多くの国で設定されているビタミンK必要量(約1μg/day/kg 体重)では、オステオカルシンの活性化には不十分である。 Sato et al.Nutrients(2020)12,965
また昨今では、納豆摂取量と骨折リスクについて研究も行われています。骨粗しょう症を発症しやすい閉経後の女性約1,400名を対象とした約15年間にわたる追跡調査では、納豆を週7パック以上食べる人において、骨折頻度が大幅に低いとの報告があり(Kojima et al. The Journal of Nutrition 2020)、納豆に含まれるビタミンK2(MK-7)の影響によるものと推察されています。 現代の日本においては、旧来の栄養失調のような生存に最低限必要な栄養不足状態になることは少なくなっており、疾病の予防に必要な栄養素が不足する新型栄養失調が懸念されています。食事摂取基準においては、病気のリスクを高めないよう検討されることが多いですが、ビタミンのような微量栄養素は薬と異なるため、日々の食事でわずかながらも摂取し続けることが健康の維持に役立つのです。予防医療に役立ち、医療費負担の軽減にもつながることから、今後ますます重要になっていくでしょう。