マッチラベルいろいろ


江戸時代の着火具


からくりの着火具


ブック型銅製マッチケース イギリス(1902年)

たばこと塩の博物館では、2019年5月25日(土)から7月7日(日)まで、「マッチ ~魔法の着火具・モダンなラベル~」展を開催します。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/183355/LL_img_183355_1.jpg

マッチラベルいろいろ



マッチは、簡単に火を点けられる画期的な道具としてヨーロッパで誕生し、19世紀半ばから世界に広がりました。マッチの誕生により、炭火などで火を長持ちさせる必要がなくなったことで、喫煙具のしつらえなど、たばこ文化にも影響を与えました。一方、日本ではマッチ産業の育成がはかられ、1890~1910年代には世界屈指の輸出量を誇るマッチ大国となりました。当時の輸出用マッチラベルには、西洋のラベルを模倣しつつ、日本の伝統意匠や輸出先の好みを取り入れた、独特なデザインを見ることができます。さらに1920年代以降は飲食店などのノベルティとしても活用され、ラベル収集の趣味も広まりました。

本展は、「マッチ登場」「国産マッチのあゆみ」「マッチラベルの世界」の3つのコーナーで構成し、約500点の資料を展示します。マッチ以前の着火具と合わせ、マッチ登場以降の歴史を紹介する一方で、百花繚乱ともいえる様々なラベルを展示し、そのデザインの魅力をお伝えします。



Photo.01 マッチラベルいろいろ

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■開催概要

名称 : 「マッチ ~魔法の着火具・モダンなラベル~」

ヨミ : マッチ マホウノチャッカグ・モダンナラベル

会期 : 2019年5月25日(土)~7月7日(日)

主催 :たばこと塩の博物館

会場 : たばこと塩の博物館 2階特別展示室

所在地 : 東京都墨田区横川 1-16-3(とうきょうスカイツリー駅から徒歩8分)

電話 : 03-3622-8801

FAX : 03-3622-8807

URL : https://www.jti.co.jp/Culture/museum/

入館料 : 大人・大学生:100円(50円)/満65歳以上の方(要証明書):50円(20円)

小・中・高校生:50円(20円) ※( )内は20名以上の団体料金

開館時間: 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)

休館日 : 月曜日





■展示の構成と作品紹介

<マッチ登場>

江戸時代の日本では、火打ち石や火打ち金、火口(ほくち)といった道具を使って種火を作っていました。火を起こすのには手間がかかるため、一度作った種火は火入れなどの道具で保ちました。19世紀になり、ヨーロッパでマッチが発明されると、簡単に着火できる道具として世界中に広まっていきました。日本にマッチが伝わった時期ははっきりしませんが、1860年ごろの浮世絵にはマッチで火を起こしてたばこを吸う姿が描かれています。手軽に火を起こせるマッチの普及は人々のくらしを大きく変え、たばこ文化もまた、マッチによる着火を前提にしたものへと変わっていきました。

このコーナーでは、着火方法や喫煙文化の変遷を、さまざまな着火具・喫煙具や浮世絵でたどります。



Photo.02 江戸時代の着火具

左上:火打ち石と火打ち金(叩いて火花を出す)

左下:火口(火花から種火を起こす)

右:火入れ(種火を炭に移して保つ)

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Photo.03 からくりの着火具

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江戸後期に発明された火打ち石、火打ち金、火口の役割をひとつで担えるライターのような着火具。



Photo.04 ブック型銅製マッチケース イギリス(1902年)

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Photo.05 犬レリーフ入り金属製マッチケース アメリカ(1940年)

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マッチを携帯するためのケース。マッチ本体だけを移し替えるタイプと、マッチ箱自体を保護するタイプがあります。



Photo.06 アメリカ人遊里屋図 歌川芳豊(1860年)

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開港後の外国人風俗が描かれた浮世絵。パイプで喫煙する姿とともにマッチが描かれています。



Photo.07 マッチスタンド付き灰皿 日本

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上部にマッチ箱を挟んで用います。



<国産マッチのあゆみ>

国内でのマッチ製造は、山林の豊かな日本に有望な産業としてマッチ産業に目をつけ、外国で製法を習得した清水誠によって、明治初期に始められました。その後マッチ製造会社は増え、明治の終わりには世界屈指の輸出量を誇るようになりました。

このコーナーでは、国産マッチ製造に尽力した人物や、国産マッチの製造工程を、工場写真帳などの書籍や写真で紹介します。



Photo.08 第二回内国勧業博覧会で有功一等賞・進歩一等賞を受賞したことを記した、清水誠の工場・新燧社のマッチラベル(1880年代)

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Photo.09 工場でマッチの箱詰めをしている様子 東洋燐寸株式会社の写真帳より(1910~1920年代)

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<マッチラベルの世界>

マッチラベルでは、動植物、人物、幻獣や神仏、風景、日用品…ありとあらゆるものがモチーフとなっています。

このコーナーでは、ラベルに載せられた情報の持つ意味、印刷技術を解説しながら、百花繚乱ともいえる魅力的なデザインの数々を、国内販売用や輸出用、広告用などのカテゴリーに分けて多数紹介します。



Photo.10 〔国内販売用〕のマッチラベル(金太郎と鯉)

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金太郎、天狗、弁慶、旭日など、日本で親しまれていた図案が多く使われています。



Photo.11 〔時局物〕のマッチラベル(乃木希典)

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戦意高揚や祝勝といった時代の空気を反映し、乃木希典の肖像や日英同盟を記念した図柄が用いられました。



Photo.12 〔輸出用〕のマッチラベル(中国の聖獣・白沢)

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輸出先の好みに日本的な要素が加わって、独特なデザインが生まれました。特に、主な輸出先だった中国に向けた意匠には、吉祥図案が多用されました。



Photo.13 〔明治民営期〕のマッチラベル(村井兄弟商会のピーコック)

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明治民営期のたばこ商が広告のために作ったマッチは、一色刷りの素朴なものが多かった当時の広告用マッチの中で際立って美しいものでした。



Photo.14 〔専売時代のたばこマッチ〕のラベル

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昭和初期、専売局が積極的にたばこの販促を行うようになると、様々な図案の販促用マッチが多数作られました。



Photo.15 〔インド向け〕のマッチラベル(ヒンドゥー教の神・クリシュナ)

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明治中頃に日本郵船のインドへの航路が開通したことでマッチの輸出も拡大しました。インド向けのラベルでは、ヒンドゥー教の神話を題材にしたものやガンジーなどが図柄になりました。



Photo.16 〔中華民国成立を祝う〕マッチラベル

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辛亥革命で用いられた十八星旗が掲げられています。



Photo.17 〔収集家の作った〕マッチラベル

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明治後期からマッチラベルの貼込帳の披露やラベルの交換を行う同好会が開かれるようになりましたが、時代が進み自らラベルを作る収集家も現れました。



Photo.18 〔広告用〕のマッチラベル

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大正~昭和戦前期には、広告用マッチが活況を呈しました。カフェーやダンスホールなど、様々な業種のラベルを見ることができます。





■展示関連イベント

【展示関連講演会】

定員:90名 当日先着整理券制

会場:3階視聴覚ホール



<2019年6月22日(土)>

「日本のマッチ産業144年の歴史」

講師:松本和久(一般社団法人日本燐寸工業会)



<2019年6月30日(日)>

「中国庶民の吉祥画~マッチ図案の一源流~」

講師:三山陵(中国民間美術研究家〈学術博士〉・日中藝術研究会事務局長)



【展示解説】

定員:40名 当日先着整理券制

会場:1階ワークショップルーム

2019年5月26日(日)、6月9日(日)

*担当学芸員が展示の見どころを解説します。



※展示関連講演会と展示解説は、いずれも午後2時から開催。

※参加には入館料が必要です。

※当日開館時より整理券を1名につき2枚まで配布します(配布時に人数分の入館料をいただきます)。



【ワークショップイベント】

「オリジナル・マッチボックスを作ろう」

塗り絵やコラージュで白無地のマッチボックスを飾って、オリジナル・マッチボックスを作ります。子どもから大人までお楽しみいただけるワークショップです(ただし、未就学児は保護者の方同伴でご参加ください)。



日時:2019年6月1日(土)、6月16日(日) 午後2時~5時(午後4時30分受付締切)

時間内は随時参加できます(ただし、参加は1人1回、

混雑時はお待ちいただきます)。所要時間は15~30分です。

会場:1階ワークショップルーム



※ワークショップに必要な材料は用意してあります。

※作ったマッチボックス(マッチ本体は入っていません)はお持ち帰りいただけます。

※参加には入館料が必要です。

情報提供元: @Press