Embarcadero C++ Compilerは、前身のボーランド時代から無料でダウンロード提供してきたWin32アプリ開発向けのコンパイラで、日本国内では月間1,000回以上ダウンロードされています。今回の新バージョンでは、従来のコンパイラと互換性を持つ「bcc32c」に加えて、Clangコマンドライン・インターフェイスに対応したコンパイラ「bcc32x」を提供しています。Clangは、C/C++コンパイラ向けの共通フロントエンドで、Objective-C、FreeBSD、Android NDKなどでも採用されています。共通のコンパイラ・フロントエンドを利用できるようになったことで、CMakeのような人気のあるビルドツールなどを用いた開発でEmbarcadero C++ Compilerを利用できるようになります。
■Embarcadero C++ Compilerの主な機能
~Win32向けClang拡張コンパイラ~
・bcc32c(従来のbcc32コンパイラと同様のコマンドライン・インターフェイスを持つ
後方互換性を維持したバージョン)
・bcc32x:(Clangコマンドライン・インターフェイスを持つ新しいバージョン)
※新機能
・Dinkumware 標準ライブラリ(STL)
・ランタイムライブラリ
・tlibなどさまざまなコマンドラインツール
このEmbarcadero C++ Compilerは、実績あるビジュアルC++開発環境「C++Builder」の最新リリース「10.2.3 Tokyo」のコアテクノロジーとしても利用されています。C++Builderは、ビジュアル開発の生産性とC++のパワーを両立したクロスプラットフォーム開発です。単一のコードベースからWindows 10、Mac、モバイル向け開発をサポートし、クラウド、データベース、IoTデバイスに接続するマルチデバイスアプリケーションを構築できます。