水蒸気爆発対策


富士山噴火対策

 水処理装置および津波避難タワーを始め、各種災害対策施設・機器を開発・販売している環境・防災設備機器メーカーのフジワラ産業株式会社(本社:大阪市、代表取締役:藤原 充弘)は、火山活動の活発化が懸念されている近年、これまでの火山の調査研究予知が中心となりがちな言わば「守り」の火山対策から、火山そのものの噴火防止軽減を目指す「攻めの火山噴火防止防災学」を提案いたします。



 地球の陸面積のわずか0.25%しか占めない日本には、活火山の7%が集まっており世界有数の火山国であるといわれています。近年、日本列島では、御嶽山、箱根山、口永良部島など火山噴火が相次ぎ、火山活動に対する警戒感が高まっています。

 当社は予てより人工的に熱水だまりの水蒸気を抜くことにより、火山の大規模な水蒸気爆発を未然に防ぐ「FM式水蒸気圧抜き工法」の開発に取組んできました。火山活動の活発化が懸念されている中でその対策として、これまでの火山の調査研究予知が中心となりがちな言わば「守り」の火山対策から、火山そのものの噴火防止軽減を目指す「攻めの火山噴火防止防災学」が必要であると考えます。各分野の専門家、官公庁・民間企業の関係する方々のご理解とご支援を賜り、本工法の共同開発への参画をいただきますようご提案いたします。





■「FM式水蒸気圧抜き工法」とは

 当社が提案する「FM式水蒸気圧抜き工法」は、日本の火山噴火の多くが水蒸気爆発であることから、水蒸気爆発の可能性の高い御嶽山、箱根山、草津白根山など水蒸気爆発の可能性の高い火山にパイプを打込み内部を調査、分析するとともに、必要により水蒸気やガスを外に逃して圧力を下げ大規模な水蒸気爆発を防ごうとするものです。

 一般に水蒸気爆発は帯水層の位置を把握することが難しいと言われていますが、それぞれの火山に複数(3本程度)のパイプを打込むことによって、成功する確率を高めることが可能です。



 これまで、火山観測は、地震計、傾斜計、空振計、GNSS観測装置など外部からの測定装置によって行われてきました。近年、ミュー粒子を利用した測定方法が開発され、火山内部の状態が解明されつつあります。

 しかし、山体にパイプを打込み火山内部の状態を直接把握することのできる掘削式の観測は、平成6年から6年間にわたり雲仙岳で行われた「雲仙科学掘削プロジェクト」以来、本格的に行われてきませんでした。本「FM式水蒸気圧抜き工法」は、掘削したパイプの先端に測定機器を取付けることにより、直接火山の内部の状態を把握することも目的としており、火山内部の調査研究という面でも大きく貢献できるものと期待されます。





■将来はマグマ水蒸気爆発やマグマ爆発の噴火防止を目指して

 水蒸気爆発の原因となる帯水層は比較的山体の浅いところにありますが、マグマ爆発の原因となるマグマだまりは地下3kmから10km以上の深いところにあります。「FM式水蒸気圧抜き工法」により蓄積した火山掘削およびその周辺技術を利用して、次の目標としてマグマ水蒸気爆発、マグマ爆発の防止対策を目指し、最終的には富士山の噴火を防止することを視野に入れています。

 しかし、富士山のマグマだまりは地下20kmの深いところにあると言われ、マグマだまりまで直接パイプを打込むことは困難です。そのため、富士山の地下3~5kmのところまで打ち込んだパイプの先端で小規模な爆破をさせ、マグマだまりから上昇してきたマグマをいったん滞留させる空洞を作り、この空洞から数本のパイプでマグマを海洋に放出させる工法により、マグマを抑制する方法を考えています。



 富士山は宝永4年(1707年)の噴火以来、約300年の静穏状態が続いており、統計的にはいつ噴火がおきてもおかしくない時期に来ていると言われています。もし、富士山が噴火したときは、被害は首都圏まで深刻な影響をもたらし、被害額は最大2兆5千億円に上ると予測されています。我々は、何としても富士山をはじめとする噴火を防止軽減しなければなりません。





■「FM式水蒸気圧・マグマ圧抜き工法」の実用化に向けて

 本工法を実現するには、最高水準の掘削能力を持つ地球深部探査船「ちきゅう」や石油開発、地熱開発などの最先端の掘削技術を、より一層深化させるとともに、その周辺技術を開発するなど、多くの困難が予想されます。しかし、火山の噴火を防止軽減することは、火山国日本が最重要課題として挑戦して行かなければならないと考えます。



 治山治水を実践した江戸時代の陽明学者 熊沢 蕃山の説いた陽明学の命題である「知行合一」を、さらに一歩進め「行知合一」すなわち災害を防ぐためにまず行動を起こすことが必要です。本工法の実用化に向けて、有意ある方々のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。





【会社概要】

社名  : フジワラ産業株式会社

代表者 : 代表取締役 藤原 充弘

所在地 : 大阪市西区境川1丁目4-5

設立  : 1980年7月

資本金 : 3,000万円

従業員数: 38名

URL   : http://www.fj-i.co.jp/

Email  : info@fj-i.co.jp



<主要製品>

水処理装置 :モノレール式汚泥かき寄せ装置、

       「フジフロート」スカム除去装置、垂直起立式可動ゲート、他

防災設備機器:津波避難タワー「タスカルタワー」、

       地震対策家具(「安心防災ベッド枠」、

       「防災テーブル」)、災害救助用具セット、他





【本件に関するお問い合わせ先】

フジワラ産業株式会社 開発部事務局
情報提供元: @Press