(図1)大里研究所
(図2)年齢群におけるFPP摂取による唾液IgAの変化
(図3)FPPによる2型糖尿病患者の呼吸バーストの誘導 (図4)FPPによるATP産生の誘導
(図5)FPP摂取によるROS産生の誘導 (図6)FPP摂取によるヒト慢性創傷の治癒促進
大里研究所(所在地:岐阜県揖斐郡、理事長:林 幸泰)は、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、感染症予防に役立ててもらう目的で、免疫機能を高める方法の一つとして注目を集めているFPP(パパイヤ発酵食品:ブランド名イミュナージュ)による免疫機能に関する研究事例をご紹介いたします。
大里研究所が開発したFPPは、カリカパパイヤを原料にした独自の技術による顆粒状の発酵食品であり、数々の論文が国際ジャーナルに発表されています。新型インフルエンザ(H1N1)が発生した2009年に、フランスのニュース番組「TF1TVジャーナル」において、ノーベル医学生理学賞受賞者(HIV発見者)であるリュック・モンタニエ博士が、FPPの感染症予防の可能性について述べたことが欧米で大きな反響を呼んだ経緯もあり、今回の新型コロナウイルスのパンデミックを受け数多くの問い合わせをいただいております。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/210014/LL_img_210014_1.jpg
(図1)大里研究所
http://www.ori-japan.com/news/results/fppfpp.html
今回は、多方面の研究で得られた中から、FPPが生体防御の最前線である口腔免疫を高め、呼吸器疾患の予防に有効であることを示唆した臨床研究1)と、免疫機能が低下している2型糖尿病患者のエネルギー代謝を改善し、免疫系細胞による呼吸バーストを活性化させることで免疫機能を改善することを示した一連の研究事例2)3)4)5)を紹介し、FPPの食べ方について解説します。
■唾液中のIgAを増加させ感染症から身体を守る!
IgAは、私たちの口・喉・鼻などの粘膜で分泌され、ウイルスや細菌など外敵の侵入を阻止する働きをする口腔内の粘膜免疫の要の一つで、免疫グロブリンAとも呼ばれています。年齢とともに唾液の分泌量が低下するのと同様に、唾液中のIgAも加齢に伴い減少するため、若者に比べ高齢者の呼吸器疾患のリスクは高くなります。
イタリアのFrancesco Marotta教授は、90名の運動習慣の無い健康な被験者を対象に、20~40歳、41~65歳、65歳以上の3つのグループに分け、6週間、1日9g(4.5g×2回)のFPPまたはプラセボ(比較のための擬似薬)を摂取し、その後1ヶ月間なにも摂取しないウォッシュアウト期間を置き、次の6週間、FPP群とプラセボ群を入れ替えるクロスオーバー法で臨床試験を実施しました。FPPを摂取したことにより、どの年齢群でも唾液中のIgAが有意に増加し、試験開始時には若いグループに比べて著しく低かった65歳以上のグループも年齢群の差がなくなるほど増加しました(図2)。また、殺菌・抗菌作用を持つ唾液中のリゾチーム産生量も同時に測定しましたがIgAと同様に増加しました。
さらに、FPPを摂取することで、鼻洗浄液の細胞中において、重要な抗酸化物質である、フェーズII酵素群とSODの遺伝子発現が有意に上昇しました1)。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/210014/LL_img_210014_2.jpg
(図2)年齢群におけるFPP摂取による唾液IgAの変化
この結果から、FPPは口腔免疫の機能を高め、呼吸器感染症の予防に有効である可能性が確認されました。
■感染症の発症リスクが高い糖尿病患者の免疫を強化し、戦う力をUP!
2型糖尿病では、免疫機能の低下により、傷が治りにくく慢性化すること、また、様々な感染症に罹患するリスクがよく知られています。今回の新型コロナウイルスに関しても、糖尿病患者は、高齢者や心疾患や呼吸器疾患などを持つ人々と同様に感染症の重篤化のハイリスクグループとして、より注意が必要であると認識されています。
オハイオ州立大学のChandan K. Sen教授の研究グループは、2010年に糖尿病マウスでFPPによる皮膚創傷治癒の改善2)を確認後、ヒトの糖尿病治療におけるFPPの効果に関する一連の臨床研究を重ねてきました。2012年に2型糖尿病患者由来の末梢血単球細胞を用いてFPPによる呼吸バーストの改善3)を明らかにしました。2015年には、22名の2型糖尿病患者にFPP(9g/日、6週間)を経口摂取してもらい、糖を主成分とするFPPを糖尿病患者に与える安全性、および呼吸バーストの改善による免疫活性(図3)といったFPPの効果を確認4)しています。加えて、FPPを与えたTHP-1(ヒト単球細胞株)は、グルコースのみを与えた細胞と比較して、ATP産生の上昇が認められました(図4)。また、FPPによるNADPHの産生促進、及びミトコンドリアの膜電位/酸素消費量の上昇も確認されました。
これらの結果から、FPPはミトコンドリアでのエネルギー産生を促進することが示唆されています。
更に、慢性創傷をもつ2型糖尿病患者を対象にした臨床試験において、標準治療(陰圧閉鎖療法)を受けながらFPPを摂取した患者の創傷部位の免疫細胞(ヒト慢性創傷炎症細胞)では、標準治療のみを受けている患者と比較してROS(活性酸素種)の産生誘導が有意に高く(図5)FPPによって2型糖尿病患者の創傷治癒が促進されることが明らかになりました(図6)5)。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/210014/LL_img_210014_3.jpg
(図3)FPPによる2型糖尿病患者の呼吸バーストの誘導 (図4)FPPによるATP産生の誘導
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/210014/LL_img_210014_4.jpg
(図5)FPP摂取によるROS産生の誘導 (図6)FPP摂取によるヒト慢性創傷の治癒促進
これらの一連の研究結果により、免疫が低下している糖尿病患者のエネルギー代謝を改善し、免疫応答反応である呼吸バーストを活性化させることにより免疫機能を改善するFPPの機能性が認められ、FPPは、2018年9月に特許第6401792号『ATP産生促進剤 及び ミトコンドリア活性促進剤 並びに 免疫賦活剤』として日本国特許庁により登録されました。
糖尿病は、エネルギー代謝と免疫機能を高めることが最も困難な疾患の一つです。FPPは、こうした糖尿病患者のエネルギー代謝・免疫機能を高めることが証明されていることから、高齢者や一時的に免疫機能が低下している人にも免疫機能の改善が期待されています。
免疫は「防御」と「攻撃」の2段階で出来ており、生体防御の最前線である口腔免疫を強化し、細胞のエネルギー産生を高め、攻撃である免疫応答を必要に応じて活性化することで免疫機能を高めるFPPは、1日9gの摂取で臨床試験を行っています。健康維持・感染症予防には1日1包(3g)、体調の優れない場合には1日2~3包(6~9g)の摂取をお勧めしています。FPPは食品ですので、いつ・どのように食べていただいても問題はありませんが、食事と食事の間の時間帯に、唾液で溶かして食べることをお勧めしています。
■引用文献
1) Is there a potential application of a fermented nutraceutical in acute respiratory illnesses? An in-vivo placebo-controlled, cross-over clinical study in different age groups of healthy subjects. Journal of Biological Regulators & Homeostatic Agents 2012 Apr-Jun;26(2):285-94.
2) Improved function of diabetic wound-site macrophages and accelerated wound closure in response to oral supplementation of a fermented papaya preparation Antioxidants & Redox Signaling 13(5):599-606,2010
3) Correction of Aberrant NADPH Oxidase Activity in Blood-Derived Mononuclear Cells from Type II Diabetes Mellitus Patients by a Naturally Fermented Papaya Preparation. Antioxidants & Redox Signaling 17(3):485-491,2012
4) Does oral supplementation of a fermented papaya preparation correct respiratory burst function of innate immune cells in type 2 diabetes mellitus patients? Antioxidants & Redox Signaling 22(4):339-345, 2015
5) May Dietary Supplementation Augment Respiratory Burst in Wound-Site Inflammatory Cells? Antioxidants & Redox Signaling 2018 Feb 10;28(5):401-405.
情報提供元: @Press