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レトロ感を味わう、お洒落で便利な野外調理器具といえば飯盒です。独特な形状の存在感は目を引くことができます。そのような飯盒は使い勝手や機能性には驚くべき特徴があります。ここでは起源とポイントについて見ていきましょう。
飯盒の起源は古く、 ヨーロッパ発祥の説が有力視され数百年以上前 にさかのぼります。軍事用具として兵士たちに食事を提供するために開発されました。当初はシンプルな金属製の容器で、この飯盒を使って野戦での食事を調理し、持ち運ぶことができました。
飯盒は容量が大きいため、大人数でのキャンプやイベントでも一度にたくさんのご飯を炊くことができます。手間をかけずに美味しいご飯を楽しむことができますね。 また日本では戦後の物資不足や便利さから一般家庭でも使用されていました。
飯盒は2層式になっていますので、例えば下でご飯を炊く、内蓋では野菜を温めることができ蒸し煮のようになります。さらにご飯が炊けた後の 上蓋はフライパン として使用できます。
飯盒は、耐久性や保温性を考慮して作られているため、一般的な調理器具よりも重くかさばります。時には長距離を移動するキャンパーやバックパッカーにとって、 大きな負担となることがあります。 また飯盒は、食材の焦げ付きや油汚れが付きやすいため、清掃が大変です。特に野外での調理後は、ススが付着しやすく完全な清潔さを保つことは難しいです。さらに熱伝導性が高いため、熱のムラが生じることがあります。これにより、食材の焦げ付きや調理時間の不均一化が起こることがあります。
自然の中で食事をするのにピッタリなのが飯盒の派生的存在のメスティンです。メスティンは現代のキャンプ料理の必需品として今や欠かせない存在です。その発祥とポイントについて、詳しくご紹介しますので、見ていきましょう。
メスティンは、 スウェーデン発祥のブランド・トランギア で90年以上の歴史を持ちます。メスティンは、アルミニウムやステンレス鋼などの軽量で丈夫な素材で作られています。軍用食器の一種で、第一次世界大戦から現在でも多くの軍隊で使用されています。
兵士が持ち運びやすく、耐久性があります。 メスティンは、 英語で「Mess」(軍隊での食事)と「tin」(ブリキ缶)という言語からできた造語です。
メスティンにもデメリットがあります。それは、メスティンの製造工程において、バリ(鋭利な突起)が残ってしまうことです。 特に安価なメスティンの場合バリ取りがされていません。 メスティンを扱う際にケガをする可能性がありますので、使用前には紙やすりでバリを取り除きます。
飯盒とメスティンのどちらを買えばいいのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか、 使い方の比較を見ていきましょう。
飯盒とメスティンでは基本的には炊き方が違います。飯盒は焚火の上でトライポッドを使用して上から吊るす方法と五徳や網の上に乗せて炊く方法があります。また、メスティンは五徳や網の上に乗せての使用のみで吊るすことはできません。ご飯を炊く量は飯盒は基本的には4合まで、メスティンは1.8合とラージメスティンは3.5合まで炊けますが、 飯盒での少量の炊飯方法は内蓋に30分〜1時間水に浸けたお米と180mlのお水で飯盒の底に水を入れると、蒸すような状態になるのでおいしく食べることができます。
煮る性能は料理次第です。カレーやシチューなどの長時間の煮込み料理は途中で水の付け足しが必要な場合があります。この場合には1度に水を多く入れられる飯盒が便利です。お湯を沸かしてカップに移す時は飯盒の特殊な形状なので移しにくいですが、 メスティンは四角い形状なのでお湯をつぎやすい です。またアヒージョでは飯盒の上蓋では問題ありませんでしたが、本体では底面が深いのでとても食べづらかったです。
焼く検証ではメスティンの方が使い勝手がいいです。飯盒の上蓋はフライパンの代用にもなりますのでほぼ互角では?と思われがちですが、 メスティンでは水を入れて蓋をする蒸し焼きが可能です。 飯盒の上蓋でもアルミホイルで蓋はできますが、密閉度の高さからメスティンの方が使い勝手がいいです。また玉子焼きでは、最後の丸める工程で飯盒では苦戦します。炒める作業では飯盒の上蓋では炒めにくいですが、メスティンでは楽に炒めることができます。
蒸す料理は飯盒とメスティンは同じでした。メスティンは注目を浴びているため、メッシュトレイが単品でも販売されています。一方の飯盒は購入時のセット内容でしか無いですが、 3mm程の強度のある鉄製ワイヤーで自作するかおちょこのような物を下に敷いて水を入れれば代用できます。 燻製は双方美味しく作ることができます。
揚げ物は串揚げと天ぷらで比較しました。メスティンでは串揚げ、 天ぷら共に普通に美味しくでき上がりましたが、飯盒で揚げた場合では上蓋ではメスティンと同じでした。 しかし本体では大量の油が必要になりましたが、ファミリーキャンプなどの少人数では楽しく揚げ物パーティーが楽しめます。
飯盒とメスティンのメンテナンスって大事ですが、正直どうやったらいいのかわからないですよね。そこで今回は、飯盒とメスティンのメンテナンスのポイントをご紹介しますので、見ていきましょう。
飯盒やメスティンを使用する前には シーズニングの作業をすることで表面に膜ができます。 膜は焦げ付きの防止や金属臭を防ぐ効果があります。シーズニングの方法は、以下を参考にしてください。
飯盒はメスティンの方法では外側の塗料が剝がれてしまう物もありますので、お米のとぎ汁を中に入れて沸騰させます。
ご飯が炊けた後はできる限り早くご飯を取り出し、水を入れてつけおきし、約30分放置後スポンジでこすります。底面が焦げている場合はスポンジでこすった後に焦げている所まで水を入れます。 そこに酢を約大さじ3杯入れて約20分間沸騰させます。火を止めて冷めたら割り箸で焦げをこすると取れます。 その後はシーズニングを行います。
飯盒を洗った後は、しっかりと乾燥させましょう。水分が残ったまま収納するとカビやサビの原因になります。乾燥させる際は、陰干しや風通しの良い場所で行いましょう。
飯盒は長期間使用しない場合でも、適切に保管することが重要です。 湿気の多い場所や直射日光の当たる場所は避け、乾燥した場所に収納 するようにしましょう。
飯盒とメスティンはキャンプ初心者にとって重要なアイテムです。どちらも煮る、焼く、蒸す、揚げるなどの調理方法ができるため、キャンプでの料理に大活躍します。
キャンプ地への移動方法や人数により変わります。自分のキャンプスタイルや目的に合わせてすきな方を選ぶことをおすすめします。最後までお読みいただきありがとうございました。
余暇プランナー
キャンプと食べ歩きをこよなく愛する静岡県在住の副業ライターです。近場のキャンプ場にもいきますが最近では家庭菜園の畑にマイキャンプ場を作り、ピザ窯を活用して友達や家族と楽しく、時には1人でゆっくりキャンピングライフを満喫しています。 食べ歩きも好きで、入ったお店で自分で作れそうな料理を、自分なりにキャンプ飯にアレンジしています。 YOKKAではキャンプの知識と、簡単で美味しいキャンプ飯をお届けします!