを含む、建築および土木工事に関する情報の統合およびデジタル化 ISO 19650-1:2018 は、BIMを使用した情報マネジメント:概念および原則 ISO 19650-2:2018 は、BIMを使用した情報マネジメント:資産のデリバリーフェーズ ISO 19650-3:2020 は、BIMを使用した情報マネジメント:資産の運用フェーズ ISO 19650-5:2020 は、BIMを使用した情報マネジメント:情報マネジメントへのセキュリティを意識したアプローチ
― 構築による成果、工夫、苦労した点 ISO 19650-1、2の認証に先立ち、研修を受けることで、BIMの情報マネジメントのあり方、重要性を各社員が認識することができました。 その上で、具体的なプロジェクトにISO 19650に準拠したBIM情報マネジメント規格を当てはめ、EIR(Employer Information Requirements:発注者情報要件)、BEP(BIM Execution Plan:BIM実行計画)の具体化(明文化)、CDE(Common Data Environment:共通データ環境)の構築、情報コンテナの整備(階層、版管理、命名規則の整備等)を行うことで、BIMモデルの管理・共有のあり方の指針を得ることができました。 もっとも、現状のBIMのプロセスはISO 19650-1、2に完全に準拠した形で情報マネジメントが行われているわけではなく、さらには、受託組織としてISO 19650-1、2に準拠したモデルデータの取り扱いを行っている前例も少なく、解釈も手探り状態でした。