痛みや不調など、毎月多くの女性が悩まされている月経。病気ではないからという理由で周囲にも相談できず、ひたすら我慢しているという方も多いのではないでしょうか。

バイエル薬品株式会社が「月経による現代女性の健康問題と就労への影響」をテーマにプレスセミナーを実施しました。

個人だけではなく、社会への影響も大きい月経困難症
セミナーでは日本人月経困難症患者を対象に実施された月経随伴症状、健康関連QOL、労働生産性に関する観察研究結果が発表されました。
月経困難症の症状が多岐にわたり、女性の心身に大きな影響を及ぼすことが示されました。

また、「日本では約900万人の月経困難症の患者さんがいると推計されています(※1)」とプレスセミナーで話されたのは、論文の筆頭著者である山梨大学医学部産婦人科准教授 吉野修医師。

これだけ多くの人が悩んでいながら、日本は欧米諸国の女性よりも適切に婦人科を受診して治療を受けている女性が少ないのが現状だと言います。

そして、このような状況について、吉野医師は「女性自身のQOL低下のみならず、労働生産性の低下に伴う経済的損失にもつながり社会的な問題となっている」と警鐘を鳴らしました。

人間関係や社会生活に困難をもたらす、現代の月経事情
月経困難症や子宮内膜症のリスクが増えた背景として、大きく関係しているのが「女性のライフサイクルの変化」です。

昔と比べると、初経が早い一方で閉経は遅くなっており月経期間が長くなっています。また、現代女性は出産や授乳期が減少しているため、昔は約50回だった月経が約450回とおよそ9倍にまで増えているのです。

月経の時間と回数が増えるということは、必然的に月経困難症や子宮内膜症になるリスクも上がるということですよね。

では、実際に月経困難症や子宮内膜症で悩んでいる人は、どんなことで困っているのでしょうか?

吉野医師が示した調査によると、異性との関係や社会生活に悪影響があると感じている女性が多いそう。
また、年齢によっても生活に与える影響は変化するそうで、具体的にはこのような問題を抱えていると言います。

<月経困難症や子宮内膜症における年齢別問題>
●16〜24歳/学業における問題
2/3の患者が子宮内膜症に伴う疼痛により、通学や勉強に集中することが困難であると訴えている。

●25〜34歳/就労における問題
欠勤や就労時間の短縮、希望の職業からの離職を余儀なくされる事例あり。子宮内膜症患者では、希望の職業に就くことができなかった割合が、一般女性に比して1.8倍高いというデータも。

●35歳〜/金銭面における問題
治療にかかる医療費の負担や、疼痛に伴う収入減。日本のデータを用いた研究では、月経困難症・子宮内膜症による生産性損失は一人当たり年間約36万円と言われている。

QOLや労働生産性に嬉しい変化をもたらす、LEP製剤
では、女性はただ我慢するしか方法がないのかというと、そうではありません。月経困難症には、治療剤として低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP:Low dose estrogen-progestin)が推奨されています。

通称LEP製剤と呼ばれるこの薬には、子宮内膜の増殖を抑制し、痛み物質(プロスタグランジン)の産生を減らす作用があるのです。

この効果をより裏付けるべく、吉野医師を筆頭に行われたというのが観察研究。月経随伴症状、健康関連QOL(※2)、労働生産性について調査が行われました。

その結果、日本人女性において、月経困難症は健康関連QOLおよび労働生産性のスコアと関連していることがわかりました。
実臨床において月経困難症状の身体的・精神的側面の改善によるQOL、労働生産性への影響が期待できます。

本研究に関する詳細については、下記の科学雑誌Advances in Therapyオンライン版よりご覧いただけます。効能・効果の詳細は各LEP製剤添付文書をご参照ください。

本研究によって「LEP製剤と労働生産性に関する新たなエビデンスが得られたことは、月経困難症の治療法の選択や意思決定をする際に有益な情報データとなる可能性があります」と語る、吉野医師。
「今回のデータを広く伝えることで、多くの女性に適切な治療を受けていただく一助となることを願っています」と締め括りました。

【参考】
※バイエル薬品株式会社
https://www.pharma.bayer.jp/ja/

※Advances in Therapyオンライン版
https://link.springer.com/article/10.1007/s12325-022-02118-0

(※1)日エンドメトリオーシス会誌. 2013;34:52
(※2)健康関連QOL(Health-related Quality of Life;HR-QoL):健康が日常生活機能に与える影響や、本人が感じる健康度を定量化したもの
情報提供元: WomanSmartLife
記事名:「 月経に悩む多くの女性に知ってほしい!バイエル薬品が示すLEP治療の可能性