ベイン・アンド・カンパニーは、イタリア高級品メーカーの業界団体であるアルタガンマ財団と共同で「2021年春、世界高級品市場レポート」を発行しました。世界の個人向け高級品市場は中国と米国の好調な売上に牽引され、回復の兆しを見せています。また、コロナ禍で、より一層重要となったデジタルと人との関わり方や、ブランド品の中古品市場拡大など新たなトレンドも見られます。現状の分析では2021年の世界高級品市場規模は2,500~2,950億ユーロに達する見通しです。
2021年第1四半期の個人向け高級品市場は、コロナ禍に陥る前の2019年同期と比較して、現在の為替レートで0~1%(恒常為替レートでは2~3%)のプラス成長となりました。


2021年、市場回復に想定される2つのシナリオ


2021年の市場の見通しには2つの可能性が考えられます。
・ シナリオ1(確率30%):通年回復基調が続き、年内には2019年の市場規模であった約2,800~2,950億ユーロにまで回復する可能性がある。
・ シナリオ2(確率70%):第1四半期には力強い勢いが見られたものの、国内高級品購入が鈍化し、地域内の観光旅行も限定的であるため、成長率は今後抑制される。この場合、2019年水準にまで完全に回復するには2022年にまでずれ込むことが予測され、2021年の市場規模は2,500~2,650億ユーロとなる見込み。


3つの主要トレンド


高級品業界が危機を乗り越えようとする中で、いくつかのトレンドが定着しました。高級品に対する中国人の購入意欲は依然として高く、全世界でオンラインチャネル販売が引き続き堅調な伸びを見せています。新規顧客が高級品をオンラインで購入する現象も生じており、エントリーレベルの商品が増える一方で、高額な商品も増えてオンラインで購入される製品の価格範囲が広がっています。
また、中古品市場は複数の消費者セグメントの間で拡大しています。ベインの推計によると、2020年の高級品の中古品市場は280億ユーロ(2019年の260億ドルから増加)でした。高級品の中古品市場には、あこがれの高級品購買を目的とした比較的若いエントリーレベルの消費者だけでなく、入手困難な高級品や収集価値のある商品を求める高額購入者や収集家も多く参画してきています。このような現象から、製品のライフサイクルやブランドに対する顧客のエンゲージメントを高める方法にも変化が生じています。
ベイン東京オフィスのパートナーであるゴヴァース健二は次のようにコメントしています。「各ブランドはコロナ禍で、既存の戦略・戦術に固執することなく、素早くイノベーションを起こす必要に迫られました。海外からの旅行者の人流がゼロに近い水準にまで落ち込んだことで、トラベルリテール市場は下火になりましたが、国内の顧客を「再発見」するきっかけになりました。現在の日本で勝ち組といえる企業は、もはやインバウンドの顧客に期待するのではなく、日本人顧客との間に親密な関係を作ることに注力しています」。


ベイン・アンド・カンパニーについて


ベイン・アンド・カンパニーは、未来を切り開き、変革を起こそうとしている世界のビジネス・リーダーを支援しているコンサルティングファームです。1973年の創設以来、クライアントの成功をベインの成功指標とし、世界38か国61拠点のネットワークを展開しています。クライアントが厳しい競争環境の中でも成長し続け、クライアントと共通の目標に向かって「結果」を出せるように支援しています。ベインのクライアントの株価は市場平均に対し約4倍のパフォーマンスを達成しており、私たちは持続可能で優れた結果をより早く提供するために、様々な業界や経営テーマにおける知識を統合し、外部の厳選されたデジタル企業等とも提携しながらクライアントごとにカスタマイズしたコンサルティング活動を行っています。
商号  : ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
代表者 : 奥野 慎太郎(日本における代表)
所在地 : 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー8階
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