■概要 商用クローズドな暗号プロセッサSnakeCubeとオープンソースの8bit CPU WZetaを組合せることで様々な暗号演算が可能になります。どちらも同一設計者による独自の命令セットのプロセッサでありICカードやレイテンシ性能を追求するサーバー向けに最適ですが、これをWZeta搭載マイコンなどに接続するためのBIOS仕様とソフトウェアのみによる実装を公開。特別にI/Fを除いたものはCC0(パブリックドメインと同じ)で公開。
■WZeta BIOSの特徴 従来BIOSコールはソフトウェア割込み(INT命令)を利用することが多くあります。ソフトウェア割込み中に割込みを受け付けることができても多重割込みとなり煩雑になる傾向がありました。8bit CPU WZetaはハードマクロ命令を使ったBIOSコールのためBIOSファンクション実行中でも普通に割込みを受けられます。処理時間の長いBIOSファンクションの実装が容易にできるという特徴があります。このハードマクロ命令によるBIOSコールがマイコン技術の進化につながることがあり得るかもしれません。
■オープンソースの超軽量8bit CPU WZetaとは WZetaは少ないトランジスタ数で構成され、40年以上前のIntel 8bit CPU 8080のトランジスタ数と同等で数倍(FPGA換算のため誤差有)の性能が出る新種の命令セットの8bit CPU。WZetaは2019年に期間限定公開されていましたが2021年2月にハードウェア開発コミュニティelchikaの「ハードウェア投稿作品キャンペーン」に応募、審査を通過したため本格的に開発を開始。同じ特長を持つ全く別のCPUになったという経緯があります。他のCPUではあまり見かけないハードマクロ命令は複数の命令を1命令にする機能でプログラムメモリを節約、高速なサブルーチン、仮想マシンなど画期的に便利でコンパイラに新世界をもたらします。8bitのデータ幅のメモリをプログラムとデータで共用できるためメモリ1個で動作します。 マイコンの製造コストを下げるのに役立ちます。各々の実装に依存しますが公式コアSDogは全命令4サイクルのためPWM制御に向いています。また暗号のサイドチャネル攻撃耐性があります。WZetaは全く独自のアーキテクチャでありオープンソースであることから世界的に普及することが期待できます。