図1 家庭のエネルギー消費量(電気・ガス・灯油の合計)の前年同期間比較(出典1)


図2 支払金額(電気・ガス・灯油の合計)の前年同期間比較(出典1)


図3 光熱費(電気・ガス・灯油の合計)、消費支出、及び、光熱費が消費支出に占める割合(出典1)

株式会社 住環境計画研究所(代表取締役会長:中上 英俊、東京都千代田区紀尾井町3-29 紀尾井町アークビル3階)では、総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯)の結果(出典1)を用いて、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大及びその防止に伴う家庭のエネルギー消費への影響を分析いたしました。本報告では、4~6月四半期のデータを分析した結果をご報告いたします。本報告でのポイントは下記の2点です。



ポイント1:4~6月四半期の世帯当たりのエネルギー消費量は9.09GJで前年同期間比3.2%増加

ポイント2:4~6月四半期の世帯当たりの光熱費は前年同期間比で実質2.2%増加



詳細は下記をご参照ください。





<ポイント1:4~6月四半期の世帯当たりのエネルギー消費量は9.09GJで前年同期間比3.2%増加>

●4~6月四半期の世帯当たりの電気・都市ガス・プロパンガス・灯油を合計したエネルギー消費量(*1),(*2)は、全国で9.09GJで、2019年同期間8.81GJから0.28GJ増加(+3.2%)となっています。そのうち電気の消費量は4.27GJで、2019年の4.16GJから0.11GJ増加(+2.6%)となっています。(図1)



●気温の影響について分析した結果では、増加分0.28GJのうちの約3割が気温要因、残りの約7割(0.2GJ)は気温以外の要因となります。



●2020年4月~6月は政府からの緊急事態宣言発令期間を含んでおり、新型コロナウイルスの感染拡大及びそれに伴う外出自粛等の影響が最も現れている期間と言えます。このことは、エネルギー消費量増加の主要因となっている可能性があります。





<ポイント2:4~6月四半期の世帯当たりの光熱費は前年同期間比で実質2.2%増加>

●4~6月四半期の世帯当たりの電気・都市ガス・プロパンガス・灯油の支払金額(光熱費)の合計を前年同期間と比較すると、2019年の50,247円から49,902円と345円減少(-0.7%)しています。(図2)



●一方で、エネルギー価格変動の影響を考慮した前年同期間比の実質増減率(*3)(図2)をみると、2020年は+2.2%(+1,110円)となりました。これより、光熱費が前年同期間比で減少したのは、エネルギー価格の低下によるものと考えられます。



●光熱費が消費支出に占める割合は2019年の5.7%から6.3%と0.6ポイント増加しています。この増加には、消費支出の大幅な減少が影響しています。(図3)



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/222936/LL_img_222936_1.png

図1 家庭のエネルギー消費量(電気・ガス・灯油の合計)の前年同期間比較(出典1)

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/222936/LL_img_222936_2.png

図2 支払金額(電気・ガス・灯油の合計)の前年同期間比較(出典1)

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/222936/LL_img_222936_3.png

図3 光熱費(電気・ガス・灯油の合計)、消費支出、及び、光熱費が消費支出に占める割合(出典1)



〈出典〉

1)「家計調査結果」(総務省統計局)( https://www.stat.go.jp/data/kakei/index3.html )の2018年~2020年の4月~6月の電気・都市ガス・プロパンガス・灯油の支払金額・購入数量及び、消費支出を用いて作成しました。





1. エネルギー種別の発熱量は資源エネルギー庁「エネルギー源別標準発熱量・炭素排出係数(2018年度改訂)」(2020年1月)の値を適用しました。

2. 都市ガスはガス事業生産動態統計調査(資源エネルギー庁)の四半期報から単価を算出し、購入数量を推計しました。

3. 実質増減率は名目増減率と当該品目の消費者物価指数の変化率を用いて算出しました。





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