2型糖尿病の遺伝的なリスク別の年代ごとに既往歴を持つ人の割合

株式会社ジーンクエスト(本社:東京都港区、代表取締役:岩田修、以下「ジーンクエスト」)と株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充、以下「ユーグレナ社」)は、ジーンクエストが提供する遺伝子解析サービス『ジーンクエスト ALL』とユーグレナ社が提供する『ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス』において、これまでより高い精度の遺伝的な健康リスクや体質傾向の提供をスタートしたことをお知らせします。遺伝的な病気の発症リスクをより高い精度で評価できるポリジェニックスコア(※1)という手法を用いることで、より個人に応じた情報提供が可能となりました。本手法による情報提供は、日本で大規模に一般消費者向け遺伝子検査サービスを行っている会社としては初めてのことです。
今回、ポリジェニックスコアを用いて、情報提供を開始する項目は「2型糖尿病」と「BMI(体格指数)(※2)」の2つで、研究によって生み出される成果を活かして、今後も情報提供できる項目や内容を増やしていく予定です。遺伝子検査サービスで提供する情報の質を高めることで、遺伝子事業の発展に貢献できるよう取り組んでいきます。

生活習慣病や身長、体重などは、近年の遺伝子研究により、多くの遺伝子が関わっていることが明らかになってきています。このような疾患や体質に関係する遺伝子は、単体では影響力が小さいものがほとんどですが、その変異が数十から数万と集まり、影響しあうことで、病気の発症リスクや体質に影響を与えることが分かっています。
ジーンクエストとユーグレナ社の遺伝子検査サービスは、個人の健康リスク・体質・祖先について350項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかなどについて結果を提供するものです。
これまでは、1から数個程度の遺伝子の違いをもとに病気の発症リスクや体質の傾向を評価していましたが、今回提供を開始するコンテンツでは、数十から数万個の遺伝子の違いを考慮することで以前より高い精度の結果が分かるようになり、より個人に応じた情報提供を可能にしました。
本コンテンツには、最新の研究によって開発されたポリジェニックスコアを用いており、この手法を使った情報提供は、日本で大規模に一般消費者向け遺伝子検査サービスを行っている会社としては初めてのことです。


◆今回提供を開始するコンテンツのポイント
☆提供する遺伝的な健康リスクや体質傾向の情報が、より高い精度に
☆自分と同じ健康リスクタイプの人の傾向を知ることで、将来の自分を予測するヒントに
☆医療機関等へ導入することで、個人のリスクに応じた予防アドバイスなどにも活用可能に

- 提供する遺伝的な健康リスクや体質傾向の情報が、より高い精度に
数十から数万個の遺伝子の違いを考慮し、遺伝的な病気の発症リスクをより高い精度で評価できる ポリジェニックスコアという手法を用いているため、提供する情報の精度がこれまでより高くなりました。

今回ポリジェニックスコアを用いた情報提供を開始した『2型糖尿病』の項目では、これまで4か所の遺伝子の違いの結果から計算した健康リスク(オッズ比)を提供していましたが、現在は、約9万か所の遺伝子の違いの結果を使用して健康リスク(オッズ比)を提供しています。

- 自分と同じ健康リスクタイプの人の傾向を知ることで、将来の自分を予測するヒントに
ポリジェニックスコアを用いることで、自分と同じ遺伝的な健康リスクタイプの人が、どの年代でどの程度の割合で疾患にかかっているかや、どのような体質傾向にあるのかが分かるようになりました。自分と同じ健康リスクタイプの人の傾向を知ることで、生活習慣の早期改善に取り組んだり、積極的に健康診断や特定の疾患の検査を受けたりするなど、各個人の健康リスクに応じた予防や将来の自分を予測するヒントとなります。

『2型糖尿病』の項目では、「リスクの高いタイプ」「比較的リスクの高いタイプ」「一般的なタイプ」「比較的リスクの低いタイプ」「リスクの低いタイプ」と健康リスクに合わせて5つのタイプに分けています。それぞれのタイプにおける2型糖尿病の既往歴がある人の割合、つまり、どの年代でどの程度の割合で2型糖尿病にかかっていたかを年代別にみると、「リスクの高いタイプ(赤色)」のタイプの場合、50代で約10%、70代で約20%ですが、「リスクの低いタイプ(青色)」のタイプの場合、50代で約2%、70代でも3%に満たない割合です。同じ年代でもタイプによってリスクが大きく異なることが、「2型糖尿病の既往歴がある人の割合」のグラフから見て取れます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/359718/LL_img_359718_1.jpg
2型糖尿病の遺伝的なリスク別の年代ごとに既往歴を持つ人の割合

- 医療機関等へ導入することで、個人のリスクに応じた予防アドバイスなどにも活用可能に
遺伝的な病気の発症リスクをより高い精度で評価することが可能となることから、これらの結果を健康診断や医療機関で導入することで、個人のリスクに応じた予防アドバイスなどにも活用することができます。
また、遺伝的に高リスクな疾患患者は、特定の薬剤への効果が変わることがあるという研究も報告されています。遺伝的に高リスクな疾患患者の疾患症状や遺伝子動態、薬剤応答などを詳細に調べることで、疾患メカニズムの解明や創薬、個人に適した治療方法の提案に繋がる可能性があります。
ジーンクエストでは、遺伝子検査サービスを通じて個人のお客様へ提供するだけではなく、企業様や研究者様等とも有効活用できるように進めてまいります。

なお、今回、ポリジェニックスコアを用いたより高い精度の情報提供を開始する項目は「2型糖尿病」と「BMI(体格指数)(※2)」の2つで、すでに検査を実施済みのユーザーの方が新たに検査を受ける必要はございません。検査結果はこれまで通りマイページから見ることができます。
今後も、研究によって生み出される成果を活かして、情報提供できる項目や内容を増やすなど、より信頼できる遺伝子検査サービスを提供し、遺伝子事業の発展に貢献できるよう取り組んでいきます。


■用語解説
※1 ポリジェニックスコア(polygenic score):発症リスクに複数の遺伝子が関わる疾患や体質において、数十~数万の遺伝子の違いに様々な重みづけを行い総合したスコアのことを言います。特に疾患に対するポリジェニックスコアについてはポリジェニックリスクスコア(polygenic risk score)とも呼ばれています。アルコールに対する強さなど数個程度の遺伝子が関わる疾患や体質ではなく、生活習慣病など多くの遺伝子が関与する疾患や体質においてはポリジェニックスコアを使用した方がより精度よく評価できることが近年の研究により示されて、各疾患に対してのポリジェニックスコアの予測モデルが開発されてきています。

※2 BMI(体格指数):[体重(Kg)]/[身長(m)の2乗]で算出される肥満度を表す指数です。標準値は22であり、この数値が統計的に最も病気になりにくい体重とされています。


■「ジーンクエスト ALL」、「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」について
個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて350項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにできることをチェックできます。
ジーンクエスト ALL: https://genequest.jp/dnatest/all/
ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス: https://myhealth.euglena.jp/products/gene_analysis/


【株式会社ジーンクエストについて】
2014年に国内で初めて大規模遺伝子解析サービスを一般消費者向けに展開。生活習慣病など疾患のリスクや体質の特徴など350項目以上におよぶ遺伝子を調べ、病気や形質に関係する遺伝子をチェックできるサービスを提供しています。遺伝子の研究を推進し、正しい使い方を広め、人々の生活を豊かにすることをビジョンに掲げ、蓄積されたゲノムデータを活用し研究活動を積極的に行っています。
企業サイト: https://genequest.jp/


【株式会社ユーグレナについて】
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。
企業サイト: https://euglena.jp
情報提供元: @Press