ガラス上の量子ドット (左)室内灯下 (右)室内での紫外線照射下


暗所においての、紫外線照射下での量子ドットフィルム

GSアライアンス株式会社(代表取締役:森 良平、所在地:兵庫県川西市)は、同社で合成している量子ドットの技術を応用して、植物、農作物の成長を加速する可能性のある量子ドット、および量子ドットフィルムを開発しました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/348151/LL_img_348151_1.jpg
ガラス上の量子ドット (左)室内灯下 (右)室内での紫外線照射下
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/348151/LL_img_348151_2.jpg
暗所においての、紫外線照射下での量子ドットフィルム

人口爆発に伴う食糧問題は世界中で深刻になりつつあり、ロシア、ウクライナ戦争危機が1つの引き金になった食糧価格高騰は大変な問題です。特に、食糧を主に輸入に頼る日本においては致命的な問題になりえます。故に、植物、農作物の成長、農業の効率化は非常に重要な課題です。

植物がCO2を吸収して、太陽光の助けで酸素やデンプンを作ることが光合成ですが、実際は太陽の光を全て利用しているわけではなく、特に青色と赤色の光が光合成、植物の成長に効果的です。植物、葉が緑色に見えるのは、植物が光合成、成長に使っていない緑色の光を反射しているからです。近年は、このような分野の研究が進んでおり、例えばバラは白色、唐辛子は黄色、トマトはマゼンタ色の光により成長が加速することなども明らかになってきています。

一方で、量子ドットとは、0.5-9nmという超微粒子サイズの物質であり、量子化学、量子力学の法則に従う光学特性を示します。人為的に合成される物質であり、あまりにも小さく、数十から数千の分子からなる物質なので人工分子とも言われています。物質がこの大きさになると、電子のエネルギーはもはや連続ではなくなり、量子閉じ込め効果と呼ばれる物理的現象により、エネルギーレベルは離れて分離しています。

GSアライアンスにおいては、これまで種々の量子ドット、量子ドット複合材料を研究開発、合成してきており、この度、同社の岩林 弘久研究員、森 良平博士(工学)は、紫外線、短波長の青色光を赤色に変化させる量子ドットフィルムを開発しました。今回主に開発した量子ドットはCIS(CuInS2)/ZnS量子ドットです。この量子ドットはフィルムに塗布する前は水系であり、製造工程においても環境に優しい素材となっています。太陽光でもより多くの赤色の波長の光を利用できるので、植物、農作物の成長が加速することが期待できます。太陽光は一部紫外線を含んでおり、紫外線は人体に有害であり、その光を有効な赤色に変化させるので効果的です。

この量子ドットフィルムを温室の窓や、ビニルハウスに貼り付けたり、植物工場のLED照明に載せたりすることで、植物、農作物の成長が加速されることが期待できます。それぞれの植物、農作物の種類に応じて、赤色以外の色に変化させる量子ドットフィルムを作ることができる可能性もあります。

GSアライアンスとしては、今後、実際の植物工場、農園での実証実験、事業化を進めていき、協業パートナーなども探していく予定です。


■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社(冨士色素株式会社グループ)
代表者 : 代表取締役 森 良平博士(工学)
本社所在地: 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容 : カーボンニュートラル、脱炭素、SDGs課題に取り組む環境、
エネルギー分野の最先端技術の研究開発
(国連のスタートアップ企業支援プログラムUNOPS GIC KOBEに
2020年に採択)
URL : https://www.gsalliance.co.jp/
情報提供元: @Press