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岩殿山は、 長野県東筑摩郡筑北村坂北 にある山です。山麓にある 「岩殿寺(がんでんじ) 」と関わりが深く、天台宗修験道場の地として栄え、崇められてきました。
標高は 1,008m で、 南北に尾根を延ばした山容 です。低山でありながら 深い谷、険しい岩場 が特徴。地質は 砂岩 (砂が固結してできた岩石)、 礫岩 (小石が固結してできた岩石)からなり、 侵食による奇岩の幻想的な姿 が楽しめます。
舒明天皇(じょめいてんのう・在位629年~641年)の時代に学問行者が修験道場として開基(寺院・宗派を創立)し、栄えました。山麓の岩殿寺から稜線まで続く登山道には、修行道として 多くの行場や寺堂跡、学問行者の墓 が残っています。
三角点の置かれた1,008m地点が「山頂」ですが、山頂付近の稜線が険しい岩場のため、 ゴールを「三所権現を祀った奥の院」「奥の院の裏の稜線(見晴らし台)」などと自分の体力と技術に合わせて決める登山者も多い ようです。登山上級者は三角点のある山頂まで、中級者・初級者は奥の院付近まで、などと 自分の好きな楽しみ方 で登ってください♪
ちなみに地元の方は「奥の院」を「岩殿山」と呼びます。岩殿寺に置かれた岩殿山の登山案内図も「奥の院(三所権現)」までの案内となっています。 山としてのピークと信仰としてのピークは違う ようですね。
※登山初心者・お子様(小学生低学年以下)には岩殿山登山はおすすめしません。
山頂からの展望はありませんが、 主尾根からは美しい北アルプス が望めます。また、 筑北村の田園と里山の風景 も魅力的で、特に夏は 「森林の国・日本」 ならではの 深い緑 が味わえます。ひとつ深呼吸をすれば心がすべて洗われていくようです。
※日本の森林率(国土面積に占める森林の割合)は67%で、世界3位です。(参考: 農林水産省 )
登山口から奥の院までのコース をご紹介します。(※山頂までではありません)
多くの寺堂跡を巡るので、 見所がたっぷり ! 一番人気 のコースです。
岩殿寺コースよりも ややなだらか 。互いの登山口が割と近いので、岩殿寺コースと別所公民館コースを使っての縦走も可能です。
途中で別所公民館コースに合流します。
生坂村から入山するこのコースは、 奥の院に行くまでに山頂の三角点を通過 します。体力、技術に自信がある方が利用してください。またこの登山道はあまり使われていないので、 ルートファインディング能力が必要 な場合もあります。
岩殿寺コースを使い、奥の院の裏の稜線(見晴らし台) まで登ってきました!
岩殿寺の駐車場は広く、トイレもお借りできます。 お寺さんのご厚意で利用ができるので、利用する際は靴の泥を払い綺麗に使うなどマナーを守りましょう。
また、岩殿寺の寺院門もぜひチェックしてください。 茅葺の四脚門 が可愛らしいんです♪
本来は岩殿寺に車を停めようと思っていたのですが、 筑北村公式ウェブサイトの岩殿山トレッキングマップ に「林道終点の登山口付近に数台駐車可」とあったので、試しに林道を車で行ってみることにしました。
しかしこれが間違い…。確かに車で入ることはできるのですが、落石等で道が荒れており、またすれ違いが難しいほどの狭さ。
というわけで、林道途中の駐車できそうなスペースに車を停め、そこから歩くことにしました。素直に岩殿寺さんにお世話になる方が賢明です。それに、 沢沿いの林道なので、歩いたほうが気持ち良い です!
こちらが林道の終点、登山口。確かに車が数台停められそうなスペースがあります。
岩殿寺から登山口までは約2km、ここから奥の院までは約1.5kmです。さあ、本格的な登山スタートです!
登山道は整備され、迷いやすい箇所にはピンクテープが巻かれています。 地図を見つつ、それらをしっかり確認しながら登りましょう。
しばらく片側急斜面の沢沿いを歩くと、 巨岩 や 奇岩 が姿を現します。 自然が織りなす造形美に感動しつつも圧倒 されます。
九頭龍社、雷神社(なる神様)、学問行者の墓、本堂跡(奥の院と山頂方面への分岐) と巡りながら登ります。見どころたくさんで本当に楽しい!
本堂跡の分岐から右に150mほど進むと 奥の院(三所権現) です。
風によって削られて形作られた蜂の巣状の洞窟はまさに荘厳。 あたりは厳粛な空気に包まれています。美しい岩肌を眺め、ぜで触れてください。
奥の院の右側から裏の稜線に出る ことができます。体力のある方はぜひ行ってください。険しい岩山なので、 三点支持 でしっかり登りましょう。
岩を登ると稜線に出ます。そして すぐそばの大きな岩山に登ると360度視界が開けます。 通称 「見晴らし台」 。ここが今回のゴールです。
北アルプスと筑北の山々 が見渡せ、眼下には のどかな田園風景 が広がります。岩山の上部は両側が切れ落ちているので注意して景色を楽しんでくださいね。
景色を十分楽しんだら、往路は同じ道をたどります。岩殿山は 下りこそ注意が必要 です。慎重に歩きましょう。
森林浴、山岳信仰の趣、岩登りのスリル、雄大な景色 が堪能でき、見どころたっぷりの山歩きを楽しめました!
里山とはいえ、 片面急斜面の沢沿い歩きや岩山歩きが続く ので しっかりした服装・装備が必要 です。
季節に応じて調整してください。
色々な楽しみ方ができる岩殿山。 歴史に興味のある方、信仰のある方、里山好きな方、ちょぴりスリルを味わいたい方、景色を堪能したい方。 岩殿山の懐の深さ をぜひ楽しんでください♪
余暇プランナー
元々都会育ちですが、登山にハマったのを機に長野県に移住しました。里山暮らしを家族4人で楽しんでます!登山やキャンプが趣味。テントを張って自然の中でダラダラするのが好きです。森の中で昼間から飲むお酒とか最高ですよね。旅も好きで、独身時代にはカナディアンロッキーをバンで寝泊りしながら、山を巡る旅をしたりしました。
【信州里山登山・岩殿山】奇岩の点在する修行道!美しい自然の造形に圧倒される<長野>