茶室「五庵」/設計:藤森 照信


外装材取り付け前の建物の状態


天井材の炭の張り付け


外装材の焼杉の加工・取り付け

工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)の藤森 照信特任教授(建築学部)が設計した茶室「五庵」が、新国立競技場前に完成しました。7月1日から開催されるTokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13「パビリオン・トウキョウ2021」で、公開されます。制作には、大内田研究室(建築デザイン学科、指導教員:大内田 史郎教授)が協力し、天井材の漆喰塗り、天井に使用した炭の加工や張り付け作業、外装材の焼杉の加工・取り付けなどを行いました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/265217/LL_img_265217_1.jpg
茶室「五庵」/設計:藤森 照信

■茶室「五庵」/設計:藤森 照信
藤森 照信は自然と一体となった建築を作り続けており、この茶室「五庵」では基壇を芝が覆っています。上部の外壁に用いられている焼杉は、杉材の表面を焼いて炭化させたもので、表面の炭化層が板の劣化を防ぎ耐火性を高くします。1階の待合に入り、梯子で2階の茶室に上がると、大きな窓から新国立競技場が見えます。梯子は「にじり口」の再解釈で、暗くて狭い場所を通り、茶室という別世界に移動させる機能を持ちます。歴史家としての膨大な知識に裏付けされた「どこにもない」建築が藤森作品の魅力です。


■Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13「パビリオン・トウキョウ2021」 概要
新国立競技場を中心とする複数の場所に建物やオブジェを設置し、自由で新しい都市のランドスケープを提案します。観客は、地図を片手に宝探しのように、あるいは散歩のかたわらに、世界で活躍する建築家やアーティストたちがそれぞれの未来への願いを表したパビリオンを巡ることができます。

【会期】
2021年7月1日(木)~9月5日(日)

【会場】
新国立競技場周辺エリアを中心に東京都内各所
ビクタースタジオ前/明治神宮外苑 いちょう並木入口/国際連合大学前/旧こどもの城前/渋谷区役所 第二美竹分庁舎/代々木公園 パノラマ広場付近/kudan house庭園/浜離宮恩賜庭園 延遼館跡/高輪ゲートウェイ駅改札内

【パビリオン・クリエイター】
藤森 照信、妹島 和世、藤本 壮介、平田 晃久、石上 純也、藤原 徹平、会田 誠、草間 彌生

【主催】
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、パビリオン・トウキョウ2021実行委員会

【公式サイト】
https://paviliontokyo.jp/

※鑑賞時間、事前申し込み、入場料などは各会場によって異なります。
詳細は公式サイトをご覧ください。


■制作過程

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外装材取り付け前の建物の状態


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天井材の炭の張り付け


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外装材の焼杉の加工・取り付け


画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/265217/LL_img_265217_5.jpg
作業後に藤森特任教授と記念撮影

■大内田研究室 建築デザイン学科4年 中村 文彦(なかむら ふみひこ)さん コメント
今回の制作は、ほぼ手作業で行いました。学生のうちに1/1スケールの建物の制作に携われたことは、貴重な体験でした。意匠に限らず、材料や工法など幅広い分野の視点を持ちながら建築を考える機会となりました。

■大内田研究室 建築デザイン学科4年 籏野 みちる(はたの みちる)さん コメント
焼杉を張り付ける作業では、墨出しとカットを何度も繰り返し行い、まるで巨大な模型作りをしているようでした。作業を通して、予定通りに進める難しさを実感しました。今後も実体験を積むことで、現場で臨機応変に対応するための柔軟性と発想力を身に着けていきたいです。
情報提供元: @Press