今世界的に海洋汚染が深刻となっており、「2050年には海洋プラスチックごみの総重量が魚の総重量を超える」と予測されています。
この問題を受けてP&Gでは、日本国内の海岸で回収されたプラスチックごみを再生し、ボトルの原料として活用した『JOY Ocean Plastic』を台所用洗剤ブランド「ジョイ」から11月上旬より新発売。11月6日には製品発表会が都内で行われ、海洋プラスチックごみ問題の現状と再生ボトルのリサイクルプロセスが紹介されました。
プラスチックに依存している日本
私たちの日々の暮らしになくてはならない存在となっているプラスチック。利便性の恩恵を受けている一方で、本来は自然環境に残っていてはいけないはずのプラスチックがごみとして正しく処理されず、排出されていることが大きな問題となっています。
世界の海洋には毎年800万トンを超えるプラスチックが流出しており、このまま流出を放置してしまうと2050年には海洋プラスチックごみの総重量が魚の総重量を超えるとの衝撃的な予測も発表されています。
海洋プラスチックごみの多くはアジアを発生源としているといわれており、日本のプラスチック消費量は2009年からの8年間で約20%も増加。プラスチックに依存してきた国として、この問題にどのように取り組んでいくか対策が求められています。
地球のことを考えた海洋プラスチック再生ボトル発売!
P&Gは、日用品業界で日本初の海洋プラスチックリサイクル製品『JOY Ocean Plastic』を発売。台所用洗剤のボトルとしての耐久性を担保できる最大量である約25%に、日本の海岸で回収したプラスチックを使用しています。
同社はこれにより、一つの国に対する海洋プラスチック再生製品の生産量として世界最大規模の55万本を実現しました。
また多くの方に海洋プラスチック問題を知っていただくきっかけにしたいとの思いから、回収からリサイクルまでの全工程を日本国内で実施。発表会では再利用のプロセスも紹介されました。
全ての工程が日本国内で完結!『JOY Ocean Plastic』ができるまで
ボトルの原料として使用したプラスチックごみは、廃棄物問題に革新的な解決策を生み出す環境ソーシャルベンチャーである「テラサイクル合同会社」の協力の元、ボランティアの方々によって回収。約20万本、重量にして約6トンのペットボトルが回収されました。
工場に集められたペットボトルは、ラベルなど再利用できるものとできないものに分別。細かく粉砕してフレークを作成し、洗浄したのちに熱で溶かしてプラスチック製品の原材料となるペレットを成形します。
続いてペレットを熱で溶かし、ボトルの元となる試験管のような形に成型。焦げや異物がないかを検査したのち、高圧エアーで再び成型します。最後にボトルに洗剤を注入すれば、『JOY Ocean Plastic』の完成です。
通常のボトルよりも手間とコストがかかりますが、『JOY Ocean Plastic』には多くの人に海洋プラスチックごみ問題について考えていただきたいというP&Gの熱い想いが込められています。
消費者として、食器洗剤という身近なものでサスティナブルな取り組みに参加できるチャンス。環境問題への前向きな一歩として、ぜひ一度手にとってみてください。
ほんのわずかな一歩でも、広がれば大きな一歩になることは間違いありません。
情報提供元: WomanSmartLife