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シックでおしゃれな黒花たちですが、 真っ黒という花色はありません 。暗めの紫色や赤紫色の花が光の具合で黒く見えることがほとんどです。
黒色の花びらは、アントシアニン(赤・青・紫)、カロテノイド(黄色)、クロロフィル(緑)という3つの色素の組み合わせでできています。これらの色素が多量に蓄積することで、人間の目には黒っぽく映るといわれています。
同じように黒っぽく見える花たちでも、花の種類によって色の構成要素は違うそう。同じ黒でも青っぽい黒や赤っぽい黒などさまざまな黒花があります。
黒い花は、 どんな庭もおしゃれに仕上げてくれる、とっても使いやすいアイテム です。
黒花の複雑な色みは、ほかの花色たちをうまく調和させてまとまりをみせてくれます。また、植栽に濃淡が生まれることで目線が誘導され、狭い庭にも奥行きが生まれるという効果もあります。
今回は黒い花たちのなかでも、ガーデニング初心者でも挑戦しやすく、比較的育てやすい種類をピックアップしました。庭がガチャガチャして悩んでいる、おしゃれな庭を作りたい、落ち着いた色合いの庭にしたい、といった人におすすめの花たちですよ。
冬の庭にまず植えたいのはビオラ。開花時期が長く、株も大きくなって見応えがあるため、冬の庭には欠かせません。さまざまな形や色のビオラが出回りますが、黒のビオラはとても人気があります。地植えはもちろん、鉢植えでの栽培も魅力的です。
相性がよい植物も多く、シルバーリーフと合わせたり、ニュアンスピンクの花と合わせたり…次はどんな風に合わせようかと毎年の楽しみにもなります。1株でも大きくなって見栄えがよいため、 コスパのよさとしてもおすすめ です。
購入してしばらくしてから一度摘芯を行うと、その春にまたたくさん花を咲かせてくれます。
こちらも冬の庭には定番のクリスマスローズ。愛好家も多く、さまざまな花色の品種が生まれています。深い色合いの品種も多く、好みの色を見つけやすいのが魅力です。ワインレッドから紫、黒紫色などの花が、うつむき加減に咲く姿は情緒があります。
1月〜3月の花が少ない時期に長く花を楽しめ、 日陰でも育てられてとても重宝 します。庭植えでも鉢植えでも強健に育つので安心です。
開花後には早めに花茎をカットすると、翌年もよく花が咲きます。カットした花は切り花やドライフラワーにして飾っても素敵です。
色や咲き方が豊富なラインアップで、庭を華やかにしてくれるペチュニア。 3月頃~秋まで、かなり長く花を楽しめる ガーデニングにはもはや欠かせない人気の植物です。一株でも張りが非常によく、見栄えがします。
ブラック系の品種も非常に豊富で、一重咲き、八重咲き、縁取りや模様などはさまざま。好みのものを見つけやすいのもおすすめポイントです。春、夏から秋とさまざまな表情を楽しめます。
花壇の前方に植えると縁取りになり、ハンギングなどにして垂れる姿を生かすのも素敵ですね。ビオラ同様、植え付けてしばらくしてから摘心を行うと、花数が増えます。
幾重にも密に重なり合う花びらが春の訪れを知らせてくれる、キンポウゲ科の球根植物です。11月〜12月頃に球根を植え付け、3月〜5月頃に開花します。花が咲いている苗も年明け頃から店頭に並びます。
ニュアンスカラーの花色がたくさん展開されていますが、ブラックパールやイドリスなど、深いワインレッドや暗紫色の品種もいくつかあります。 長い茎に黒い花がゆらゆらと風に揺れる姿は、シックで風情があります 。
花が終わり、葉が黄色くなったら水やりをやめて乾かし、球根を掘り上げましょう。
ひたち海浜公園など、幻想的な青い絨毯をつくり出すことで知られるネモフィラ。
爽やかなブルーのネモフィラも魅力的ですが、シックなブラックカラーのネモフィラもとってもおしゃれ。深い黒紫色に白い縁取りがついた小さな花は、黒色ながらフレッシュでキラキラとした印象があります。
ネモフィラは2月〜5月頃まで開花し、気温が高くなってくるとなくなってしまう一年草です。1月〜2月頃から花の咲いたポット苗も出回りますが、 たくさん植えたいなら秋に種をまいて育てるのがおすすめ です。
春といえばチューリップ。赤・白・黄色と明るい色合いが思い浮かびますが、シックなブラックチューリップは唯一無二のかっこよさがあります。
コロンとした丸いフォルムの八重咲き・ブラックヒーローや、すっきりした一重咲きのクイーンオブナイトなどの品種が代表的です。ほかにもより黒に近い品種や、パーロット咲きなど さまざまな黒系チューリップが展開されています 。
品種によって開花時期は異なりますが、3月〜5月頃まで楽しめます。球根は秋植えで、花が終わったら球根を掘り上げ乾燥させてまた翌年の秋に植え付けます。
繊細な草姿ながら、意外と強健で育てやすい西洋オダマキ。シンプルな印象の日本原産のミヤマオダマキと比べ草丈が高く、ユニークな花色や咲き方など豊富な園芸品種があります。
黒花品種では、八重咲きのブラックバローが代表的です。5月頃には60cm〜80cmほどの高さになり、すっと伸びる茎にチョコレート色をしたうつむき加減の花をたくさんつけます。 ナチュラルでエレガントな姿はバラとも相性抜群 。
冬には地上部が枯れる宿根草で、春になるとまた茎を立ち上げて花を咲かせます。
オキナグサは四国や九州で自生する山野草です。5月頃に白い毛に覆われた暗赤紫色の花が咲き、花後には白く長い毛のついた種ができるのが特徴的。目立つ花ではありませんが、控えめにそっと咲く姿が美しく、落ち着いた雰囲気を醸しています。
自生種は絶滅危惧種にも指定されていますが、性質は丈夫で植えっぱなしでも毎年咲きます。冬に地上部は枯れますが、いつのまにか春に芽吹き こぼれ種でも増えます 。暑さ寒さにも強く、雪の降る地域でも育てられます。
冬に多くの植物が枯れた背景には、黒い花がとてもよく映えます。
冬の庭を明るくカラフルに彩って魅せるのも素敵ですが、たまには冬らしさを生かし、花の色数を絞って黒色の花で引き締めてみるのはいかがでしょうか。冬から早春の陽光に照らされた黒色の花は、朝・昼・夕方それぞれ見え方も違って、本当に美しいですよ。
そして春、色とりどりの花が揃うなかに添えれば、庭全体を引き締めて統一感を出してくれます。
なかでもビオラやペチュニアは流通量も多く、 価格も手頃で育てやすいので初心者にもおすすめ です。黒い花でおしゃれな庭を作ってみてくださいね。
余暇プランナー
田舎暮らしの30代フリーライター。イングリッシュガーデンやオージーガーデンが好きな2児の母です。花屋と園芸店で勤務経験があり、今はガーデンデザインの勉強中。最近ついにマイガーデンに着手し、ゆる〜くかつ素敵なお庭を作るべく、日々試行錯誤しています。かっこよくて魅力的なネイティブプランツや、のびのび育つのに繊細なフォルムのハーブや花々が好き。リアルな庭作りの情報をお届けしたいと思います。
【ガーデニング】冬〜春の庭を大人っぽく!シックで素敵な黒い花8選