新型コロナウイルスの感染拡大によって私たちの生活様式は大きく変化しましたが、それに伴い、疲労の内容も変化してきています。

コロナ禍でどんな疲労が増えてきているのか、また疲労が発生するメカニズムや効率的な回復方法まで、疲労専門クリニック「ナカトミファティーグケアクリニック」院長の中富康仁先生にお聞きしました。

コロナ禍での疲労の変化
「患者さんの疲労に関するお悩みは、コロナによって変化している」と、中富先生。
ステイホームで家族が家にいる時間が増え、「家事が大変になった」という人や、テレワークによって同じ姿勢でのデスクワークが増え、「肩こりや腰痛がひどくなった」という人が多数。

またオンラインのつながりがメインになったことで、「コミュニケーションがとりづらくなった」「自分の時間が持てなくなった」という人も増え、体だけではなく心の疲労も増えてきているといいます。

疲労が起こるメカニズム
疲労は「痛み」「発熱」に並ぶ三大生体アラームのひとつで、体が危険信号を出している状態。
しかし痛みや発熱とは違い、わかりづらいため注意が必要だそう。
疲労の蓄積によって引き起こされる病気もあり、変だと思ったら医療機関を受診することが大切です。

また、疲労は体へのダメージと回復力のバランスが崩れることで発生するといいます。
ダメージが溜まり、回復力が低下すると疲労になるというメカニズムです。
さらに、疲労の原因とされているのが、体のエネルギーを作る過程で発生する活性酸素だといわれています。

疲労を回復するために行いたいこと
疲労を回復するためには活性酸素による酸化ストレス(ダメージ)と、抗酸化物質による抗酸化力(回復力)のバランスをとることが必要となるそう。
そのためにはエネルギーの産生と、抗酸化が重要だといいます。
これには疲れをとるのではなく、溜めずにこまめに回復させることが鍵となります。
具体的な行動として、まず最も大切なのが、質の良い睡眠。
次いで疲れを感じる前にこまめに休憩をとること、カフェインを常用しないこと、偏りのない食事をとること。
さらにはサプリメントを摂取することも手軽でオススメだとか。

還元型コエンザイムQ10は疲労回復の救世主
中富先生のクリニックでは、疲労でお悩みの患者さんにサプリメントの「還元型コエンザイムQ10」を処方しているそうです。
コエンザイムQ10は、体内でエネルギーを生産するミトコンドリアに作用し、エネルギーの生産を促進。
抗酸化力が高く、活性酸素の消去も担当してくれる、効率的な疲労回復物質です。

食品では肉類や魚類に多く含まれているとされ、体内にも存在しますが、特に40代以降、加齢とともに減少してしまうので食事の他にサプリメントとして摂取することが望ましいそうです。

また、コエンザイムQ10には酸化型と還元型がありますが、酸化型は体内で還元型への変換が必要だそう。
その変換力は加齢によって低下するため、還元型コエンザイムQ10のほうが効率が良いそうです。

コロナ禍で行動が制限され、人とのコミュニケーションも減ることで気分が落ち込んだり、イライラしてしまったり、肌荒れに悩まされたり…。
このような現象の原因には、疲労が隠れている場合も。
心と体、美容の大敵でもある疲労に早めに気付き、蓄積される前に地道に対処していくことが何よりも大切です。
情報提供元: WomanSmartLife
記事名:「 コロナ禍で疲労の種類が変化!疲労のメカニズムと効率的な回復法