- 週間ランキング
家族や友人に「私ってどんな人?」と聞くとまず最初に言われるのが「落ち込み知らず」。
自他ともに認める悩むことが全くない性格でとにかく好奇心旺盛、やってみないと気が済まないんですね。
これは子ども時代から今に至るまで変わらないです。
「これをやる!」と決めたらとことん突き進むタイプです。中学時代はソフトボール部に打ち込み、真っ黒に日焼けしていました。高校時代は体育祭や文化祭を全力で楽しむ一方、受験モードに入ると1年間志望大学を目指して食事の時間も惜しんで勉強した記憶があります。
この頃に、自分が決めた目標をひとつひとつ達成することの喜びを覚えたように思います。
はい、友人と過ごす時間が何より楽しく、部活に勉強に頑張る一般的な学生だったと思うのですが、中学生の時に私の人生観をがらりと変えた大きな出来事があったのです。
中学3年生の時、高校受験の合格発表を受け、嬉しくて意気揚々と自転車を猛スピードで漕いでところ、なんと交通事故に遭ってしまったんですね。
それも、自転車と軽トラックがぶつかり、コンマ1秒ずれていたら助からなかったような紙一重の事故で。
あの時の感覚は不思議なくらい今でもはっきりと覚えているんです。一瞬、時が全て止まり、時空を超えた空間に放り出されたような感覚でした。それまでに経験したことがないくらいに冷静で穏やかで、時の流れが本当にゆっくりに感じて。
幸い一命を取り留めたのですが、「死は誰の元にもある日突然、今この瞬間にも訪れるものなんだ。」と心の底から実感した出来事になりました。
今までは、今日も明日も生きているのが当たり前と思っていましたが、実は全くそうではなくて、むしろこうして毎日元気に生きていることの方が奇跡だったんだということを、リアルに感じてしまったんですね。
この事故をきっかけに、「人生は一度きり、そしていつ終えるかも分からないし、やりたいこと全部やろう!」という生き方になったように思います。「漠然と生きる」ということがもったいないと感じてしまって。
それからというもの、目標を立てては、「これを達成した!」「これだけ成長した!」と実感出来ることに喜びを見出しています。
はい。海外で生まれ育った母の影響もあり、語学に興味があって大学は英文科に進学しました。
英語自体ももちろん興味があったのですが、より多くのことに挑戦したくて、学生時代に英語とフランス語両方学んでしまおう!とカナダのケベック(フランス語圏)に留学をしたんです。帰国後はフランス語圏の友人も増え、それ以来「フランスに住む!」という新たな目標が出来ました。
大学卒業後は「パリコレ」にも出るような日本のデザイナーの服飾系企業に就職しました。
希望していた業界での仕事は楽しくやりがいも感じていました。しかし、想像と違ったのが「労働環境」。今の時代では考えられませんが、月曜から土曜の週6日出勤するのは当たり前。深夜まで働き終電やタクシーで帰宅する日々でした。
この会社にいれば将来的には仕事でフランスに行ける機会もあったとは思うのですが、寝る暇もない毎日に、気づけば心身ともに限界状態でした。これでは身体がいくつあっても足りないと思い、退職して自分で行くことにシフトチェンジしました。
家族や友人は、「どこを目指しているの?」といった感じでした。笑
しかし、私の性格上、人に何を言われても自分が納得出来ていないといけないんです。自分で納得しながら前に進むということが軸なので、最終的には理解し応援してくれました。
人生は一度きりです。「こうあるべき」「普通こうだろう」という固定観念にとらわれたり、年齢や性別を気にしたりということは、全くありませんでしたね。
はじめに、ニース(南フランス)にある現地の大学に入学し、コミュニケーション学を勉強しました。
南フランスは香水の産地として世界的にも有名なのですが、大学卒業後は香水関係の現地企業の工場で、見学ツアーガイドとして働いていましたよ。世界各国の方が参加されるツアーで、色々な人との出会いもありとても充実した日々でした。
また、とにかく好奇心旺盛で「色々な国の人と仲良くなりたい!」という気持ちから、英語やフランス語に加えてほかのヨーロッパの言語にも興味がどんどん湧いてきましたね。イタリア語やスペイン語なども勉強しました。
分かりやすく日々成長出来ているという実感を得たかったというのもあるかと思いますが、何かを習得することによってどんどん世界が広がる、というのはとても楽しかったです。
ずっとしてみたかった「フランス生活」を実現出来てとても幸せでワクワクした毎日を過ごしていました。
はい、お話した通りフランスでの生活はまさに「描いていた願いが実現した!」というところでした。しかし、逆を言えば「フランスで生活をする」ということがゴールとなっていて、いざ叶ったら、「夢のその先」まで描けていなかったことに気づいたんですね。大事なのは、「どこで生きるか」ではなく「どう生きるか」「何をやりがいとして生きるか」なんだと。やりたかったことを一つひとつ成し遂げていって、ようやく人生の意味がほんの少しずつ見えてきたといったところでしょうか。
私自身30歳手前になっていて、「このままここにいていいのかな」「自分が今後の人生をかけてやりたいことって何だろう」と考えるようになりました。
そうすると、大学時代から感じていたふとした疑問にたどり着きました。それは、「幸せってなんだろう」ということです。
大学時代に、環境の変化やひとり暮らしを始めたことによる食生活の変化のためか、落ち込みがちな友達、普段は明るいのにふとした時に暗くなってしまう友達に複数出会ったのです。私に相談してくれて少し元気を取り戻してくれたのはとても嬉しかったのですが、時間が経つとまた落ち込み気味になってしまったりして。
私なりにどうしてだろうと考えた時に、「持っているもの」は私と何ら変わらなかったんですよね。愛情溢れる家族も友人もいて、経済的に大きな不安もなく。
もともとの性格のこともあるとは思いますが、毎日明るく元気に過ごせる人と、悩みがちな人を分けるものはなんだろう、自分だけではなく周囲の人も幸せに過ごせることをサポート出来るような仕事ってなんだろう、そう考えた時に、一度日本に帰国して仕切り直そうという想いに至りました。
はい。でもとりあえずは仕事を!ということで、得意な語学を活かせる会社に入りました。仕事をしながら今後のことについて考えようと。正直、その会社にずっといようという気持ちは全くなく、片手間で働いていたんですね。
そうしたら、「中途半端なことは嫌い」「目標を持って過ごしたい」という性格が祟ったのでしょうか。自分でも気づかないうちにストレスも蓄積されており、気づけば大病を患っていたんです。
今までめったに風邪も引かなかった私が約1ヶ月の入院生活。中学生の時の交通事故の時に「人間はいとも簡単に死んでしまう。生きていることが当たり前ではない。」と実感したはずなのに、人間って本当に忘れっぽい生き物ですね。笑
改めて、身体は毎日の心の健康や食生活などの些細なことの積み重ねで正常に動いていることを思い知らされました。逆に言うと、そのどれかを蔑ろにするといとも簡単にバランスを崩してしまうんですね、私たち人間は。
本当にそうなんです。自分でも「あぁ、また忘れてしまっていたなんて」と反省しました。笑
一体何度気づきを与えてあげたらこの子は分かるんだろうか、と神様は嘆いていることでしょう。笑
病後は、より一層健康への関心が高まり、アロマテラピーや漢方など身体にいいと言われるものは片っ端から試してみたりしたのですが、その中で「アーユルヴェーダ」の存在とそれがインド発祥であることを知ったんです。
それで、私の中で点と点が一気に繋がって。
まず、「インド」については、小学生の時に理科の先生が1時間だけ特別に「インド旅行話」をしてくれたことがあったんです。私にとってはどれも衝撃的で興味深い話ばかりで、それが小学校の授業の中で一番楽しかったくらい印象に残っていたんですね。その時以来、漠然としたインドへの好奇心と情熱が生まれました。笑
また、「心身ともに健康に過ごす」「自分だけではなく関わった人たちも幸せにしたい」といった漠然とした想いが「インドでアーユルヴェーダを学ぶ!」という具体的な目標に一気に変わりました。
「インドに、呼ばれた!」と直感しました。
もう、なんの迷いもない!と会社も辞めてインドに向かいました。
31歳くらいのことです。(先に話した通り、「年齢」のことはあまり考えません。笑)
https://www.veltra.com/jp/yokka/article/yoga-santosh-2/?sid=1554
余暇プランナー
気軽に始められる趣味さがしや休日の過ごし方など、余暇の時間を充実させる情報を発信する体験発信メディア「YOKKA」の編集部です。新たな挑戦のスタートをそっと後押しし、日々の暮らしを豊かにするアイデアをお届けします。
ヨガ&アーユルヴェーダサントーシャ主宰 中里奈緒子氏に聴く、幸せの本質とその見つけ方(前編)