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冬でも葉を一斉に落とさない常緑性多年草カーネーション。花屋ではバラの次くらいに人気の花で、花束では欠かせない存在です。
現在では、世界で広く栽培されているカーネーションですが、原種は南ヨーロッパや地中海沿岸部に自生しているといわれ、寒さや乾燥にとても強い花ということがわかります。そのため、 高温多湿な環境に弱く、涼しい風が流れるような場所で育てるのが最適 です。
USDA zone とは
United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。 米国農務省 が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられるのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考: Japan Plant Hardiness Zone
ナデシコ科ナデシコ属に分類するカーネーションは、ナデシコとは違い無数の花びらがたくさん集まって咲きます。 開花期間は4月下旬〜11月中旬ごろまで四季なりに咲き、花を長く楽しめる魅力があります 。
母の日になれば切花だけでなく鉢物も出回り、開花期間も長いカーネーション。基本的には環境の良い場所で育てれば花はほぼ毎日のように咲き、追肥・摘芯・蕾(つぼみ)取りをすればたくさんの花を咲かせることも可能です。
母の日だけの消耗品として扱われやすいカーネーションですが、 常緑性なので1年を通して緑も楽しめ、花壇の寄せ植えにも向いています 。
鉢植えのカーネーションはそのまま放置していたり、管理の仕方が間違っていたりするとすぐに株が弱って枯れてしまいます。
枯れてしまう理由には、いくつかの要因がありますが、基本的には「蒸れ」が原因かもしれません。
母の日が終わって間もなく、日本では梅雨の時期が到来します。この梅雨の期間中は、カーネーションにとってとても過酷な環境です。できるだけ、 鉢の中や株の内側が熱くならないように管理してあげることがポイント です。
高温多湿な日でも風通しを良くしたり、水やりを控えたりするだけで株は枯れにくいです。花が咲き終わったら、株の内側を剪定(せんてい)し、多く出過ぎている茎(わき芽)を枝分かれした箇所や根本から切り落としましょう。
鉢の中・花壇の中共に土が湿った状態が長く続くと、カーネーションは根腐れを起こして枯れてしまうことがあります。梅雨の時期をはじめ、できるだけ土を乾燥気味にして水やりをしましょう。
カーネーションの茎がたくさん伸びていると株の中に湿気がこもり、多湿な環境になります。株の中が多湿な状態が長く続くと、ウイルスや細菌が繁殖しやすくなるため病気にかかることも。
菌による灰色かび病や立ち枯れ病を発症させやすいので、株の中の過湿には注意しましょう。気温が上昇すると高温多湿にもなりやすいので、風通しを良くします。
鉢植えで購入したカーネーションは、できるだけ株より一回り大きめの鉢・プランターに植え替えるか、庭に植え付けましょう。
高温多湿な環境が苦手なカーネーションは、できるだけ日当たりと風通しの良い場所に植え付けましょう。日当たりが良ければ次々と花が咲きやすく、毎月色の変化を楽しめます。
土が湿っていることで根腐れを起こしやすいカーネーションは、排水性・通気性の良い土で育てます。 赤玉土、または鹿沼土の中粒を掘り起こした土とよく混ぜてから植え付けましょう 。このとき元肥として緩効性化成肥料を一握りほど入れておきます。
春・秋は2週間に1〜2回のペースで、夏は3〜5日に1回のペースで、冬は2〜3週間に1回のペースで水を与えます。また、冬はできるだけ乾燥させると樹液が濃くなり、寒さに耐えられるようになります。
カーネーションの肥料は、リン酸が多めに入った緩行性化成肥料を使うのがおすすめです。生長期の5〜10月ごろの間に2ヶ月ほどのペースで肥料を与えると、生長が良好で花付きが良くなります。
葉がたくさん伸びて、こんもりとした姿になっている場合は、株の内側の茎を間引きます。枝分かれした箇所・根元から剪定し、株をすっきりとさせることがポイントです。
梅雨の時期に入る前に、茎をわき芽が出ているところまで刈り込んでおくと作業が楽です。
季節ごとにたくさんの花が咲くカーネーションは、蕾が付いても必ず花が咲くとは限りません。花が咲かない蕾は、栄養が余分に消費されてしまうので、小さいうちに取り除きましょう。
蕾を指で触って中身が詰まって硬いものは花が咲き、ふかふかとやわらかいものは花が咲きません 。
また、小さな硬い蕾が多く付き過ぎている場合も、いくつか指で取り除くといいです。
生命力の強いカーネーションは、母の日が終わっても、しっかりとケアをすれば枯れることがあまりなく、長い間かわいい花を観賞できます。
梅雨の時期が、カーネーションにとってストレスとなる時期なので、母の日を過ぎたころの花が咲き終わったら、「蒸れ」を起こさないように管理をしてください。
水やり・肥料・剪定を定期的に行えば、毎年赤やピンクなどの花を咲かせてくれますよ!
余暇プランナー
建築・インテリア学科卒の元造園士・花屋のバイヤー。 東京で建築の仕事をした後、カナダのトロントで造園士を、その後カナダの最東端にあるハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭のWebコンテンツクリエイターを開始。 建築・造園・花屋の経験に加え、趣味の植物・コケの収集、アート作りを生かして、 みなさんに植物やガーデニングの魅力をお届けします!
【ガーデニング】カーネーションを庭で育てよう!母の日が終わった後でも枯らさないためのコツ