カフェイン、クロロゲン酸類に次ぐコーヒー由来の健康成分として注目される「トリゴネリン」とは一体どんな働きをするものなのか、ご紹介します。
中高年世代の健康課題でもある代謝と脂肪細胞について解説
セミナーではまず、コーヒーの健康機能に詳しい医学博士である池谷医院 院長の池谷敏郎先生が、中高年世代が抱える体重・体型に関する健康課題から、“代謝”と“脂肪細胞”についての講演を行いました。
ミドル・シニア世代がスタイルを維持しづらくなる原因の一つである代謝は、基礎代謝と食事代謝を合わせた安静時エネルギー消費がおよそ70%を占めるのだとか。
安静時のエネルギー消費の大部分を占める基礎代謝は加齢とともに減少し、また11〜12月の冬が最も低い状態なんだそう。今の時期にいかに代謝を上げるかが太らないコツであるといいます。
代謝の鍵を握っているといわれる脂肪細胞には白色と褐色の2種類があり、食べても太りにくい人は褐色脂肪細胞が多いという特徴があるそう。
褐色脂肪細胞が少ない、すなわち太りやすい人は白色脂肪細胞が変化した「ベージュ脂肪細胞」を増やすことが太りにくくなる近道なのだとか。
ベージュ脂肪細胞は別名“やせ細胞”と呼ばれ、運動による刺激や、青魚などに多く含まれるDHAやEPAなどの食品による刺激で、白色から変化するといいます。
さらにコーヒーに含まれる「トリゴネリン」という成分が、白色細胞をベージュ化することがUCCの研究でわかってきているそうです。
UCCが調査したコーヒー由来の成分「トリゴネリン」の健康効果
UCCによると「トリゴネリン」は、BMIが高めの方の安静時のエネルギー消費の向上をサポートすることが分かったそうです。
トリゴネリンはスパイスカレーなどに使われる香辛料などにも含まれるそうですが、コーヒーに特に多く含まれています。
今回UCCは、BMIが23以上と高めの方に、トリゴネリンの有効成分量である150mgを8週間摂取してもらう調査を行いました。
その結果、安静時のエネルギー消費量が有意に高くなるとともに、褐色脂肪細胞の密度が有意に高くなる傾向も認められたそうです。
これはトリゴネリンによって白色脂肪細胞がベージュ化されたためと推定されるといいます。
トリゴネリンを美味しく飲めるバランスを試行錯誤
トリゴネリンは熱に弱く、焙煎するほど成分が少なくなってしまうため、美味しく摂取できる味の設計が難しくなる成分ということも研究で判明したそう。
UCCがこれまで培った焙煎技術とブレンド技術を生かし、トリゴネリンの有効成分量150mgの担保とおいしさのバランスを実現したコーヒーを試飲する時間もセミナーでは設けられました。
トリゴネリンに関する膨大なデータを集め、試作は30種類にものぼり、およそ1年間の味の調整によって誕生したコーヒーは、サラッとした飲み口ながら、深みも感じられる仕上がりになっていました。
今後も研究や開発が進み、身近な成分になる可能性があるコーヒーの健康成分トリゴネリン。
スタイルの維持や改善を課題としている人は、ぜひ注目してみてください。 情報提供元: WomanSmartLife