【イスタンブール時事】トルコの裁判所は25日、エルドアン政権の転覆を図った罪に問われていた実業家のオスマン・カバラ被告(64)に対し、終身刑の判決を言い渡した。無罪を主張していたカバラ氏は4年半にわたってトルコ当局の拘束下にあり、これを人権弾圧と見なしてきた米欧各国の反発は必至だ。 カバラ氏は人権活動家としても知られる。検察側は裁判で、カバラ氏が2013年にイスタンブールなどで発生したエルドアン政権の退陣を求めるデモを資金面で支援したと指摘。裁判所はこの主張を受け入れた。カバラ氏側は上訴する見通し。 米欧は強権主義の傾向を強めるエルドアン政権への警戒を高めている。米国やドイツ、フランスなど10カ国の駐トルコ大使は昨年10月、トルコ当局に釈放を求める共同声明を発表。エルドアン大統領がこれに激怒し、10大使の国外追放を一時検討する事態を招いた。 カバラ氏は裁判で「外国のスパイ活動を行った罪」にも問われていたが、これについては証拠不十分で無罪となった。 【時事通信社】 〔写真説明〕トルコの実業家オスマン・カバラ氏(2021年10月にアナドル文化センター提供)(AFP時事)